LS-RAPID では、土塊内部の抵抗を基本的に取り扱いません。
しかし、それでは計算が破綻するようで、後付で内部抵抗に似たパラメーターを追加されています。
一つ目は、土塊内部の動摩擦係数。ただし、全土塊内部を計算するわけではないようです。土塊縁辺部において、尾根部よりも土塊カラムが高くなった場合等のみ、その土塊カラム内部でせん断抵抗を計算し、尾根越えを許容するオプションがあります。尾根越え計算をするかどうかのチェックが該当するのですが、チェックしない場合は単なるエラーでしょう。
2つ目は、 異常な速度を制限するために設けられた、α(1/2)mv^2。このチェックを有効にすると、設定速度以上でこの外力が発動するようになります。あくまで速度に応じた抵抗力を設けるというだけであり、速度を制御するパラメーターではないようです。ま、こちらも解析上の不具合をなくすために設けられたパラメーターだと思います。
これらのパラメーターが引用文献や解説書の支配方程式に入っていない点が、理解を妨げています(先の Bss も支配方程式に入っていません)。
他にも、計算中に保存則が効かず土塊体積が増えていく現象?があり、それをタイムステップ毎に割り戻すパラメーターも設けられています(これも支配方程式には入ってきません)。
このあたり、市販ソフトのためプログラムの中身が見えませんので、 手の出しようがありません。
LSFLOW と LS-RAPID、どちらもパラスタ(合わせこみ)は必要ですが、個人的には前者の方が自然に近い支配方程式やアルゴリズムを採用しているように感じます。
LS-RAPID、使い勝手は良いので今後に期待です。
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