2013年8月31日土曜日

地震応答の把握

「考え方がよくわかる設計実務 3 耐震設計の基本」大成建設を読んでいます。

これによれば、耐震設計のフローは以下の通りとなっています。
①耐震性能と地震力の設定
②地震応答の把握
③構造物への地震入力と解析
④構造物の健全性照査
②まで読みました。よくわかります。が、これを読むまで②と③が頭の中で混ざっていました。②は地盤がどのように動くか、③は②で求めた地震外力を何らかの形で構造物に作用させ、構造物の変位や断面力がどうなるか、を求める過程ですね。橋梁屋さんや建築屋さんなどにとっては③のほうがメインでしょう。

②については以下の通り。

  • 簡易設定法
    設計水平震度、応答変位(地盤の固有周期と速度応答スペクトルを利用)の2種。
  • 等価線形解析法
    結果として等価となる G, h を用いる。振動数領域の動的解析法としてSHAKE が代表。
  • 逐次非線形解析法
    振動系の運動方程式を時間領域で逐次的に解いていく方法(直接積分法)。各時間ごとに G, h を変化させ、時々刻々と計算し応答を求める。解法に Newmark のβ法がよく用いられる。
  • 有効応力解析
    液状化の検討に使用される。透水を考慮しないFLIP、考慮する(応力と浸透を Biot で連立させて解く) LIQCA が代表。

Newmark のβ法の説明はわかりやすいですね。簡単な積分と図が示されています。なぜβを0.25とすることが多いのかは、今まで「そんなものだ」と思っていたのですが、そうすることで平均加速度(一定)になるんですね。うーん、何でも読んでみるものです。


2013年8月29日木曜日

気象庁の特別警報

今晩から気象庁の特別警報が始まります。

雨に関する発報指標は土壌雨量指数。大雨注意報や警報と同じです。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/kizyun.html

土壌雨量指数は全国一律のパラメータで計算されています。気象庁で採用された当時、そのパラメータは公開されていませんでしたが(私の調べ方が足りなかったのかもしれませんが)、現在は公開されています。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/dojoshisu.html

計算は全国一律なのですが、得られた結果に対する評価(発報基準値)は地域毎に異なっています。同じ土壌雨量指数が算出されても、大雨警報などで取り扱う場合には、その数値の意味が地域によって異なるということです。詳細は知らないのですが、雨慣れしている地域は基準値を高めに、雨慣れしていない地域は低めに設定されているようです(さすがによくできています)。今回の特別警報では、数十年に1度の値となっていますので、雨慣れというとらえ方は、大外れではないでしょう。論文を調べたら出てくるとおもいますが。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kijun/index_shisu.html

よく似た情報で土砂災害警戒情報があります。これは特別警報や大雨警報の1軸(土壌雨量指数)+履歴ではなく、多くは2軸(60分積算雨量+土壌雨量指数)+履歴のようです。国交省河川局砂防部が詳しい資料を公開されています。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/doshakeikai.html
http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/sabo/dsk_tebiki_h1706.pdf



つい先日、先輩の話を聞く機会がありました。
深層崩壊と雨の関係について色々話されていました。目指すところは、土砂災害警戒情報のような2軸指標でなく、1軸の単純な指標だそうです。実際、一連の深層崩壊について実証されていましたので、正解かもしれません。

先輩によれば、素因の話がまだ残っているとのこと。
はい。地質屋は深層崩壊予測に対して明確な答えを出しているレベルにないといえるでしょう。誘因からせめて、説明できない個所の素因を調べる、といった手法のほうが前に進みやすいかもしれませんね。




2013年8月26日月曜日

標高表示板と津波遡上高

最近、街中で標高表示板を見かけるようになりました。


ある街で素人のAさんと、以下のような話をしました。

A「あれは何?」

私「標高表示板ですね。海からどのくらい高いかを示したものです。0.5mですから、海より0.5m高いということです。」

A「津波がきたら、あそこで0.5mの高さになるっていうこと?」

私「いえ、ただ単に、土地の高さを示しているだけです。このあたりだと、津波は○○mまで来ます」

A「それでは全く意味がないじゃないか?あそこでどのくらいの高さまで来るかが示してないと、どこの高さまで逃げればよいかわからないじゃないか?」

絶句。目から鱗でした。
私が表示板を作った訳ではないのですが、なぜか心の中で「すみません」と誤っていました。

確かにそうですよね。私だってよく知らない街への出張で、津波遡上高や避難経路を毎回確認するわけではありません(山は見ますが)。標高表示板の代わりに、津波予想高の表示板のあったほうが、逃げやすいと思います。いくら津波の計算をして、ハザードマップを作っても、伝わらなければ意味がないのです。いえ、そんなことはわかっているつもりでしたが、全くわかっていないことに気づかされました。

やはり、いろいろな方と接しないと、良いものは作れないのかもしれません。

2013年8月25日日曜日

現場透水試験と浸透流解析

「現場透水試験は必要ない。浸透流の逆解析で透水係数を同定すればよいではないか?」

先日、このような相談が私のところに来ました。
極端ですが、ある意味感心しました。

ただ、個人的には反対。
透水係数の妥当性を示す材料(透水試験による透水係数の分布範囲)が欠けると、それはその分布(一連の透水係数を有するとみなせる土質・地質の分布=水理地質)の妥当性を示す材料も同時に欠けるということに繋がります。土質・地質分布の推定誤差を、(分布が正として)透水係数のみに押しつけるようなモデル化は、新たなデータが追加された場合に破綻する可能性が高いのです。バランスが大事でしょう。

初めに設定した透水係数が逆解析結果と大きく異なる原因としては、以下のことが考えられます。
・推定した土質・地質分布が実際と大きく異なる。
・数少ない結果より透水係数が設定されている。(局所的な値が反映されている、粒度のみから推定されている、必要な試験条件を満たしていない、etc)
・同定するデータの種類・量が少ない(計算結果の精度の問題)。

通常は、得られた透水係数の幅を考慮し、モデルをキャリブレーションして行きます。どうしても観測結果を再現できない場合、またはキャリブレーション結果が透水係数の幅や一般値を大きく逸脱する場合、分布の推定を誤っている可能性を疑います。そして、分布を再検討し、計算を続けます。つまり、キャリブレーション作業は、現場で得られた透水係数と推定された土質・地質分布の両者の妥当性を担保する作業だといえるでしょう。

地質屋は現場で観察した根拠をパズルのように組み合わせ、矛盾なく説明できる土質・地質モデルを作成します。しかし、その矛盾のないモデルは大抵複数できてしまいます。その中でも最も可能性の高い(と思う)もの1枚だけを土質・地質モデルとして残します。キャリブレーションがうまくいかない場合は、構築した理屈に沿ってモデルを微修正するか、頭の中に残された2枚目のモデルを試すことになります。それでも合わないなら、計算が合うのはどういった土質・地質分布かを考え、見落とし箇所にあたりを付け、再び現場に戻ります。計算が、自分の推定した土質・地質分布の誤りを指摘してくれるわけです。
これは水の計算だけでなく、変形も同じ事です(水のほうがはるかに単純なので、同視はできませんが)。特に、三次元解析では土質・地質分布が重要ですね。個人的には、通常は透水係数や変形係数、c・φなどの設定誤差より、土質・地質分布の推定誤差のほうがはるかに大きいと感じています。

自然を計算に乗せて解釈したいのであれば、現場をよく歩くこと、原位置試験を実施することなど、基本をおろそかにしないことが近道だと思います。


2013年8月24日土曜日

SYSカムクレイモデル その3

SYSカムクレイの講習会に参加。振り返ると、2年がかりですね。
http://phreeqc.blogspot.jp/2011/11/sys-2.html

講習会参加の許可を貰う際に、上司より、どのように業務に役立つか部長様に説明するよう求められました。
が、面倒なので、適当に流して私費で参加しました。例の部長様に、新しい理論の良さを理解して頂く程の力量も根気もありません。また、「どのように業務に役に立つか?」を知りたがる方は、それが発注の仕様に入らない限り納得されないでしょう。ノルマのあるサラリーマン技術者としては、現時点で流すのがBESTです。

今回は個人の力量を稼ぐべく参加したのですが、私にとってちょうど良い内容でした。
第1回であるためか、カムクレイの限界から、太田・関口モデル、下負荷、そして上負荷、SYSカムクレイと順に話が進みました。以前にFEMや連続体力学の講習等で聞いていたためか、非常に理解しやすい説明でした。

私の解釈も含めて概念を整理すると、以下の通り。(実際に手を動かしたわけではないので解釈に誤りはあると思います。誤りとわかった段階で、今後、修正します。)



①オリジナルカムクレイモデル
  • 標準圧密試験(1次元圧密)q=0と等方圧密試験q≠0で正規圧密線(NCL)の傾きは同じ(平行)。しかし、1次元圧密のほうが、体積が小さくなる。p'が同じ(ex. σ’⇔ {1, 1, 1 }と {1.2, 0.9, 0.9} ∴ p’=1) でも、1次元圧密試験では、せん断応力qが生じる。p’によって生じる体積変化が圧密に関する項、qによって生じる体積変化(切片の差)がダイレイタンシー。
  • 限界状態線(CSL:Critical State Line)もNCLと平行。
  • 練返した土はp’,qが決まれば、vが決まる(排水・非排水せん断で異なるvとならない)。>>>q~p’~v空間で一つの面を形成する。これがロスコー面(Roscoe surface)
  • NCLの切片をΝ、CSLをΓとすると、ロスコー面は切片がΝからΓまで連続的に変化する直線の集合ととらえることができる。>>>ΝとΓを線形補間してみよう!・・・これがオリジナルカムクレイモデル。

②-1:修正カムクレイモデル
  • オリジナルカムクレイの線形補間を曲線補間にした(ダイレイタンシーのモデル化が異なる、特異点がなくなり使い勝手が良い)。・・・これが修正カムクレイモデル。
  • ほかにも、指数関数型(ECモデル)、対数関数型(LCモデル)などあり。

②-2:関口・太田モデル
  • オリジナルカムクレイは等方圧密。>>>異方(K0)圧密を考慮してみよう!・・・これが関口・太田モデル(特異点は残るので処理が必要)。
  • ほかにも修正カムクレイに異方性を考慮したものもあり。

③下負荷面・上負荷面の追加(自然堆積粘土への適用)
  • 上記のモデルは練返し粘土の挙動を説明。自然堆積粘土では以下の挙動が説明できなかった。
  • 弾性状態(過圧密)から弾塑性状態(正規圧密)へのなめらかな変遷(過圧密の解消)、繰り返し載荷による体積ひずみの蓄積>>>オリジナルカムクレイや関口・太田モデルにオプションとして下負荷面を追加。
  • NCLの外側(限界状態線の外側:impossible state)で大圧縮する(構造の破壊)。>>>さらに上負荷面を追加。修正カムクレイ+異方性(関口・太田、橋口)+下負荷面+上負荷面=SYSカムクレイ

案外、対処療法的な加筆•修正の繰り返しなのですね。まだまだ発展しそうです。



理解していない点も多くあります。
  • 「過圧密の解消」=「土粒子のインターロッキング・ボンドが消失し、塑性膨張が起こる」といった説明は、ダイレイタンシーによる膨張で、構造の高位化を意味する?つまり、正規圧密状態よりもさらに構造の低位化した状態があるということ?
  • 砂の締固め(排水)や液状化(非排水)は、構造の破壊(低位化)で説明されています。では、再液状化を再現できるのでしょうか?
また2年後にでも答えを見つけましょう。


2013年8月15日木曜日

Windows 8 とクラウド


VPN は、リモートネットワークのゲートウェイを使わないように、TCP/IPの中のチェックを外せば、 OK でした。以前までは Cisco のクライアントを使用していましたので気が付きませんでした。

ほか、Windows 8 Pro で気になった点。
  • メールアプリは POP をサポートしなくなっています。基本、クラウドやウェブベースの考え方なのでしょうね。
  • カレンダーアプリが Google カレンダーをサポートしなくなっています(厳密には逆)。gmail calendar といったアプリだと同期可能なようですが、これはもう少し動向を見て、何をベースにするか判断しないといけないでしょう。Google も強くなりすぎていますので。
  • アカウントが PC 単体固有(ローカルアカウント)とネット認証(MSアカウント)の2種になっています。後者のほうが利用できる機能が多く、個人的には便利。いままで Win Live や SkyDrive を積極的に利用していたわけではないのですが、今回、live垢をMS垢に切り替えました。
便利になった反面、情報漏洩前提でPCを触っていく気構えが必要かもしれません。

単体からクラウドへ。この変化を Executive 達に浸透させるのは無理でしょうね。

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2013.8.17追記
ゲートウェイのチェックを外すと、リモートデスクトップがダメ。うーん。

VAIO Duo 11 SVD1122AJB

お盆休みです。

現場がストップする今しか休めません。毎日、現場管理でクラクラしていたので、ちょうど良い休みです(といっても2日だけですが)。
最近は現場でも稀に最年長となることがあり、教える側に立つことも多くなりました。現場を見る目も変わってきたと思います。現場力、ついてきたかな?

さて、休み明けに3ヶ月弱の出張(現場)を予定しています。昨晩より、それ用に購入したPCの準備をしていました。購入したのは VAIO Duo 11 SVD1122AJB 。法人向けモデルのようですが、ネットでは個人でも購入できるんですね。ま、会社のPCなのですが。
スペックは以下の通り。
  • Windows8 Pro 64bit
  • インテル Core i5-3337U 1.8GHz (最大2.7GHz)
  • メモリー4 GB
  • 11.6 型、Full HD 1920 × 1080
  • 液晶タッチパネル
  • バッテリー駆動カタログ値 7時間
今回はバッテリー駆動で実動4時間を目指し、10万未満で選択。計算を掛けないのでi5でOK、Civil3D 2014 を動かすので 8pro 64bit、メモリは最低4GB、Win8なのでタッチパネルが欲しい、持ち運びのことを考えるとタブレットにもなって軽くて小さいほうがよい、でも、解像度は高いほうがよいなどと考えていくと、この機種になりました。

Win8を本格的に触ったのは初めてだったのですが、個人的には好きですね。スタートボタンがスタート画面になり、ストアからアプリを落として配置できるので、感覚的にタブレットに近いと思います。タッチパネルだと全く不便はありません。ただ、長時間タブレットとして片手で使用するには重いですね。脚の上に置けば問題ないですが。また、画面を起こしてラップトップに変形する時も、まだまごつきます。コツがいりそうです。
駆動時間は実動4時間を超えていましたので、ま、この現場を終えるまでは問題ないでしょう(長期的なことを考えると、やはりLet's Note にしておくべきだったか?)。
Civil3Dも特に問題なく動きました。拡大・縮小はピンチで可能なようですが、動きはイマイチ。指で線を引くのも少し難しい。これはどこか設定があるのかもしれませんが、今回は素直にマウスを使いましょう。
LogMeIn、VPN+リモートデスクトップも問題なく稼働。VPNをつなぐと他のネット回線が途切れるのは、どこかの設定でしょうね。もう少し調べる必要があります。

あとは Office を入れるくらいかな?
これは先ほど注文したので、休み明けになりますね。


2013年8月12日月曜日

J-SHIS

J-SHISを知ったのは、先月。
http://www.j-shis.bosai.go.jp/

PS検層を実施していない、工学的基盤まで土層を確認していない、追加調査は実施しない。このような過酷?な状況で何か参考になるものは?と探していたときに、耐震設計のプロから教えていただきました。この中の、第1層(Vs=350m/s)の深さや、地表から深さ30mまでの平均S波速度(AVS30)が使えるかもしれない、とのことでした(残念ながら、今回の構造物を対象とするスケールには少し粗すぎました)。

しかし、きっちり整備されていますね。
最初は、どうやって表層地盤の区分をしているのだろうと思いましたが、以下に易しい解説がありました。
http://www.j-shis.bosai.go.jp/subsurface-structure-model-for-seismic-hazard-maps

地震動予測のための物理モデル
地震動の予測を物理モデルに基づいて定量的に行うためには、地下構造の物性値に関する情報、特に、弾性波速度や密度が重要となります。地震動予測を行うために、地下構造を大きく3つの領域、上部マントルから地震基盤(S波速度3km/s相当層)までの地殻構造、地震基盤から工学的基盤(S波速度400m/s~700m/s相当層)までの深部地盤構造、工学的基盤から地表までの浅部地盤構造に分けてモデル化することが行われています。 
モデリングの手法
地殻構造については、反射法・屈折法弾性波探査により得られた情報や、全国的に整備が進んでいる地震観測網のデータを用いて地震学的手法により求められた地震波速度構造、地震波減衰構造に基づいてモデルを作成しています。内陸の活断層の地震では、深さ方向にモホ面を含む領域まで、また海溝型の地震では、プレートの構造を含めたモデリングが必要となります。 
深部地盤構造のモデル
深部地盤構造は、地震動の比較的長周期部分の特性に大きな影響を与える地下構造です。全国地震動予測地図の震源断層を特定した地震動予測地図の作成においては、深部地盤構造モデルを用いたシミュレーションにより、工学的基盤での地震動の計算が行われています、深部地盤構造モデリングのためには、深層ボーリング、反射法・屈折法弾性波探査、微動探査、重力探査データや、地質構造情報などが利用されています。 
浅部地盤構造のモデル
浅部地盤構造のモデル化では、表層地質データやボーリングデータを用いて地盤構造モデルを作成することが基本となります。特定地点での評価であれば、その地点で必要とされる予測精度に応じた調査を行い、非線形解析も含めた詳細な解析を実施することも可能です。しかし、面的に精度良く広域を覆う浅部地盤モデルを作成するには、浅部地盤構造は局所的な変化が大きいため、モデル化には膨大なデータ収集が必要となってしまいます。このため、現状では、広域での面的な評価が必要な場合には、浅部地盤構造のモデル化を行うかわりに、簡便な表層地盤増幅率の評価法として、微地形分類データベースを利用した手法が用いられる場合があります。全国地震動予測地図における表層地盤増幅率は、微地形分類データベースを利用して評価されています。
終わりに
地下構造のモデル化は、地震動予測の精度向上のために必須のものです。モデルの高精度化を支えるため、地下構造に関するデータをとりまとめた統合化地下構造データベースの構築などの取り組みが行われています。

わかり易い説明です。このような説明がお客様にもすらすらできれば良いですね。
一番気になっていた浅部の地盤構造の反映も、微地形から判定しているようですね。全国を早急に整備するという意味では、効率的な手法かもしれません。
こういった研究・整備が数年前から実施されていたのですね。そのうち、50mメッシュになるのでしょう。
http://www.chika-db.bosai.go.jp/event090306/pdf/03wakamatsu.pdf
http://www.chika-db.bosai.go.jp/event110310/pdf/5th_06_midorikawa.pdf

しかも、アプリになっていました。これ、使い勝手良いです。
http://www.j-shis.bosai.go.jp/app-jshis
いくら良いものを作っても、すぐ閲覧できる環境でないと見ない、という点をうまく克服していると思います。ハザードマップとして、緊急地震速報と連動した断層・地震動の表示、出張先での避難経路や避難所の表示などを搭載しても便利でしょう。

ん?趣旨が外れてきたかな?

2013年8月11日日曜日

サンプリングによる補正値

サンプリング法による繰り返し三軸(変形特性)の違いについては、吉田望「地盤の地震応答解析」p67に書かれていました。

やはり、サンプリング法によって、さらにせん断ひずみの大きさによって、補正値が異なるようです。しかし、その値は各試料によって幅があり絶対ではない。そのため、実務ではサンプリングの違いによる補正までは実施していないのが実情、とのこと。ま、凍結が理想なのは共通しているようです。

また、いろいろなG-γ・h-γデータの紹介もありました(すっかり忘れていました)。土研などの式も紹介されており、これらから履歴減衰の上限値を引っ張ってくることも可能でしょうね。ま、だからと言って試験がいらないということでもないでしょうけど。工学的基盤での入力波を造る場合には 上限だけではだめですからね。

見返すと、いろいろ忘れていました。この際、いろんな本を読んで、プロに話を聞いてみましょう。

FLIP と 港湾技研資料869

FLIP を港湾構造物以外に適用している報告書を2つ読みました。

目的は、各種パラメーターの設定根拠を調べること。
港湾だと港湾技研資料869でほとんど決まるのでしょうが、分野が異なるとどうなるか?先日記載したように、PS検層や繰返し三軸なしだとどうするのか?という点を確認したかったのです。

結論から言うと、メインは港湾技研資料でした。また、粘土の履歴減衰の上限値は別の基準から。
2冊とも、設計者は異なるのですが、同じ基準を引っ張ってきていました。実質、これしかないという状態なのでしょう。ま、港湾で開発されたツールですから、港湾以外のデータがないというのは当然かもしれません。

試験をした場合と、ない場合でどの程度結果に差が出てくるのでしょうか?
港湾であれば、海成層でチューニングされた設定法があるので、差は小さいのかもしれません。が、陸域の土砂であればチューニングから外れ、差の大きくなる可能性があります。それは、試験をしてみないと分からないのでしょう。
また、試験がない場合は要素シミュ(パラスタ)が不要なので、手数は少なくなるのでしょう。が、FLIP の能力を発揮できていないでしょうね。
結果、港湾以外で FLIP を使用する場合、現段階では試験をせざるを得ない状態だと思います。

ただ、試験をしたからOKとも限りません。砂はトリプルでなく、凍結でないとダメというような結果もありましたし。
「道路橋示方害における地盤の液状化判定法の現状と今後の課題」2004
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00037/2004/757-0001.pdf
それに関する対応もどこかに書いていましたが、忘れましたね。
もう一度探してみましょう。



2013年8月8日木曜日

液状化解析

夕方の緊急地震速報は誤報だったようですね。

あの音を聞くと、つい海溝型がちらつき複雑。
平然と電話を続けられている方もいらっしゃいましたが、肝が据わっているというべきでしょうか?誤報でなければどうしてたのか?電話握ったまま揺られているのでしょうね。

そういえば最近、耐震関連の問い合わせが多くなりました。それも、液状化の解析関連。ある構造物を対象とした地盤の液状化解析に対し、どのような調査が必要なのか?という内容。流行りのようです。

液状化は理解できていません。まあ、どの分野で、どの解析ツールが採用されていて、それに必要な調査は何か、程度までは整理して答えていますが、マニュアルの域から抜け出せていないレベルです。ただ、2年前から準備し始め、さらにプロが身近にいることは救いです。

中でも、FLIPはまだまだ。
先日も、N値と静的な力学試験、物理試験のみから解析できるか?といた問い合わせがありました。いろいろ悩みましたが、履歴減衰の上限値をどう決めてよいのかわかりませんでした。双曲線モデルを採用しているようなので、上限を決めてやる仕様になっているのでしょう。繰り返し三軸(変形)をやっていないと、決めようがありません(と思っている)。
港湾技研資料では、一律0.24となっていましたが、陸の砂でも同じでよいのでしょうか?粘土は?砂礫は?似たような土質の試験結果を、教科書から引っ張ってきても良いのか?まあ、そんなところで悩むくらいなら、素直に動的試験を追加した方が簡単だと思います。
 http://www.pari.go.jp/search-pdf/no0869.pdf


まだまだ、そんなところです。
プロに聞いてみましょう。


2013年8月7日水曜日

ArcGIS 10.1 と走向傾斜

ArcGIS10.0 で、ジオ関連のシンボルが用意されているとのこと。図化の流れは以下の通り。
http://help.arcgis.com/ja/arcgisdesktop/10.0/help/index.html#//003s00000043000000

  • 座標系を設定後、EXCEL と 平面CADデータを読み込む。
  • 位置を動かしたいので、shpに書き出すと同時に読み込み。
  • ●で表示されるので、位置を動かします。
  • あとは┣に変えて回転、傾斜ラベルの表示だけ。

と思いきや、なかなかできません。
走向に応じ回転表示まではできるのですが、どうしても傾斜ラベルが傾いてしまいます。
詳しい方に聞いてもわからず、結局、サポートに相談。


答えは簡単でした。
「Maplex ラベルエンジンでないとできない、そのエンジンは10.1から標準で付いている」そうです。10.0でいくら頑張っても標準では出てこないわけです。

で、10.1 へ Ver.UP。

結果、簡単にできるようになりました。
http://resources.arcgis.com/ja/help/main/10.1/index.html#//00s80000007p000000

最初から流してみると、非常に簡単に図化できます。あとはCADへ持って行くだけです。


しかし、これもできません。
サポートに聞いても、それは無理とのこと。
うーん、ゴールを見ずに走ってしまいました。

Arcで完結させるべきか?他に手段はないでしょうか?







GeoClino for iPhone その2

GeoClino for iPhone を、現場で使ってみました。
Ver.1.3.3 で iPhone5 のバグが取れたようで、快調です。
https://itunes.apple.com/us/app/geoclino-for-iphone/id398949364?mt=8
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/12/geoclino-for-iphone.html

今回は道路沿いの慨査がメイン。観察しながら 2km 程歩き、帰りに走向傾斜をまとめて採取しました。ちょっと邪道ですが。

使ってみると、これは便利!
  • 走向傾斜が一発で保存でき、測定が早い。そのため、数多く測ることができる。これに尽きる。
  • 自動で偏角補正して保存してくれる。(バグが治っていました)
  • GPS機能で、ある程度の精度で位置がプロットされる。
  • メールでxmlデータとして送付可能。EXCELで読める。
難点は以下の通り。
  • 走向板を使って、亀裂の通りを見ながら測るには、ボタンが非常に押しにくい。
  • データに属性を持たせられないので、IDと属性をメモしておく必要がある。断層、層理、地質境界程度は選択できるようにして欲しい。
  • GPSをフルに使っているようで、バッテリーの消耗が激しい。
  • 手袋の着脱が面倒!
  • 汚れが気になる。ケースが絶対必要。(これは買っていない自分が原因。高いけど、防塵・防水ケース買おうかな~という気にさせられました)。
今後継続して使うかどうかは、図化の省力化程度によるかな。

図化は ArcGIS を使用することに。それについては後日。



2013年8月5日月曜日

吸着層だから吸着材?

先日、吸着材のメーカーの方と話をしていて、納得したことがあります。

「吸着後は放さない」というのが、その材料の特徴の1つ。
それでは、吸着でないのではないか?と確認したところ、やはり主なメカニズムは沈殿だとのこと。吸着層に使われているので吸着材として売っているそうです。なるほどです。

この分野は、まだ、その程度のレベルということです。

NHK 調査報告 日本のインフラが危ない

試験も終わりましたので、NHKスペシャルを見ていました。
建設部門ではよく出題される維持管理のお話。

「調査報告 日本のインフラが危ない」
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0804/

今、全国各地の自治体で危険なインフラのリスクが急速に高まっている。去年12月の中央道笹子トンネルの天井板崩落事故を受けてはじまった緊急点検で、リスクが次々と発覚しているのだ。さらに、点検に不可欠な「設計図書」を保管していないなど、インフラの安全に不可欠な“維持管理”が軽視され続けてきた実態もあらわになっている。番組では、各地の自治体にカメラを据え、安全・安心を脅かす“老朽化の実態”と、その対応に苦慮する姿を記録。インフラの安全性の向上に何が求められるのか、調査報道で明らかにしていく。
国交省の積算基準が維持管理の実態にそぐわない、とまで放送していましたね。

課題の抽出までのお話でしたが、一般の方にはどう伝わったでしょうか?
国土交通白書2010の試算に触れておれば、もっとインパクトがあったでしょうね。


2013年8月4日日曜日

H25 技術士試験

久しぶりに技術士試験を受けてきました。今年の短期目標です。
数えると7年ぶりでした。

個々の設問の難易度は変わらないのですが、問題数が激減し、私の受験した科目では選択の余地がなくなりました(今年は問題を見た瞬間OUTでした、残念)。
という意味で、私にとって試験の難易度は上がったと思います。

久しぶりに受けて感じたこともありました。
  • まだ集中力は保てる。でも、あと十年が限度か?
  • モチベーションと記憶力は数段低下している。(リンクしているので仕方ない?)
  • 経験を積んだためか引き出しは増え、白紙の状態から形を作るところまではできるようになった(内容はないが、それらしい文章はできてしまう)。若いころに比べ、少し器用になったようです。
  • 試験での緊張感と疲労感は、仕事でのそれと一味違う。面白い。
  • 試験官が同業他社の方。年をとったということか?
帰りは、ビール片手に先輩と愚痴のこぼし合い。
久しぶりに楽しい1日でした。来年も受けることにしましょう。