昨晩の続きです(内容で分けました。)
(青野宏美「地質のフィールド解析法」近未来社, 2010, §2)次に驚いたのが、河床礫の向き。
長軸が流向に直交するそうです。コロコロ転がって留まるため。言われてみれば、納得です。
今まで、多くの河床を見ていましたが、礫の大きさや固さは気にしていたものの、長短の向きは全く眼中に入っていませんでした。稀に古流向を推定する場合でも、斜交層理しか気にしていませんでした。これからは、礫層の長短方向も意識しておきましょう。
応力場の検討では、空洞周辺の応力状態をFEM解析により算出する。岩盤のφが一定であれば、モビライズド面は主応力に対して、45°±φ/2の方向となるため、円形空洞の場合には、図1-8に示すような対数らせん状のモビライズド面が形成されることから、このライン上でのすべり安全率を算定するスリップライン解析によりすべり安全率Fs=1.5以上が確保できることを確認する。mobilized というくらいですから、海外の文献が出典なのでしょう。
動解での全応力解析と有効応力解析 ②P198
全応力解析(土骨格・間隙水を一体として扱う)
有効応力解析(土骨格・間隙水を個別に扱う)
地震時は、よほど透水性のよい砂礫でない限り非排水
非排水せん断で、ダイレイタンシーによって過剰間隙水圧発生
全応力解析では、過剰間隙水圧の影響を含めた形での動的変形特性や動的強度特性を用いる必要がある。しかし、大ひずみ領域ではダイレイタンシー挙動や繰り返し効果が顕著になり、過剰間隙水圧を陰に含んだ全応力強度特性を室内試験から設定することは困難。
全応力解析はダイレイタンシー挙動がさほど顕著に表れない中ひずみまでの領域で用いられることが多い。
大ひずみ領域では、有効応力解析を用いざるを得ない。
単位体積重量 ①P152②P199
中ひずみ以下での「非排水条件下での飽和地盤を対象とし、動的変形特性を用いた全応力解析」の密度・・・粘性土や地下水以浅:湿潤密度、地下水位以深:飽和密度
有効応力解析を行う場合は、地下水面下で有効単位体積重量γ’を用いればよい。
変形係数 ①151②P209
有効応力解析の弾性係数E’
一軸のE50は非排水であり、全応力に対する弾性係数。
有効応力解析では、有効応力に関する弾性係数に変換する。利用するのはせん断剛性G。せん断剛性G=E’/2(1+ν’)は体積変化に無関係。
E’/2(1+ν’)= E50/2(1+ν)
E’=E50(1+ν’)/1.5
有効応力解析のν’=1/3程度。
(講習会では、「粘土の側方流動などを扱う場合、ν=0.1~0.2程度が多い。0.3を超えることはない。」と言われていました)
c' | φ' | ccu | φcu |
kN/m2 | 度 | kN/m2 | 度 |
10 | 33 | 195 | 16.2 |
l | σ0=σ-u | τf=ccu+σ0tanφcu | σ'=σ0-us (=(τf-c')/tanφ') |
us=σ0-σ' | Us=usl |
m | kN/m2 | kN/m2 | kN/m2 | kN/m2 | kN/m |
4.6 | 7 | 197.0 | 288.0 | -281 | -1293 |
2 | 23 | 201.7 | 295.2 | -272 | -544 |
1.9 | 25 | 202.3 | 296.1 | -271 | -515 |
4.4 | 26 | 202.6 | 296.5 | -271 | -1190 |
c' | φ' | ccu | φcu |
kN/m2 | 度 | kN/m2 | 度 |
10 | 33 | 160 | 9.6 |
l | σ0=σ-u | τf=ccu+σ0tanφcu | σ'=σ0-us (=(τf-c')/tanφ') |
us=σ0-σ' | Us=usl |
m | kN/m2 | kN/m2 | kN/m2 | kN/m2 | kN/m |
10.7 | 187 | 191.6 | 279.7 | -93 | -992 |
10.2 | 206 | 194.8 | 284.6 | -79 | -802 |
5 | 200 | 193.8 | 283.1 | -83 | -415 |
5 | 185 | 191.3 | 279.2 | -94 | -471 |
10.2 | 141 | 183.8 | 267.7 | -127 | -1292 |
8 | 97 | 176.4 | 256.2 | -159 | -1274 |