2012年3月31日土曜日

GISデータ

せっかく5mメッシュが広範囲で公開されましたので、県下のマップを作ろうと考えました。

1県分の5mメッシュ、空間基盤25000、2500 を基図として、その上に防災研の地すべり地形 GIS データを重ねようと思います。
http://lsweb1.ess.bosai.go.jp/gis-data/index.html

調べてみると、他にもいろいろなデータが公開されていますね。
国交省の表層地質図や地形分類図を試してみたいですね。国交省は従来から提供していた国土数値地図情報も shape 形式で公開し始めました。
AIST もシームレス地質図や活断層の shape データを公開しているようです。知りませんでした。活断層は是非載せてみたいですね。
http://tochi.mlit.go.jp/tockok/inspect/landclassification/download/index.html
http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html
http://riodb02.ibase.aist.go.jp/activefault/

で、今日は各データを DL し、Civil3Dで読み込もうとしました。が、途中で落ちます。32bit機だからでしょうね。明日は64bit機で試してみましょう。


ただ、こういったデータは、ArcGISで読むのが良いのか、Civil3Dで読むのが良いのか分からないですね。基本的に、CADを通して後続作業を行うことが多いので、Civil3Dで読んでおくのが得策かもしれません。割り切って、地すべり地形や活断層などはArcで扱うという考え方もあるでしょう。

まあ、バカなので手を動かしてみてから考えましょう。

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4月2日追記
一晩かけましたが、全ポイントファイルを読み込むことができませんでした。中止です。読み込みにとても時間がかかるようです。最初は早いのですが、だんだん遅くなります。毎回、番号を振り直しているのでしょうか?
やっぱり馬鹿ですね。





LPを利用した標高データ(5mメッシュ)の公開

一昨日より、基盤地図情報サイトにて、LPから作成した標高データ(5mメッシュ)が追加されています。
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000481.html

早速、DL!と思っていたのですが、アクセスが集中しているようでサーバーに繋がりません。昨夜、やっとつながり確認できました。標高(DEM)が大幅に増えています。選択もしやすくなっていますね。数か月前よりメインサーバーのメンテナンス中でしたが、大幅なデータ追加のためだったのかもしれません。

図化してみましたが、構造物の消し方や図郭のつなぎ目に多少の違和感が残るものの、山中は良いですね。以前、落石調査に行った山を見ると、崖の位置や小さな谷筋が分かりやすくなっていました。シミュレーションはもちろん、踏査の基図や地質断面作成用のサーフェスとして利用価値が高いと思います。

国交省管轄の河川沿いのLPデータは、すべて撮り終わっていると聞いていましたが、公開されるとは思っていませんでした。昨年の地震の影響なのでしょうか?平成24年度は津波シミュを控えていますので、広範囲の詳細データが必要になったのでしょう。

今後は1mメッシュの公開を期待しましょう。


2012年3月29日木曜日

春の踏査

春ですね。

昨日と今日の2日間、踏査をしていました。
構造物の計画位置が決まった段階でもう一度歩く予定ですが、もう1ヶ月もすると植物で見え難くなりますので、前倒しで歩きました。

踏査には今が一番良い季節です。植物が多くなく、露頭を探しやすい。寒くもなく、暑くもない。鶯の鳴き声や、小川のせせらぎが耳に心地よい。3月の納品ラッシュも終わり(今日の夕方が最後でしたが)、踏査中も電話、メールが来ず、久しぶりにゆったりした時間に身を置くことができました。

ただ、鼻水・くしゃみは最悪でしたけど。


地震応答解析と土質断面図 その2

先日の続きです。
1次元で計算してみました。

モデルは3種です。
  1. 工学的基盤面下側(粘土あり)
  2. 工学的基盤面下側(粘土無視)
  3. 工学的基盤面上側
与えた地震波は兵庫県南部地震と、北海道東方沖地震の2種です。今回はテストとして割り切り、2E、E+Fの両方を試してみました。

計算の結果、粘土をモデル化した場合(1)と、しない場合(2)では、ほとんど最大加速度や変位に差が出ませんでした。今回の地震波や物性では基盤中の1m程度の粘土は影響ないということでしょう。
しかし、粘土を無視し、工学的基盤面を変更した(上側に戻した)ケースでは、最大加速度に5~10%程度の差が生じました。しかも、大小両方の値が得られています。

結局は、計算してみて、安全側の基盤面を選択するしかないのでしょうか?
残念ながら、今の私の知識ではここまでですね。


今回、2次元の地震応答解析も試してみましたが、実際に手を動かすと自分の理解できていないところがはっきり見えました。計算の流れや概要を理解していたつもりでしたが、何も分かっていない状況とそれほど大差ない位置にいることが分かりました。1次元、2次元に関係なく、まだまだ学ぶことが山ほどありそうです。

理解していないと、調査結果のまとめも誤りそうです。コツコツやっていきましょう。

2012年3月28日水曜日

地震応答解析と土質断面図

設計者から相談がありました。

ある現場でボーリングを1本だけ深く掘ったところ、今まで耐震上の基盤面と考えていた土層中に、300m/sを切る洪積粘性土が約1mの層厚ではさまれていることが分かったとのこと。これは地震応答解析でモデル化すべきか(基盤面を下げるべきか)、しないべきか、という問題です。
現状では、ある会社はモデル化し、別の会社はモデル化していないといったように、統一がとれていないようでした。

地質屋の目からPS検層結果を純粋に見直すと、その基盤の速度層は3つに区分可能であり、粘土層や他の狭在層を含む中央部が、やや遅くなっています。が、300m/sを切っているというようなことはありません。ちょうど粘土の箇所のS波初動がノイズで読みにくくなっており、そこだけ低くなっているという結果も恣意的でした。整理された方は、「粘土層が解析に影響するかどうかわからないので、念のため無理に読み取っておいた。後はどうするか解析側で考えてください」といったスタンスだろうと思われます。

結論から言えば、検層結果からは粘土層が遅いというのは(想像できるが)読み取れない、1次元であればモデル化も容易、粘土層も水平方向の連続性が分からない、ということで、両方やって安全側の結果をとれば良いじゃないかと伝えました。

しかし、そう言いながらも、私はこの解析を実施したことがなく、「地震応答解析において、どこまでの層厚をモデル化すべきか?」といった問題は以前より気になっていました。吉田望「地盤の地震応答解析」でもこの点に触れられていましたが、実際こういった問題に直面した場合、どのようにモデル化し設計側に提供すればよいかは、上記の整理された方と同じレベルで迷います。

ということで、手を動かすことにしました。
続きは後日。

2012年3月25日日曜日

Dtransu での Benchmark

ひと段落したので、気になっていた PC のbenchmarkをとってみました。

当然、数値計算をする上での bench です。 使用したコードは Dtransu で、7万節点での密度流の計算です。使用したPC は以下の通り。 http://phreeqc.blogspot.jp/2010/09/core-i7-980x.html


最初はデータ保存媒体の影響を見たいので、HD, SSD, RAM Disk の3種で比べてみました。結果、時間はほとんど変わらず、HDで十分といった結果になりました。計算時間はどれも9時間50分程度です。もう少し影響が出るかと思っていましたが、意外でしたね。

次は並列化の影響です。これは以前 bench をとっていましたが、再度整理してみました。
物理コア数は6、倫理は12です。従って、OpenMP で 6threds までは時間短縮の効果が顕著に出ています。6コアで3時間5分、約31%の計算時間となりました。

次はクロックアップ。まずはメモリーから。1.3GHz から 1.6GHz に上げてみましたが、これもあまり効果がありません。2時間52分です。
そこからCPUを4GHzにクロックアップすると、2時間32分となりました。20分の短縮です。整理すると以下のようになります。


やはりメモリーや SSD などにお金をかけるよりは、CPU にお金をかけるのが良いようですね。現状では、できるだけ物理コアの多いものを選択するのが良いようです。

まあ、GPGPU や MPI が標準となってくると、一気に話が変わってくるでしょうけど。



2012年3月24日土曜日

FEM定式化の復習

先日、FEMの定式化を再確認していたところ、いくつかの箇所で躓いてしまいました。

モールの応力円です。導出が分からなくなっていました。まずはFEMとは関係ないところで躓いてしまいました。

何をいまさら・・・と思いながら格闘すること1時間、ようやくσ-τ軸の円の公式までたどり着くことができました。引っかかっていたのは倍角の公式。高校の数学ですが、完全に忘れていました。
これ、あらためて確認すると、最初から最後まで、高校の数学程度で導出できるんですね。物理的な意味は技術者にしか必要ありませんが、式自体は非常に簡単です。

で、次に躓いたのがの逆行列の算出箇所。いえ、正確にはどこで躓いているのかが分からないのです。何度やっても答えが合わない。これも2時間ぐらい格闘し、結果、正解できず寝ました。誤植なのでしょうか。

その次はヤコビアンの計算。これも2時間ぐらい格闘し、寝ました。翌日、局所節点番号と全体節点番号を取り違えていたことに気付き、前者の座標で計算しなおしてクリアーしました。そりゃ合わないでしょう。

何度やっても忘れます。
特にFEMは数学の小技を多用しています。非常に単純なモデルでも、手計算で追うのは多くの四則演算が必要になります。これからも時々確認するようにしましょう。

2012年3月22日木曜日

砂で一軸圧縮試験?

久々にやってしまいました。

2現場の乱れの少ない試料数本を土質試験担当者に預けました。
1現場はTWを抜いて、土質を確認し、どの位置で一軸や圧密をするか、供試体の径はどうするかなどを細かくお願いしたのですが、もう1現場は抜くところからお任せしました。

コアではN値0の均質な砂質粘土で細粒分50%強程度の手ざわり・粘性でした。しかし、試験結果は細砂分60%強の砂質土でした。しかも、そこで一軸を実施した結果が上がってきました。
細砂が多いのは分かっていたのですが、予想より15~20%も多いとは思いませんでした。細粒分を多く見積もるのは私の癖で自覚していたのですが、それでも久々に大きく見誤りました。いつもなら抜いた時点で(砂に転びそうなら)相談してもらえましたので、幾分安心していた面もあります。残念ながら、今回は効率化のため、いつもと違う担当者が実施していました。自分の土質判定にも過信していましたし、判断の難しい現場の試料は直接見たことで油断もあったのでしょう。省力化という手抜きが招いた失敗です。反省です。その下の予備で採取していたTWは破棄されていましたし、もうやり直しがききません。

数年前は自分で抜いて、試験も自分でしていた時期がありました。最近は施設も自由にならず、効率化、回転数の向上、省力化、業務の細分化という波にどっぷりつかってしまい、試験担当者にまかせっきりです。試験担当者も同じ理由で、若い担当者に任せることが多くなったようです。結果、毎回といっていいほど細かな不具合が出るのですが、そこには目を瞑り、大きな波にのまれていました。

効率化や細分化自体が悪いことではありません。その中で、本質を見失わないようにするために、押さえないといけないポイントを探さないといけないということです。
今回の場合は、抜いた試料を自分で確認し、どこで何をするか判断して伝えないといといけなかったのでしょう。
今後は気をつけましょう。

2012年3月20日火曜日

volumetrics

昨日の Log と Linear の取り扱いですが、私の解釈とマニュの意図が違うようです。

マニュをみると、単純にデータを Log で処理済みかどうかで選択するようです。
早速試してみました。
計算値をそのまま入力して Linear で集計した場合。もうひとつは、対数にして入力し、Log で集計した場合。

結果はダメ。汚染物質の合計が1割も違います。大きいですね。
計算手法が見つけられませんので、私のやり方が間違っているのかもしれません。もう少しマニュを読んでみましょう。

ただ、この処理の仕方が正しいとしても、少し考える必要があるでしょうね。
pHのように対数処理済みの値を補完する場合は Logで集計すると、数値計算時の仮定と異なってしまいます。計算時はH+を節点間で線形補完する(ケースが多いと思います)ので、対数補完と矛盾します。まあ、ソフトや選択する形状関数にもよるでしょうが、計算時と集計時の仮定の自己矛盾は避けたいところです。

まあ、昨日も書きましたが、分からなければ自然数と線形のペアを使用しておけば、私の場合は問題なさそうです。

2012年3月19日月曜日

全汚染物質量の集計

MVSで全汚染物質量の算出を試みました。

volumetric モジュールでは、以下のような項目が吐き出されます。
初めて使用したのですが、解釈すると、以下の通りでしょうか?

Isovolume Level    :何mg/l以上のものを計算するか?(手入力)
Total Soil Volume :全体積
Total Soil Mass   :全重量=単体(手入力)×全体積
Chemical Volume   :汚染物質の全体積=汚染物質の全重量/汚染物質の密度(手入力)
Chemical Mass     :汚染物質の全重量
Water Volume      :間隙水の全体積=全体積×間隙率(手入力)
Water Mass        :間隙水の全重量
Average CONCENT :平均濃度=汚染物質の全重量 /間隙水の量

Chemical Mass の集計法は Data Processed で Log か Linear かを選択できます。
ボーリング孔からの深度別実測値のような離散値を補間した場合は、バリオグラムに戻れば良いのでしょうね。ただ、細かく補間すればどちらでも構わないのでしょう。

数値計算の結果を集計する場合は Linear で良いでしょう。1次の形状関数を使用した時点で線形補間を仮定していますし、濃度勾配が急変する箇所ではメッシュを細かく切っていますので。計算する前にどのようなデータ形式で入力するかは、よく考えておかないといけないと思いますが。

今回はvolumetric モジュールの計算手法をマニュで見つけることができませんでした。もう少し探してみましょう。

2012年3月17日土曜日

省力化

ある業者さんが、ある官庁より指名停止処分を受けています。

詳しくは書けませんが、どこの業者も似たような状況でしょう。

私も以前、ここで仕事をしたときにはひどい目に会いました。施工と調査が一度に出されており、その調整は業者同士で行っていました(ついでに設計も一緒でした)。現場は調整できなければストップします。当然、自分の作業を優先したいため、ケンカになります。
当時は価格競争が激化しており、ある業者さんは「最低価格+1円の争い」と言われていました。今はどうなんでしょう。

受託額が少ないと、利益を出すために手をかけることを省くようになります。簡単に陥りやすいのが「省力化」という「手抜き」です。その結果、行きすぎた「省力化」により様々な問題が生まれます。

理由はともあれ、タダより高いものは無いというのは、両者にとって本当なのです。

2012年3月16日金曜日

Hfo と重金属 その2

コチラの続きです↓
http://phreeqc.blogspot.com/2012/03/hfo.html

3段階抽出法で吸着の可能性が低いと考えられた試料なのですが、計算結果もそうなりました。

いえ、Pbがどうしても再現できなかったので、正確には「そのようです」が正しいですね。

Asは環境基準の1/100程度で含有量をそれなりに再現できるのですが、溶出量実測値が再現できません。計算ではほぼ離脱してしまうのに、実測ではその1/100程度の値しか得られていません。
Cr、B、Fは環境基準の50~100倍以上の濃度の間隙水が存在しないと、含有量が再現できません。

どうやらHfo への吸着+陽イオン交換といったコンセプトには欠陥があるようです。

研究職にCr等を含む鉱物の定量をお願いしていますが、これも今のところ芳しくないようです。

ま、自然はそれほど甘くありません。今後も理解する努力し続ければ、少しは真実に近づけるかもしれません。
コツコツ行きましょう。

2012年3月14日水曜日

営業トーク

営業のTOPと協議に出かけました。

話し方、上手ですね。特に、断り方。流し方。身振り手振りもうまく使われています。
お客様を立て、丁寧に話されて、間も悪くならず、着地させる。素晴らしい。感心しました。
今まで、営業トークには一種の嫌悪感がありましたが、真似したくなりました。真似しようとしても出来ないのですが。これ、立派な技術です。さすがです。

行き帰りの車中でも、ずっと話をされました(PCを一度も開けずじまいでした)。
内容も全て会社に関わる話。非常に会社や社員の事を愛情を持って考えられておられました。私のように少し引いた感じとは異なり、考え方の世代ギャップも感じましたが、それは古き良き時代を経験されてきた現れでしょうし、非常に幸せな事だと思います。

やはり、普段話さない人こそ、こういった機会に話をして理解すべきだとつくづく感じた協議でした。

国総研・土研 東日本大震災報告会 on USTREAM

今日はCAD作業をしつつ、解析用PCでパラスタ & USTREAM を垂れ流していました。

国総研・土研 東日本大震災報告会が生配信されていましたので、大事なところは時々キャプチャーしつつ流していました。ありがたいです。接続数は少ないようでしたが、今後も取り組んでいただきたいものです。

第一印象として、「1年間、よく頑張られた」でした。実動部隊のことを思うとぞっとしますが、ある一定の成果を各部署が1年でまとめたことは素晴らしいと思います。今後も国民のために頑張っていただきたいですね。

印象に残ったのは盛土の話。軟弱地盤上の河川堤防や道路盛土が圧密沈下し、地下水の中に入り込む。ここまでは設計通りでしたが、その部分が液状化を起こす。そして崩壊。そのような事例を2人の講演者が紹介されていました。今後は盛土の液状化対策も指針に入るのでしょうか?

もう一つ。道路橋示方書は今回の地震の結果を時間的に取り込めないと思っていましたが、きちんと反映されたそうです。素晴らしい。

さらに。先日後輩と津波シミュの話をしていたのですが、なぜ忙しくなるかという背景が分かりました。来年度は大変でしょう。私は計算できませんが、機会があればお手伝いしたいと思います。


いずれにしても、今回報告されたような経験と知見は、今後還元しなければなりません。取り込まれた各マニュアルを読み、背景を確認し、問題に対し(マニュ以上の)最善の選択ができるよう準備しなければなりません。焦らずに行きましょう。

2012年3月13日火曜日

Hfo と重金属

昨日より PHREEQC で吸着のパラスタをしています。

As など6種の重金属の全含有量試験結果を Hfo の吸着で再現。その後、溶出量を計算し溶出試験結果と比較することで、そのコンセプトを検証する方針です。

まあ、もう慣れましたが、水質試験結果が全く足りません。メジャーイオンを測っていませんし、河川水や地下水の水質、重金属含有量も測定されていません。inputが不明ということです。
土の重金属含有量、溶出量しか測っていないのですが、基準や仕様がそのようになっていますので、技術者に「足りない」という意識は生まれないでしょう。

仕方ないので濃度比だけ変えながら計算を始めました。HfO の量を固定し、それに適当な濃度の溶媒を移流のみで通過させ、重金属を付着させます。その結果が各元素の含有量と同程度になるようパラスタを行うわけです。浸透流で初期定常をとるのに似ています。
が、これが結構難解。ある元素の濃度を上げると、他元素(錯体)の吸着の再現性が悪くなるという悪循環。まあ、当たり前のことなんですが、影響しあうわけです。

で、2日間やってるわけですが、まだ合いません。一回の計算に十数分~数時間かかりますので、なかなかはかどりません。
残念ながらパラスタの途中でコンセプトが誤っているということは分かってしまったのですが、一回も合わずじまいで終わるのも気持ち悪いので、最後までやってみようと思います。
違うということを証明することも大事ですからね。

2012年3月11日日曜日

「自然」の常識

東日本大震災から1年がたちました。

行政、電力会社、住民、それぞれの立場で様々な行動が報道されました。
まあ、これだけの大事なのに「智に働けば角が立つ」のか、初動からして難解な行動も多々ありました(角を残しながらも智に働いた方もいらっしゃったようですが)。
政治家も含め「人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人」だったということでしょう。

そのような世で技術者ができる貢献というのは、ある種のサービスなのかもしれません。「人」が欲しいと言われるものを御希望に沿った形で提供する。評価基準は「 人 」の常識(と我利私慾)。適度に技術的であるとみなして量産できる、あるいは高度な技術と「人」が評価したものを提供し、利益を得るサービスです。

津波や原発事故がターニングポイントになろうかと思われました。が、この1年の流れからみても、主体は「人」の常識+αから「自然」の常識へシフトしないようです。まあ、「人」が住む世の中ですし、「人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい」ということです。そこは世の常、受け入れるしかないのでしょう。

2012年3月10日土曜日

地中レーダー探査

さすが年度末。疲弊気味。
今年度は仕事の発注が遅かったためか、3月は週1納品+週1検査+現場監理3つ。
まあ、今だけです。

今週、地中レーダー探査を実施してもらったのですが、これ、原理がようやく分かってきました。
電磁波を出し、反射波を拾う。その振幅強度と時間を計測し、時間(深度)方向に強度に応じた色を割り振る。それを2次元で図化すれば、結果の出来上がり。

時間から深度を出すには、速度が必要です。電磁波の場合は土の比誘電率が分かれば算出できます。詳細はAISTのHPで紹介されています。
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http://unit.aist.go.jp/georesenv/explogeo/tansa-radar.html
話はそれますが、TDRも誘電率を利用しています。

現場では、既知の空洞(暗渠など)の深度を測定し、比誘電率を決定します。これで土の不均一性を均して取り込み、評価することが可能となります。このキャリブレーションができない場合は、まったくの「推定」になります。この辺が表面波や弾性波と異なるところでしょう。
また、表面波や弾性波のように初めて到達する波を観測する手法とは異なり、原理的には音波探査と同じように多重反射が出ると考えた方が良いでしょう。
深度・解像度に応じ使用する周波数を変えるのはラジオのAM/FMに似ているでしょうか?表面波にも似ていますね。

いろいろな手法を理解することは重要です。
自然は単純ではないですから。

2012年3月7日水曜日

雨後の現場

今日は造成地の計画がある現場へ行きました。

前日まで降り続いた雨のせいか、山裾の細い道の入り口近くから、多くの湧水。風化流紋岩の露頭が見えましたので、水を多く含む山だなあと感心しながら入って行きました。
ところが、なんだか山の様子がいつもと違います。湧水が異常に多いのです。コンクリート舗装の脇から出ている湧水はだんだん多くなり、やがて舗装の上を流れていきます。
使われなくなった谷部の水田では藪の中から流水の音がします。かき分けて踏み込むと、そこは池のようになり、小さな滝のように下段の水田へ流れ込んでいます。
この上に造成盛土をするのか・・・と思い、やっと「谷埋め盛土」というキーワードが頭に浮かびました。まさに、the 谷埋め盛土なのでしょう。

晴れている時は、このキーワードと結びつかなかった=危険と感じなかったのですが、雨後の現場を見ると一気に不安になりました。想像力の欠如です。ダメですね。
以前、上司から雨の後の現場を見るのも大事といわれていましたが、なかなか天候にあわせて現場に行く事はできません。しかも、「不安がない」=「問題がない」=「見えた気になっている」現場では余計です。反省です。

表流水は水路による縁切りで何とかなるでしょうが、そこには湧水もあるはずです。暗渠で対応できるのでしょうか?底面は対応できても、側面の湧水はどうすべきでしょう?盛土材は大丈夫でしょうか?この段階でできることといえば湧水地点のプロットと、量の把握でしょうか?どうすれば設計に反映することができるでしょう?どうすれば現場を見ない設計者やお客様と、この「不安」を共有することができるでしょう?・・・などと、その後も考えていました。

立ち入り禁止の土地もあるので限界はあるでしょうが、今、できることはしておきましょう。

2012年3月5日月曜日

圧密沈下計算

圧密沈下計算をマスターしていません。

と言いますか、手計算でできる程度のことはしたことがあります。何cm沈下して、何日かかるか、その結果を出す程度です。FEMでも2次元であれば、容易に結果を出せます。個人の努力で可能な範囲はカバーする努力を心がけています。
しかし、この年にして肝心の経験が乏しいため、それらの結果が現実的な値なのかどうか判断できません。一番重要な部分が足りないのです。まだまだ経験豊富なプロに教えていただき、施工結果を確認しないといけない初心者レベルです。(圧密に限ったことではないですが、この辺の経験の伝達、うまい方法はないでしょうか?)

今、(3月のこの時期に)2現場の監理をしていますが、両方ともお客様曰く「想定外」の軟弱粘性土が出てきました。どちらの現場も標高はTP1~3m付近ですから、掘れば海成層が出るのですが。
その内1箇所は圧密・一軸用のTWサンプリングを行いました。今後、教えていただきながら計算しないといけません。もう一か所は圧密を考慮した追加調査計画を立てないといけません。大至急です(3月のこの時期に)。

そういえば、深部より洪積>沖積海砂>陸砂>海砂>海成粘土(海進ピーク)>海砂>汽水砂>盛土というように、初めて海成層の下部に陸成層(川砂?)を見ました。薄層ですが、見た目でわかる程、色、oxidation、硬さが異なっています。CNS分析で裏をとる必要もないくらい明瞭です。
これ、1万年前の停滞時のものでしょうか?面白そうです。そういえば、大学の先生が学生に軟弱を見せたいと言っておられましたので、見ていただきましょうか?4月にコアが残っていれば。

まあ、良い機会ですので、いろんな方から、しっかり知識と経験を吸収させていただきましょう。

2012年3月1日木曜日

レーダー探査と鉄筋

数日前、設計者の方から相談がありました。

「アスファルト舗装の下に、旧コンクリート舗装が入っている範囲、その厚みや下側の空洞の有無などを面的に調べられないか?」
コンクリ舗装には鉄筋が入っていますので、地中レーダー探査は適用できない、コア抜きしかないという結論を返しました。もちろん、私以外に聞かれた方も、同じ回答だったようです。

その後、数日たってふと、「レーダー探査で鉄筋の有無がわかるので、敷設範囲はつかめる」ということに気付きました。情けない半面、少し嬉しかったですね。逆転の発想です。

鉄筋があると(空洞の)探査ができないという短絡的な思考によって、結論を誤りました。何事も柔軟でないといけません。