松島亘志「斜面崩壊・流動解析における粒子形状モデリングの意義」
これ、個人的には興味があったところでした。
岩盤が崩壊し、土砂となって流下する場合、体積が増えます。これを既存の手法でモデル化するとなればDEMが一番手っ取り早いように思えるのですが、実際は膨大な粒子が必要となり、計算負荷の面で却下となります。また、土の粒子形状や粒子表面の摩擦をどのように設定するのか?などと(手も動かさずに)ぼんやり考えていました。そのヒントが書かれていたように思います。
粒子形状のモデル化については、古くから議論があるようです。この文献の中では、その1つを使って月表面表層砂の安息角を再現しています。結果、「2要素モデル」で十分だったようです。軽い結果でしたので実務でも使えそうだなあとぼんやり感じながら読み進めました。
粒子間摩擦も20度以上で一定となる結果。
粒子間のバネ定数や減衰定数の影響も限定的だそうです。良いですね。
で、最後に間隙比とせん断抵抗角の図で、「ああ、やはり」という結果。
4要素モデルと10要素モデルで異なる結果、粒子数も600と3000で異なる結果。この試行結果では収束していないので、さらにモデル要素数、粒子数を増やして収束を確認する必要があるとのこと。残念。ま、その結果はそのうち掲載されるでしょう。
DEMで見かけの体積変化を(実務レベルで)扱えるようになるのは、まだ少し先でしょうか?プロがそばに欲しいですね。
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