2012年9月29日土曜日

XRDの強度


 XRD 本体、60kV で長時間流すと、過電圧となるよう。
では、「電圧を下げて電流を多く流せば60kVの場合と同じ強度になるのでは?」と研究職が考えて、いろいろ試していました。

それらを一通り終えた段階で、「同じ試料で、以下の組み合わせの時に、得られる強度の一番強くなるセッティングはどれ?」と質問されました。

60kV-25mA
50kV-30mA
30kV-50mA

少し迷いましたが、経験的に電流が効くだろうと、「 50mA のセッティング」と答えました。
が、不正解。答えは 50kV-30mA ≒ 60kV-25mA >> 30kV-50mA でした。それぞれ1回しか測っていませんが、その結果は 50kV が一番高くなっていました。 ま、オーダーは 60kV と変わりません。
 
教えてくれたのが以下の式。(大野勝美「X線分析法」)

固有X線 Ic≒i(V-V0)^1.5
連続X線 Iw≒iV^2

計算してみると、まあ、そんなものかという程度。唯一、30kV-50mA で低くなるというのは、よく分かりました。今は電圧を下げて50-35のセッティングで試しているようです。

kV mA Ic Iw Ic/Iw
60 25 9143 90000 0.1016
50 30 7916 75000 0.1056
30 50 4860 45000 0.1080
50 35 9236 87500 0.1056


電流・電圧ひとつとっても、まだ理解できていませんでした。
ま、こういう 問題は welcom ですけどね。

2012年9月26日水曜日

HDDの認識

HDDの認識を2つ。

先日購入した 98用の IDE HDD を 9821AP へ、はめてみました。
が、通電するものの認識しなません。おかしいなあと思いつつ、時間が来たので現場へ。

帰ってきて、そういえばと思い、HELPボタンを押しながらDIP switch を確認。
やはり、HDDが切り離されていました。ま、当然です。設定を変えると一発で認識。フォーマットもOK。FDのシステムディスクが部分的に読み取れなくなっていたので転送で失敗しましたが、起動はしました。生きていますが、うーん、古い。


もう一つは Linux の HDD (らしい)。現場に付けていた観測機器の HD のフォーマットが Linux 用で Win から読めないとのこと。フォーマットの詳細は不明。USB 接続できるのかも不明。とりあえず、何か分かれば教えてほしいとのこと。

xfs の外付け HDD が手元にあったので、USB で接続。そして、いつぞやのKNOPPIX を起動。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/04/blog-post_17.html
こちらは問題なく認識し、NTFS へデータのコピーも可能でした。
あと、LANDISK に USB で接続しても認識しそうなので、伝えておきました。こちらは結果が知りたいですね。


今も昔も、悩むところは似ているようです。

2012年9月23日日曜日

秋葉原とPC-98

XRDにつけているPC-9821AP、だましだまし使ってもらっているのですが、ネタも切れつつあります。もう少し長生きさせるべく、材料を漁りに秋葉原に行きました。

通りかかったお店で98ジャンクが山積みだったので、そこに寄ることに。
東京ラジオデパートのJ-セブンです。
http://www.tokyoradiodepart.co.jp/tenpo/view/26/J-%E3%82%BB%E3%83%96%E3%83%B3_

おじさんの話によると、秋葉原で98を扱っているお店はもう1件しかないそうです。仕事も販売よりは修理ばかりだそう。工場の生産ラインなど、「あす朝8:00までに修理を」なんて依頼もあるそうです。MS-DOSの知識のある方も少なくなり、簡単な修理もできないようです。時代の流れですね。
今回はSCSIケーブル(フル50pin-ハーフ50pin)とジャンクっぽい内蔵HD(IDE)を購入。もうひとつ、ホントのジャンクの○○を購入。合計で1万円。おじさん、「全部動くけど、動かなかったら替えてあげる」とのこと。微妙。




もうひとつ、通りかかった店で気になるものが。
KANETECの磁束密度計、TM-701。9万円弱。ちょっと衝動買いはできない金額でした。
http://www.kanetec.com/products/teslameter/index.shtml

こういった商品を売っているお店が集まる秋葉原って、面白いですね。

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9/25追記
本体側、50pinじゃなかった。ICMの37pin。大きさ、似てたから。Orz
ボード買い変えてやろうかな。

熱の移動

揚水試験の浸透流の支配方程式について、藤縄克之「環境地下水学」に詳細が書かれていました。

単純に、直交座標系から円筒座標系へ修正しただけのようです。しかし、8割は理解できましたが、残り2割でつまづいています。もう少しを詰めるのは時間がかかると思いますが、コツコツやっていきましょう。


移流分散のように浸透流とあわせて解く場合、土との熱のやり取りはどう評価するのでしょう?
温水を注入すると、地盤を通過していく中で、土に熱を奪われます。その後、注入が終わると、冷水(地下水)が流れ始めますので、今度は土から熱を奪います。
これらの事象を地下水の視点からのみ見ると、熱の移動が遅れる訳です。移流分散でいえば遅延であり、遅延係数で表している事項でしょう。ところが、熱の場合、遅延で表すのは抵抗があると思われる方が多いのではないでしょうか?ちゃんと、土がどれくらいの熱を奪って、どれくらい与えるのかを把握しないと、井戸の配置や深度を設計できないのでは?と思われるのではないでしょうか?これ、汚染の評価時に、遅延のようなブラックボックスではなく、反応を連成して評価しましょうというような流れと同義だと思います。ただ、温度のように常に触れてきたものは感覚的にも理解しやすいので正しく評価したい、ということでしょう。

ま、そのような想像はさておき、実際の解析コードでどのようになっているか調べてみる必要があるでしょうね。

2012年9月21日金曜日

熱応答試験

地下熱利用(熱応答試験およびその解析)講習会で感じたことです。

受講時、熱応答試験(TRT)というものが、何のことか知らないレベルでした。
ただ名前から、地盤に熱負荷を与え、レスポンスを測定するといったイメージはありました。熱拡散も移流分散など同じような式なので、分散係数や拡散係数、または透水係数を測るイメージなのだろう、それを使って熱移動を計算するのだろうといった想像をしながら受講しました。

しかし、講師がいきなり「熱応答試験の理論式は揚水試験と数学的に同型」といった説明から入りました。えっ?と思いながら数式を見ると、確かに通常利用している PDE とは異なっています。1/rってなんだ?あれ?と思いながら話を聞いていたのですが、だんだん理解できました。
まず、熱応答試験は Closed システムでの熱交換井の評価を目的とした試験であること、つまり、井戸の構造や地下水位も全て含めた、測定時の井戸状態の値を測る試験です。あくまで地中熱利用のための交換井の本数や深度を設計することを目的とした試験であり、地盤の地下水の流れに温度を載せ、どう伝わっていくかを解析するためのパラメーター取得を目的とした試験ではありませんでした。ま、ある程度は利用できるかもしれませんが。
また、円筒座標系で示される試験であること。これが引っかかっていた一番の原因でした。そりゃ、円筒座標系の浸透理論と同型でもおかしくないでしょう。というか、揚水試験における浸透の支配方程式が線熱源の式を利用しているそうです。なるほど。

そこを理解すれば、あとは簡単。特に戸惑うこともなく、講習が終わりました。ちょっと期待していたところ異なる内容でしたが、ま、これはこれでまったく知らなかった箇所ですし、closed では必要な試験でしたので、個人的には満足でした。

揚水試験における浸透の支配方程式については、導出を追った事がありませんでした。浸透の式を直交座標系から円筒座標系に書き換えるだけでしょうか?一度、追ってみましょう。

2012年9月20日木曜日

「しなの」の車窓

長野市で地下水学会主催の講習会があり、参加していました。

長野市には初めて行ったのですが、遠かった。名古屋から3時間。ロクに調べもせずワイドビュー「しなの」に乗り、車中で遠いことに気づきました。ワタシ的には、ほぼ新潟。氷点下が年100日あるそうです。滞在中は暑かったけど。

車窓が良かったです。仕事をしながらでしたので、時々眺めていた程度ですが、新鮮でしたね。
基本的にいつ顔をあげても山が連続。高いけど、案外緩い。30度程度に見える所もあります。長野のイメージと違いますね。

途中、姨捨駅(名前が凄い。姥捨て山のお話しの舞台?)で「3大車窓の一つ」とアナウンスがありました。遠くに見える山と千曲川、平野のコントラスト。土石流堆積物なのか地すべりなのか分かりませんが、棚田が平野へ向かって連続。田植えのころ、月が映えるようで有名だそうです。帰りに3分ほど止まったので、ラッキーでした。

木曽川の渓谷もすばらしい。河床に違和感満載の地形がありました。個人的には一番のヒット。変わった地形だなあと後で調べてみると、寝覚の床(ねざめのとこ)と呼ばれる、名勝のようです(場所が合っていれば)。Wikiの説明を読んでなるほど。

うーん。下調べをせずに通過したのはもったいなかったかな。
次は巡検か観光で行きたいですね。

講習会については、また後日。

2012年9月17日月曜日

LogMeIn

先日、出張からの帰りに iPhone で会社のメールをチェックしていますと、急ぎの連絡が入っていました。添付資料を確認し、関係者へ転送してから電話で確認し、移動し始めました。運転していると一部の方より「文章が読めない」との電話。文字化けです。この原因は様々であり、昔からよく知られている現象です。

ま、この原因をつぶすよりも、PCを立ち上げた方が早いので、次のパーキングで立ち上げることにしました。
が、繋がらない。端末は docomo でしたが、電波が悪いのか切れてしまいます。仕方ないので、iPhone の LogMeIn でアクセスしました(未だにVPN経由ではムリ)。

LogMeIn については今まで詳しく知らなかったのですが、出張に出かける前に雑誌で見かけ、テストしたばかりでした。TeamViewer と似ていますが、こちらは社用でも制限がないようです。
ただ、基本的にタダより怖いものはありません。積極的に使うというところまでは至らないでしょう。ま、Googleも似たようなもので、その辺は割り切りが必要です。
https://secure.logmein.com/jp/
http://www.teamviewer.com/ja/index.aspx


今日、いつものように VPN 経由で会社にアクセスし、SoilPlus を使っていました。
SoilPlus、リモートデスクトップで難点があります。グラフィックドライバーが合わないのか、要素選択が異常に遅くなります。この部分、ほとんど使い物になりません。これを解消するために、今までVNCでトライした事もありましたが、根本的な解決に至っていません。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/08/vnc.html

ふと、LogMeIn だとどうだろう?と思い、試してみました。
結果、OKでした。何の問題もありません。
うーん。これからはコチラでしょうか?もっと情報を集めましょう。



2012年9月15日土曜日

孔内発破の効果

屈折法弾性波探査において孔内発破がどの程度有効か?

この判断は比較的簡単です。波が届かない位置で打てば有効です。逆に、波がたくさん通っている位置で打っても、効果は小さいと言えるでしょう。山を見て、波線図を何度も作っていれば、イメージできると思います。

と、言うのは簡単ですが、これがなかなかできません。
調べたくても波が届かない深度というと、土被り100mとか、200mとか。その様な深度に、弾性波をかけるような早い段階の調査で、いきなり長尺ボーリングを計画するのは困難。しかも、その孔が発破で何回もつか。それなら電気探査を併用させる方が効果的だと思います。施工中であれば、切羽の発破を利用し地表面で受振するのも手でしょう。

時々、坑口付近で短い発破孔が計画されている例を見ます。保安物件が近くて必要な場合もあります。が、基本的には費用対効果が小さいと思います。孔内発破を提案することで選定されやすくなるという狙いの営業的要素が強いのでしょう。

そういう他社の計画を受けたときに、有効性を判断できるかは技術者として重要だと思います。





2012年9月14日金曜日

法面崩壊

今年2つ目の法面崩壊。

帰ろうかなーと思っていたところ、崩壊の一報。
現場についた頃は応急対策(押え盛土)が始まっていました。

観察とヒアリングで原因を特定。
(半分は人災でした。 )

深夜0時を回って協議が終わり、朝まで資料作成、協議。で、現場へ戻って確認。そしてまた資料作成、協議。雨も降っていないのに、災害時のような1日でした。

お昼頃にようやく余裕ができ、写真を眺めながらいろいろ考えていました。
こういった崩壊現場は多くの事を気付かせてくれます。調査段階で必要な事、気付かないといけないこと、 報告しないといけないこと、そして分からないこと。

一晩でしたが経験値がたまりました。
そろそろ寝ましょう。





2012年9月12日水曜日

電気探査


先日扱っていた HandyViewer miniOHM では、いくつかのアダプターが接続できます。
そのアダプターによって比抵抗値の計算方法は変わります。が、基本的な考え方は同じでしょう。

電極を多数配置して測定する電気探査の場合も、電流が放射状に流れ、等電位面が球面を形成するというイメージではないでしょうか。地表から電流を流し地表で測定する場合は、放射状電流の重ね合わせを考え、平均的な比抵抗値を算出します。地下水で言う虚像井と同じ組み立て方です。上記の壁面アダプターも同じ考えでしょう。

電気探査の場合は電極間隔(球面直径)を大きく取り、深部の情報まで得ようとします。それを、解析的にフィッティングし、(平坦であろうが斜面であろうが)鉛直2次元として作画するわけです。少しおかしいのですが、平坦面でも鉛直、斜面でも鉛直で作画します。構造物や技術者に都合の良いように、解釈、投影するわけです。ま、その程度の精度であるということです。

時々見るのですが、複数の直線で曲線を分割した測線計画。探査深度と電極間隔による球面のイメージ内であれば、多少の曲がりは個人的にOKなのですが、直線で計画される方はそうではないようです。それなら鉛直かどうかにこだわった方が良いと思うのですが。
では、どこまでのRであればOKなのかというと、基準はありませんし、個人的にも感覚でしかありませんでした。

先日、このような話をダラダラとプロにしていると、ある指標を出してこられました。Rなりの電極間隔(探査深度)と、それを直線で結んだ場合の距離の比率を、解析に対する影響度として定義されていました。ま、何もないよりはマシといった程度ですが、「感覚」よりは説明しやすいかも知れません。機会があれば利用させてもらいましょう。

2012年9月9日日曜日

比抵抗値の整理

先日測ってきた岩盤露頭や河川水の比抵抗値を整理していました。

使用した機械は OYO さんの HandyViewer miniOHM Model-2121 です。15年前の機械。古いので内部電池は切れています。また、現場で計測していると、接触が悪いのか時々電源が落ちます。

帰ってから分解して振動を与えてみると、どうもコネクタ類ではなく、液晶周りか電池ボックス。電池ボックスを見ると、端子の一部が押し出されておらず、電池にスキができる状態。これが原因でした。端子をハンダで盛り付けし、スキをなくすことで解消しました。
一部は押し出されていたので、この端子、不良品ですね。15年間、使われた方はおかしいと思われなかったのでしょうか?

次に、結果を読み込もうとしましたが、整理ソフトがありません。15年間、誰も整理しようとしなかったようです。ま、比抵抗値さえ読めれば良いので、問題はなかったのかもしれません。
今回は数ヶ月前に SEISMOGRAPH Model-1816 のデータ整理用EXCELブックを作っていましたので、それを流用することにしました。データ形式は似たようなものなので、読み込み部分はすぐに加工できました。
が、読み込んだ結果を見ると、電流・電位ともに波形の値とヘッダーの値があっていません。波形からの算出法はマニュにも書かれていません。仕方ないのでOYOさんに聞くことに。

帰ってきた答え、マニュにまったく書かれていない演算内容でした。
その演算内容を取り込むと、確かにヘッダーの値になります(丸め誤差で微妙に違う場合もあります)。マニュアルとして、値として微妙ですが、ま、良しとしましょう。

整理用BookをUPしました。コチラ↓
https://sites.google.com/site/geochemist001/resources/handyviewer_mo

2012年9月8日土曜日

熱流体シミュレーションとEXCEL

「エクセルとマウスでできる熱流体のシミュレーション」丸善株式会社
http://www.research.kobe-u.ac.jp/eng-ene/excel-koku.pdf

いつも行く本屋さんで、この本の第2版を手にとっては、「ま、いいか」と思い買っていませんでした。

今日、図書館で熱伝導の本をあさっていると、初版が置いてあったので、借りて帰ってきました。

内容は1次元・2次元、定常・非定常熱拡散方程式を差分法で離散化し、EXCELのセルを利用して計算、可視化するというもの。内容は入門レベルでしょうか、特に難しい問題を解いているわけではありませんが、EXCELを利用するためのアイデアが多く盛り込まれています。これがこの本の売りでしょうね。ちなみに、文献も出ているようです。
http://www.research.kobe-u.ac.jp/eng-ene/excel-koku.pdf


以前より2次元定常浸透流はEXCEL+差分で試算することはありました。 しかし、非定常はどうするのか?ポテンシャル流れに移流分散を乗せるにはどうするのか?という問題にアイデアはなく、EXCELを利用することはありませんでした。この本では例をあげてその回答が書かれています。基本的にはシートや計算領域を複数にして、前の計算結果を反映させることで対応するようです。簡単ですが良いアイデアだと思います。

最後に移流分散(定常)、分子動力学法による分子拡散も簡単な例で説明がありました。後者は方程式を変えるとこんな事もできるんだ!というツールの守備範囲の広さを見せてくれます。

Fortran で組む内容と同じ事が EXCEL のセルと数式で可能なら、こういった熱伝導や移流分散の計算の壁が一気に低くなります。
2次元程度の試算であれば、誰でも持っているツールで可能になるということです。



2012年9月6日木曜日

薄片観察

4枚の薄片を観察していました。

いえ、私は鑑定力の幅が狭いことを自覚していますので、研究職に助けを請いながら観察していました。
大学時代はよく見ていたのですが、今ではコノスコープの使い方も忘れていた始末。さらに、学生時代に見ていた鉱物からそれるとダメ。薄片に目が慣れるまで時間がかかり、いつの間にか2日経っていました。


基礎知識というのは重要です。講習会である先生が言われていましたが、大学で習うレベルの数学や物理などは基礎体力なんですと。基礎体力がないと、 幅が広がらない、間違いに気付かない、体力(応用力)のいる検討ができない、など。確かにそう思います。
薄片観察も基礎体力です。基礎体力がないと岩種判定ができない、あるいは判定を誤っている事に気付きません。変成のグレードや変質の種類・順序も含め、本来は薄片と露頭を見て判断することを繰り返すうちに、直感が正確になるのでしょう。そして毎回の薄片観察やXRDAでのチェックが不要になるのだと思います。しかし、多くの場合、先輩や先生からの指導のみで岩種名を覚えているだけではないでしょうか。そこにバイアスが存在していると、一生気付かず、誤った判定をしかねません。判定を誤ると断面図が狂います。地質屋の断面図は思想図の要素が強いので、やはりその根拠が正しくないといけません。基礎は重要ですし、時にはそれを使ったチェックも必要なのです。

と、偉そうに書いていますが、まだ鑑定結果に自信がありません。薄片と露頭の矛盾点も解消していません。

もう少し、現場で露頭を見てきましょう。


追記
デジタル偏光顕微鏡というHPがありました。特殊な鉱物がないので見た目がきれいだなーという程度ですが、発想は良いですね。好きです。
http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/webLearning/index.html
昔、Computers and Geoscience に Polemic というソフトが紹介されていましたが、きちんと動かなかったような記憶があります。このソフトのように、多色性、消光角、伸長などを順番に選択していくと鉱物が同定されるようなのないですかね。


2012年9月4日火曜日

確率思考

図書館で目に入った、西内啓「確率思考のコツ」、一気に読み切りました。

専門書以外はほとんど手を付けないのですが、コレ、面白かったです。
  • 人体のように複雑な対象からわずかに判明したメカニズムで推測したり考察する = 妄想 → 確率論が有効
  • 確率を歪めるもの = バイアスの存在を認識する → 現実を整理し、バイアスに敏感になってよく理解することで、何もしなくても直感が鋭く、正確になる。
  • 全てのモデルは間違っている。だが有用なものもある → まったくわからない物事を整理できるという点で有用
色々な例をあげて説明されています。読んでいて、多くの例でダメな方の考え方にリードされてしまいました。作者の意図にハマりまくりでした。
確率論が好きでなくても、理解はしないといけないのでしょう。
地質屋のための地球統計学と同じです。

2012年9月3日月曜日

determinant

後輩からヘルプ。

Dtransu で見た事のないエラーが出てました。
**** ERROR ZERO JACOBISN DETERMINANT FOR 3/D ELEMENT
ELEMENT NO=
CONECTION TABLE=

調べてみると、要素の体積が、0か負の場合に出るエラーでした。

しかし、要素はきちんと6面体になっています。
エラーと一緒に吐き出されている負の数は何だろう?体積だろうか?と思いつつ、これだけでは解決法が分からないのでソースを見ることにしました。

ソースを追っていくと、どうもヤコビアンの determinant が負になっており、それが引っかかって吐き出されたようでした。納得。
しかし、計算過程のどこで determinant が使われていたのか思い出せません。で、FEMのテキストをあさる事に。

2日程経って、ようやく見つけました。単純です。逆行列の計算に使っていただけでした。JACOBISN DETERMINANT と書いてあるのに気付きませんでした。手計算でもやっていたのに忘れています。ダメですね。

ま、それならnodeの順番を変えてやれば正になるでしょうということで、変更してやるとすんなり通りました。解決です。


しかし、なぜこんな事が起こるのか?と思いつつ、原因を探っていくと、またもG-TRANが原因のようでした。CONECTION TABLE を正しく吐き出さないプリポスト、またもハマってしまったようです。

2012年9月2日日曜日

ハロイサイト

今日もNHKスペシャルを見ました。
「崩れる大地 日本列島を襲う豪雨と地震」

防災の日を意識されて防災関連の番組を増産されたのか、昨日に引き続き、物足りない内容でした。いえ、物足りないというか、大雑把。これが第一印象でした。

・流れ盤があるのが太平洋沿岸の付加体。
・ハロイサイト層があれば危険。

このような簡素化した情報を伝えることで、一般の方に危険性を認識してもらいたいという意図なのでしょうか?特に後者は地質の専門家の意図に反して、ハロイサイトのみに焦点を当てた番組構成になっているように思えました。間隙水と層間水、間隙水圧と膨潤圧、崩壊とすべりなどが混在。崩壊メカニズムも、1部を切り取って全深層崩壊に適用されかねない内容。
一躍「ハロイサイト」だけが有名になるのでしょう。ハロイサイトは危ない、と。当分、「カオリン鉱物」は使わない方が良いのかな。スメクタイトや他の粘土鉱物が陰に隠れそうですね。

「XRDA で分かる場合もあります。1試料3供試体で2万円です。」などと、商売として宣伝する方が良いのでしょうか?
いえ、これまで通り、淡々と調査していくしかないでしょうね。必要ならお勧めしますし、必要でなければ不要だと答えるしかないでしょう。ま、それ以上はお客様次第ですけど。



2012年9月1日土曜日

津波シミュレーション その2

南海トラフの巨大地震モデル検討会(第二次報告)
http://www.bousai.go.jp/nankaitrough_info.html

8月29日に発表された第二次報告、祭り状態なのか数日たっても繋がりにくい状態です。
新聞の一面やTVのニュースになっていましたので、一般の方も多く見られているのだと思います。

今回は最小で10mメッシュの結果ですね。津波高が高くなった所、低くなった所あるようです。ただ、全体的には第1次報告の津波高と大きく変わっていないようです。淡々とその様な報告がされていました。

しかし、これだけの資料を4月以降、約5ヶ月でそろえるのはハードだったでしょう。
前提条件も結果も丁寧に書かれていると思います。作る側から見れば、すっと理解できる内容ですが、一般の方はどこまで理解されるのか。すこし難しいように感じました。

ま、ようやくこれからなのですが、この結果をどう扱うべきかは自治体任せのようです。困るでしょうね。今日、NHK で放送される以下の番組はそのような内容を議論するようです。
 シリーズ日本新生「"死者32万人"の衝撃 巨大地震から命をどう守るのか」
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0901_2/ 
ちょっと見てみましょう。

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津波防災の部分を見終わりました。
国、防災の専門家と自治体の議論がメインでした。しかし、期待外れ。うーん。