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2018年10月19日金曜日

洪積層と更新統

洪積層の液状化について、再度検討。
https://phreeqc.blogspot.com/2018/06/blog-post_88.html

示方書が 洪積層=「概ね」更新統 としているのは、臨海部の2~1万年前の軟弱層を、慣習に外れて洪積層と呼ぶのは不都合という点もあったのでしょう。沖積層・洪積層から完新統・更新統に完全移行できなかった理由の一つと推察されます

この沖積層、洪積層、完新統、更新統の微妙な扱い方は、第四紀学会HPにも記載されています。http://quaternary.jp/QA/answer/ans021.html
なお,沖積低地の構成層である沖積層の基底面は最終氷期の最大海面低下期に形成された不整合面に相当すると考えられ, この最大海面低下期は更新世末期の約2万年頃にあたっていて,日本第四紀学会のホームページ (第四紀の地位と新定義 -完新世の開始期の定義- ) で解説されている約1万年前の完新世と更新世との境界とは若干のずれがあります.このことから,井関(1966, 1983)は, 沖積層の堆積した時期を沖積世とよぶことには意味があると述べており, 現在でもとくに平野部や臨海部の第四紀末期の最大海面低下期以降の堆積物を総称する場合には沖積層という用語が用いられています. なお,内陸部の地層については浅層の河川堆積物については沖積層とよんでも良いと思いますが, それらを構成する砂礫層の下部は最終氷期までさかのぼる場合も多いと考えられるので, 完新統および更新統(最上部)というような表現の方が良いと思われます.
液状化を例にとると、本来は堆積履歴を考慮した補正が必要なのでしょう。基準に載せ得るとすれば、それは地質屋の技量に依存するものでなく、普遍的な指標値を、容易に、安価に得られる試験とバックデータに依ることが必要です。
今の簡易判定を続ける限りは、良くも悪くも地質屋さんの匙加減ひとつということになります。改善の余地が残っているということです。


2018年6月27日水曜日

洪積層の液状化?

道路橋示方書において、洪積層は液状化検討対象外です。

どこかに書いたかもしれませんが、以前は緩い砂質土であれば洪積層でも同手法で検討すればよいと考えていました。
が、平成24年の改定で、対象は「沖積層」に明言されました。プロによれば、安全側という名の過大設計が、事例を交えある程度明らかになったためとのことです。この方針は平成29年の改定でも維持されています。

洪積層の緩い砂質土が液状化しないのか、実際に試験をして検討している文献があります。
古谷ほか(2014)洪積砂質土層での液状化判定方法の一考察, 地盤工学ジャーナルVol.9,No.4,633-643
このように実際に試験をすれば明解でしょうが、実務では示方書があるのにそこまでされないでしょうね。

そうなると、沖積・洪積の境界判定が重要になるでしょう。
現状、判定は経験によるものが多いと思われます。年代測定を行うことはほぼありませんので、残渣を見たり文献と照らし合わせて判定をすることが多くなります。山間の谷底堆積物だと迷うことが多いですね。絶対年代ではなく、相対的に古そうなもの、N値の高いものを洪積の判断根拠にする場合もあります。
その程度の判定で、「洪積層だから液状化対象外」としてしまう危険性は地質屋さんにしかわかりません(判断の曖昧さをわかっているからこそ、検討対象としたわけです)。

沖積・洪積判定の曖昧さによる液状化層の見逃し回避と、検討手法による見逃し回避を区別できない状態で、今の基準が示されています。要は、まだ過大である可能性があるということです。
年代測定が使われるようになると、少なくとも前者の曖昧さは小さくなるでしょう。それに応じ示方書の検討手法は改訂されるかもしれません。
まずは、そのような根本的見直しが必要だと感じます。

2018年6月23日土曜日

地盤の固有周期 その2

以前、道路橋示方書における地盤の特性値(基本固有周期)Tの推定式について書き残しています。
https://phreeqc.blogspot.com/2011/11/blog-post_29.html

示方書では微動観測等の調査が基本のように書かれています。が、実際は解説により(2)の推定式を使用します。
(1)地盤の基本固有周期TG は,地盤調査等に基づき,適切に算出しなければならない。
(2)地盤の基本固有周期TG を,式(3.6.1)により算出する場合には、(1)を満足するとみなしてよい。 
地盤の基本固有周期TG を求める方法としては,微動観測等により直接的に得る方法もあるが,微小ひずみ振幅領域における地盤の基本固有周期であれば実用上十分な精度を確保して地層ごとの厚さや平均せん断弾性波速度から算出できるため,地盤の基本固有周期TG は式(3.6.1)により求めてもよいことが規定されている。
この式だと手計算でも答えを出せるのですが、層が複雑だと案外面倒です。
幸い、他の目的で微動探査を実施していましたので、今回はこの結果を利用することに。これなら実測なので直接的です。が、示方書では微動観測から基本固有周期を求める手順を、港湾基準のように規定されていません。

偶然、他目的で呼んでいた図書に関連内容が書かれていました。

鹿島出版会「活断層調査から耐震設計まで」

この図書では得られたスペクトルから判定していますね。発刊が2000年ですので、今なら H/V 含め評価する方が良いでしょう。ま、規定されていない以上、技術者が良いと思える手順で判断すれば問題ないということだと思います。

この図書、地盤種別についてもコメントされています。どこかで見た覚えがありますが、書き残しておきましょう。

I種地盤:良好な洪積層及び岩盤
III種地盤:沖積層のうち軟弱地盤
II種地盤:I,II種に属さない洪積・沖積層

建築・港湾・道路橋と、常時微動を公的に使いやすくしてもらえているのはありがたいことです。積極的に活用したいですね。

2018年5月31日木曜日

ソフトの設計ミス

液状化の検討(震度法)を実施する必要がありました。

数か月前に購入したサービスに含まれていたソフトで実施。どのような使い勝手か試してみたかった、というところです。

が、計算結果が何かおかしい。
よくよく見ていくと有効上載圧の計算結果が誤っています。なぜそのような計算結果になるのか調べてみると、わかりました。湿潤単位体積重量から 10kN/m3 を引く仕様になっていました。飽和・水中を入れる箇所がなく、どうにも手出しできません。

サポートに連絡しましたが、担当者不在とのことで、後から連絡するとのことでした。

その日の夕方に、担当者のオジサマから電話がかかってきました。
が、話が通じません。どうも、湿潤・飽和の違いがわからない土木素人サンのようでした。怖いですね~。実はこの会社、以前もCAD関連でこのような素人サン担当者が出てきて呆れたことがありました。有名な会社なのですが、ソフト開発は外に丸投げのようです。

最近、このような質の低下が目につきますね。市販ソフトでも「まず確認」「疑ってかかれ」が身に付きました。残念な流れです。

結局、いつものソフトで計算を終えました。
使い勝手が良かっただけに、残念ですね~。


2015年3月7日土曜日

サンドドレーンとサンドコンパクション

サンドドレーン(SD)と、サンドコンパクションパイル(SCP)ですが、液状化対策、強度増加、圧密促進など、地盤改良工として使用されています。

主にSDは圧密促進、SCPは液状化対策や構造物基礎の支持力増加といった目的を持って採用されていると思うのですが、事例をみると混在しているようです。また、以前読んだ高速道路建設時の事例では、SDの沈下促進効果をほぼ否定されていました。

これらの本質について、残念ながら私は理解できていません。整理しておきましょう。
まずは、一般的な違い。この辺は多くの方が疑問に思わないところでしょう。

工法について。
http://www.umeshunkyo.or.jp/108/prom/236/page.html

護岸、岸壁、防波堤、構造物の基礎等、液状化現象対策、地盤沈下対策
砂質土:液状化防止、地盤沈下低減、せん断強度増加
粘性土:圧密促進、残留沈下の低減、せん断強度増加
http://ja.wikipedia.org/wiki/サンドコンパクションパイル工法

護岸・埋立地・盛土の沈下促進等
粘性土:圧密沈下促進、せん断強度増加
http://ja.wikipedia.org/wiki/サンドドレーン工法

東日本大震災では、SCPで液状化防止に効果あり。東京ディズニーランド。

不同沈下に制約があったり、盛土荷重のみで規定の強度増加を達成できない。(バーチカルドレーンとプレロードでは対応できない)
→盛土による圧密効果(強度増加)よりも大きく、地盤変形を抑制できるSCP(p105)
バーチカルドレーンによる盛土安定管理のフロー(p107)
地盤工学会「地盤工学・実務シリーズ11 地盤改良効果の予測と実際」


ここから、あいまいな点です。

SDと低置換SCPの違いについて。
SDの砂杭も排土杭であり、サーチャージをかけなくても圧密した例がある。
境界はどこ?違いは砂杭の硬さ?
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003975531

阪神・淡路大震災ではSDで液状化に効果あり。
http://www.nikken.co.jp/ja/archives/pdf/0575-01.pdf

高速道路の事例
バーチカルドレーンは、ほとんどの場合、実測データから明確な沈下促進効果(残留沈下低減効果)を確認することができず、実際には強度増加促進効果を狙った安定対策工として用いられてきた。ただし、長期間の沈下追跡調査によって、SDによる沈下促進効果が確認される事例が出てきた。(p56)
「高速道路の軟弱地盤技術」鹿島出版会

やはり、何が工法の本質で、どのような地盤への適用が正解かよくわかりませんね。調査時に何に着目すれば良いのか絞れません。


余談ですが、上記の地盤工学会の図書に、面白い記載がありました。バーチカルドレーンの最終沈下量は一般的に以下の通りとなるようです。
mv法 ≦ e-logP法 < Cc法
ただし、実測沈下量はそれぞれ0.8~1.6倍にばらつくので、圧密定数(特にPcやe0)をいかに適切に設定するかの方が重要(P61)

層厚によりますが、圧密試験は他の物理試験ほど数多く実施されることはありません。その割に、結果のばらつきが大きく、定数設定時に悩むことが多いと思います。数多く実施しても、ばらつきますので、結果的に平均的かつ安全側の値を決める事になると思います。その結果、0.8~1.6倍となるのでしょう。


SD、SCPが、液状化や強度増加に効果ありというのは感覚的にも理解できます。圧密も理解できますが、現場調査・室内試験から施工に至るまでの定量的な判断は、まだまだ難しいのでしょう。
こういった課題が残っているのは、面白いと思います。



2014年3月1日土曜日

液状化

次は、地盤工学会「地盤工学実務シリーズ18 液状化対策設計」です。10年前の図書です。
この本は液状化に特化して解説されていました。他の本とかぶっている箇所が多々ありますが、何度も読んで頭に刷り込むには良い機会でした。以降、備忘録です。

・限界動水勾配(p25)

・流動する地盤から杭に及ぼされる荷重が速度に依存する(p43)
ダッシュポット、粘性の存在

・液状化の際は非排水として扱うことが多い>実際には間隙水圧の浸透、転移が生じる。>地震応答特性、残留変形に影響する場合あり(p59)
礫、グラベルドレーン、転移による二次的な液状化

・最大せん断応力τmaxの補正(p62、79)、・液状化強度比の補正(p66)・FL値(p80)
このあたりは他の教科書よりもやや詳しく書かれています。

・FL値から間隙水圧上昇量の簡易予測(p81)

・FL値から液状化の程度の予測(p83)
層内の一部で液状化するときは、説明に困りますよね。その場合に試してみましょう。

・全応力解析による液状化予測(p90-92)
FL値・累積損傷度

・有効応力解析による液状化予測(p93-)
地震終了直後の残留変形で、その後の沈下は求められませんね。実務では技術者によって多々工夫されています。
要素シミュレーションにも触れられています。
地震以降の変形については、p98より記載有。ALID、微小変形と有限変形の違いなどは、ここで触れられています。


案外、解析については書かれていませんね。10年前だからでしょうか?最後の本に期待しましょう。

2014年2月23日日曜日

繰り返し三軸強度比の補正

地盤工学会「地盤工学実務シリーズ13 地盤・基礎構造物の耐震設計」は13年前の図書です。
主に各構造物に対する耐震設計法の概要が紹介されています。各設計基準は既に更新されていますが、考え方を追って行くには良い本かと思います。以降、気になった個所の備忘録です。


・動的せん断強度比の補正
昨日の「不規則波(地震波)と、正弦波20波の相違について」と同じ説明が載っています。
http://phreeqc.blogspot.jp/2014/02/fl.html
こちらの方が分かりやすいと思います。

道路橋(p192-194)
RLは正規化N値から推定です。粒度の影響は正規化N値の補正で対応です。それに地震波の不規則性の補正を行います。

港湾(p420)
等方圧密とK0圧密の補正、地震波の特性(多方向、不規則性)の補正が考慮されています。
ちなみにLのτは地震応答解析結果の時刻歴となっています。


昨日も書きましたが、動的せん断強度比、液状化強度比、etc.、どれが一番メジャーな呼び方なのでしょうか?なぜ統一されていないのでしょうね。まさか、扱う構造物や分野によって違うとか?どうなのでしょう。

FL値による液状化判定

地盤工学会「入門シリーズ35 地盤・耐震工学入門」の備忘録です。

・波形(荷重不規則性)の影響(p110)
不規則波(地震波)と、正弦波20波の相違について


・FL値による判定(p116)
FL=R/L
R=Cw・RL
L=khg・γd・σv/σv'

RLは繰り返し3軸試験(液状化、非排水)で求められる、繰り返し三軸強度比(液状化強度(応力比)、繰り返しせん断強度比、せん断応力比、20波のときの繰り返し応力振幅比、などとも)。20波で液状化と定義したときのせん断応力/拘束圧ですから、イメージは、この土が拘束圧の何割の応力で液状化に至るか(何割まで液状化を我慢できるか)示す値ですね。

Cwは補正係数。地震波形をみると、海洋型(タイプI)は繰り返し回数が多いが、内陸型(タイプII)は少ない、そのため、海洋型で1.0、内陸型で1.0~2.0とし、内陸型のほうが液状化に対し踏ん張れる補正となっているようです。

残るLはτ/σv'です。推定が入るので誤っているかもしれませんが、イメージは以下の通りでしょうか?
水平震度 khg は Fmax =m・amax = m・khg・g で、地震の最大加速度として重力加速度の何割を考慮するか示す値でしょう(p184、p214)。道路橋では地域の特性・重要性等を加味してさらに地域別補正係数を乗じますね。整理してkhg = amax/g
地表での水平震度 khg を評価したい深度までで補正する係数がγd。で、補正した加速度aはγd・khg・g = γd・amax/g・g
m は評価したい深度より上位の土柱の質量で、γ・z・1・1/g
その土柱が地震で動かされる力が F =m・a = γ・z・1・1/g・γd・amax/g・g =γ・z・1・1・γd・amax/g
1m2あたりの応力(地震によるせん断応力τ)に直すと、τ=F/1/1=γ・z・γd・amax/g = σv・γd・amax/g
せん断応力を有効上載圧で正規化して、L=γd・amax/g・σv/σv'
そうすると、Lは有効上載圧の何割のせん断力が地震によって与えられるか(地震によって土柱が動こうとするか)を示す値と言うことでしょう。

つまり、FL=液状化に抵抗する力/地震によって加わる力ですね。安定計算の安全率と同じ形です。
今まで、知ったつもりになっていましたし計算もしてきましたが、設計水平震度の定義について理解していませんでした。ようやくモヤが取れて全体がスッキリ見えてきた気がします。ただ、RLとLで正規化の異なる点はまだ理解していません。試験が等方圧密スタートということで、とりあえず置いておきましょう


・Newnark法(すべりブロック計算)の説明(p130)
道路土工に入っている手法ですね。
簡素ですが分かりやすい説明です。感覚的には安定計算の過程を追うのと変わりません。
F = ma の形でそろえて、未知のuを求めるだけという単純さです。


・ALID(p134)



2013年8月11日日曜日

サンプリングによる補正値

サンプリング法による繰り返し三軸(変形特性)の違いについては、吉田望「地盤の地震応答解析」p67に書かれていました。

やはり、サンプリング法によって、さらにせん断ひずみの大きさによって、補正値が異なるようです。しかし、その値は各試料によって幅があり絶対ではない。そのため、実務ではサンプリングの違いによる補正までは実施していないのが実情、とのこと。ま、凍結が理想なのは共通しているようです。

また、いろいろなG-γ・h-γデータの紹介もありました(すっかり忘れていました)。土研などの式も紹介されており、これらから履歴減衰の上限値を引っ張ってくることも可能でしょうね。ま、だからと言って試験がいらないということでもないでしょうけど。工学的基盤での入力波を造る場合には 上限だけではだめですからね。

見返すと、いろいろ忘れていました。この際、いろんな本を読んで、プロに話を聞いてみましょう。

FLIP と 港湾技研資料869

FLIP を港湾構造物以外に適用している報告書を2つ読みました。

目的は、各種パラメーターの設定根拠を調べること。
港湾だと港湾技研資料869でほとんど決まるのでしょうが、分野が異なるとどうなるか?先日記載したように、PS検層や繰返し三軸なしだとどうするのか?という点を確認したかったのです。

結論から言うと、メインは港湾技研資料でした。また、粘土の履歴減衰の上限値は別の基準から。
2冊とも、設計者は異なるのですが、同じ基準を引っ張ってきていました。実質、これしかないという状態なのでしょう。ま、港湾で開発されたツールですから、港湾以外のデータがないというのは当然かもしれません。

試験をした場合と、ない場合でどの程度結果に差が出てくるのでしょうか?
港湾であれば、海成層でチューニングされた設定法があるので、差は小さいのかもしれません。が、陸域の土砂であればチューニングから外れ、差の大きくなる可能性があります。それは、試験をしてみないと分からないのでしょう。
また、試験がない場合は要素シミュ(パラスタ)が不要なので、手数は少なくなるのでしょう。が、FLIP の能力を発揮できていないでしょうね。
結果、港湾以外で FLIP を使用する場合、現段階では試験をせざるを得ない状態だと思います。

ただ、試験をしたからOKとも限りません。砂はトリプルでなく、凍結でないとダメというような結果もありましたし。
「道路橋示方害における地盤の液状化判定法の現状と今後の課題」2004
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00037/2004/757-0001.pdf
それに関する対応もどこかに書いていましたが、忘れましたね。
もう一度探してみましょう。



2013年8月8日木曜日

液状化解析

夕方の緊急地震速報は誤報だったようですね。

あの音を聞くと、つい海溝型がちらつき複雑。
平然と電話を続けられている方もいらっしゃいましたが、肝が据わっているというべきでしょうか?誤報でなければどうしてたのか?電話握ったまま揺られているのでしょうね。

そういえば最近、耐震関連の問い合わせが多くなりました。それも、液状化の解析関連。ある構造物を対象とした地盤の液状化解析に対し、どのような調査が必要なのか?という内容。流行りのようです。

液状化は理解できていません。まあ、どの分野で、どの解析ツールが採用されていて、それに必要な調査は何か、程度までは整理して答えていますが、マニュアルの域から抜け出せていないレベルです。ただ、2年前から準備し始め、さらにプロが身近にいることは救いです。

中でも、FLIPはまだまだ。
先日も、N値と静的な力学試験、物理試験のみから解析できるか?といた問い合わせがありました。いろいろ悩みましたが、履歴減衰の上限値をどう決めてよいのかわかりませんでした。双曲線モデルを採用しているようなので、上限を決めてやる仕様になっているのでしょう。繰り返し三軸(変形)をやっていないと、決めようがありません(と思っている)。
港湾技研資料では、一律0.24となっていましたが、陸の砂でも同じでよいのでしょうか?粘土は?砂礫は?似たような土質の試験結果を、教科書から引っ張ってきても良いのか?まあ、そんなところで悩むくらいなら、素直に動的試験を追加した方が簡単だと思います。
 http://www.pari.go.jp/search-pdf/no0869.pdf


まだまだ、そんなところです。
プロに聞いてみましょう。


2012年11月17日土曜日

地震計によるモニタリング

今年はイマイチ成長していません。
特に最近は、帰って寝るだけの生活。

打破しようと動解の話を聞いてきました。今年の短期目標にしていたんですが、まったく進まず。まあ、手は動かして計算はできますし、そのために必要な調査も理解できるようになりました。ただ、それ以下でも、それ以上でもない状態。

今回、地震計によるモニタリングの話がありました。
これを聞いた時は目から鱗。そりゃそうです。地震波をモデルに入れて実際の挙動と合うかどうかチェックする計算は、いわゆる現況再現解析です。当たり前の話ですよね。なぜ気がつかなかったのでしょう?ま、モニタリング期間に地震波を得られないと、付け損といったことになりますので、実務では提案しづらいでしょうけど。爆薬で人工地震を作るにしても、基盤の揺れを観測する必要がありますし。この辺りになると知識がなく手が出せません。難しいのでしょうか?

今日はボーリング屋さんと、他社さんの仕事の話になりました。耐震のための調査で、微動アレー探査を実施していたそうです。これ、当社に機械はありません。いえ、オプションを買えばできるのですが、まだ上層部は踏み切らないようです。今回の地震で踏み切らなかったのですから、もう駄目でしょうね。

あ~、なんとか打破しないと。


2012年5月18日金曜日

空気注入不飽和化工法

空気注入不飽和化工法が地盤工学会誌の今月号で紹介されています。

3月でしたか、建設通信新聞で紹介されたのが知るきっかけでした。
「大丈夫なのかな?」というのが第一印象でした。空気を入れるということは3相になるわけですから計算自体が難しくなるし、有効応力の増加、圧密沈下の促進、空気圧の増大など、Totalの変形に関して予測しづらいのではないか?と漠然と思っています。たぶん、そのあたりの事はクリアーされていると思いますが、知識がないので、機会があればぜひ知りたいですね。

先月、四国で液状化対策の一環として夜間作業を行ったのですが、結構待ち時間があり、設計者と長話をしていました。その中で、この工法の話題になりました。やはり、設計者も維持管理(空気の抜けに対する管理)の事が心配なようでした。面的にある程度の深度まで不飽和化させ、それを数十年間維持するのであれば、それ相応の管理と施設が必要だろうというのも素人ながら想像できます。設計者として採用するには長期的な実績も気になるところでしょう。ただ、四国地整さんの仕事では、比較案に入れておかないといけないようですね。愛媛大との共同開発のようですから。

今後、日本で広まるかは分かりません。単純なので、何となくですが、海外で受けそうな匂いがします。液状化以外にも利用されるかもしれませんね。

2012年5月7日月曜日

G0 の補正

BE試験についてUPした際、設計者より「現位置のS波と供試体のS波を比較することにより、せん断剛性を補正するルーチンがある」と聞いていたことが頭に引っかかっていました。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html

吉田望「地盤の応答解析」に似たような補正の話が載っていたと思い、見直したところ、ありました。65ページより、「試料採取時や試験時の乱れ」として説明があります。現位置の G0F と室内試験の G0L を使って補正をするのが「実務で一般的に行われている方法」だそうです。なるほど。

付箋を貼っていながら、詳細を忘れかけていました。やはり、日常扱わないと死んだ知識になってしまいます。

動解、液状化、今年は少しずつでも装備して行きたいですね。

2012年4月30日月曜日

GSサンプリング

設計者より依頼。

「GSサンプリングとベンダーエレメント試験をしてもらえないか?」

話を聞けば、動解(FLIP)に使用したいとのこと。
しかし、どちらもレアです。私自身、見たことも触ったこともありません。

GSサンプリングは、大阪の業者さんがあるコンサルトさんと開発した手法と聞いています。以前、そのコンサルさんが仕込んだ仕事で仕様に入っていたことがありました。できる業者を調べましたが、その業者さんだけでした。しかも特許がかかっています。内管固定式であるところがミソらしいですね。礫対応とありますが、今は通常のコアチューブでも腕の良いオペさんはほとんど乱さずに上げてくれます(腕の悪いオペさんはサンプリング自体を任せられませんが)ので、それほど利点を感じません。

ちょうどGSサンプリングを実施している先輩がいましたので詳細を聞きました。
結局、扱うオペさんの腕によるとのこと。トリプルに比べれば長短両方ありとのことでした。平気で「礫は動く」と言うオペさんもいらっしゃり、何度も掘りなおしを指示しているようです。そりゃ、1本10万円でトリプルよりも良い試料がとれると宣伝しておれば、お客様に残念な試料をお見せすることができません。試験結果にも顕著に現れますし。
残念ながら現場まで見に行くことはできませんでしたが、聞いた範囲で利点は感じませんでした。

それらのことを設計者に話し、いったいどんな現場(土質)に使いたいのか?と聞いていくと、どうも液状化しそうな緩い砂をとりたいとのことでした。

では、トリプルで十分です。結局、トリプルを計画しました。

BE試験については後日。


2011年11月29日火曜日

地盤の固有周期

道路橋示方書の液状化の計算で、地盤の特性値(固有周期)TGを求める箇所があります。

層圧HをVsで割って4倍する簡単な式ですが、今まで意味を考えたことがありませんでした。そこに興味がなかったのです(技術者がこんなことを言ってちゃいけないのですが)。

先日より、吉田望「地盤の地震応答解析」を読んでいるのですが、その中で式の説明がありました。単純な話です。T = λ / V ですから、地震波のλが層厚Hの4倍の時に反射波と同位相になり、波が増幅されるわけです。定常波の発生による共振ですね。多層の場合は簡易的に各層の4H/Vsを足し込んでるわけです。1次固有周期と言うのは3/4、5/4でも増幅されるからでしょうか?

地震応答解析の概念は理解しやすいですが、液状化はまだ理解していません。
一歩ずつ進みましょう。

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2014/2/21追記
地盤工学会「ジオテクノート9 地震動」p22にも書かれています。

2011年11月3日木曜日

河川構造物の耐震性能照査指針(案)・同解説

そういえば、ALIDの論文で説明されているG1・G2の変化を3年前の社内講習で見た記憶があり、資料を探しました。当時、表面波探査が液状化の調査に使えないかと考えていましたので、印象に残っておりました。

ありませんでしたね。比較的物持ちの良い私ですが。配布資料がなかったのでしょう。

河川のプロが説明していたのを思い出し、さらに19年に国交省から出た河川構造物の耐震性能照査指針(案)の説明だったことも思い出しました。
http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/bousai/wf_environment/structure/index.html

改めて見ますと、確かに、静的照査法が書かれていますね。「下に凸なバイリニアモデルで表現するのが良い」ですから、ALIDがそのまま適用できるのでしょう。設計の方によれば、簡易法と呼ぶとか。

そういえば、昨年度より河川の耐震設計が始まりましたので、調査時には念頭に置いておく必要がありそうです。

2011年11月1日火曜日

N値からせん断剛性 その2

ALIDの論文が会社の倉庫にありました。
http://library.jsce.or.jp/jsce/syosi/ronbun/ID127918.html

自重解析後、液状化後の低下した剛性を出発点とし、静的に解いていますね。ですから、Vsや地震波はパラメータ推定にも計算にも必要とされていません。先日も記載しましたが、なかなかユニークな発想だと思います。汎用ソフトでも工夫すれば取り込むことができそうですね。

設計の方が気にされていたG0に関して言えば、

  1. 静的せん断試験より、せん断ひずみγ=10-3の時のG
  2. E=2800N,ポアソン比0.33を仮定したG・・・水平方向の平板載荷相当(通常10-2以上になると思います。)

ですから、低減率が違うのですね。設計の方は勘違いされていたようですが、G0の設定にVsは使用されていません。

ちなみに計算中は非排水状態を仮定しポアソン比0.49程度を使用しています。水圧の消散過程をモデル化しなくて良いのでしょうか?流動だから?感覚的には他の有効応力-弾塑性コードに比べ変形が大きく出そうな気がしますが、どちらが現実とあっているのかは経験がないので分からないですね。その辺はベテラン技術者の出番ですし、来年度の課題としましょう。

また、「ロッキング>減退積分>ゼロエネルギーモード発生>回避」や、「基準配置、微小変形理論で大きな変形を解くことも可能」あたりが興味惹かれました。久々に得るものの多い論文でしたね。


液状化と聞くと、すぐに「繰り返し三軸やPS検層が必要!」と思い込みがちですが、設計が使用するコードの理論や中身を知らないと、調査計画すらできないですね。

今回はいろいろ学ぶことがありました。

2011年10月30日日曜日

N値からせん断剛性

設計の方から問い合わせ。

「N値から初期せん断剛性を推定するのと、PS検層や表面波探査から推定するのとでは値が異なるのか?」

液状化の話ですね。値は異なるでしょう。が、Vsを経由するなら有意な差ではないと思います。

ただし、N値からVsを経由しないで推定するのであれば、オーダーレベルで異なる可能性があります。推定式がどのひずみレベルの初期せん断剛性を推定しようとしているのか知らなければなりません。


順を追って聞いていくと、ALIDのG1/G0でN値から求めた場合とVsから求めた場合で低減率が異なる点に疑問を持たれたようです。
http://www.geolabo-chubu.com/upload/pdf_letter/1238246447.pdf

ALIDというコードは知りませんでした。液状化後の変形量の予測に使うために開発されたようで、発想がユニークかつシンプルだと感じました。
図3をみると、確かに低減率が異なっていますが、これは別の理由もありそうです。
早速、論文を注文しましょう。