五大開発さんの LS-RAPID を使用することになりました。
再度、解説書を読み直しています。
今までは土研さんの LSFLOW を使用していました。崩壊後の土砂移動を扱うシミュレーションコードです。LS-RAPID も土砂移動を扱っているのですが、F=ma の考え方(組み合わせ)が異なります。LSFLOWはナビエ・ストークス経由ですので、着想がより流体ベースなのでしょう。
また、決定的に違うのが全応力(LSFLOW)と有効応力(LS-RAPID)。このあたり、開発者のこだわりが見えます。
LS-RAPID で特徴的なのが、すべり面(移動土塊と不同層の境界)の強度の考え方。すべり面の動摩擦としてφmを設定します。これは、LSFLOW と同じです。が、もう一つ、すべり面の定常状態のせん断強度τss も設定します。これは、リングせん断での残留状態から設定するようです。
では、計算で用いられているすべり面強度はどちらが優先されるのかのか?ということになるのですが、解説書に書かれていました。
定常状態のせん断強度τss の設定は、室内試験にて初期の垂直応力にかかわらず一定となる結果を利用されています。垂直応力によって変わるのが強度でなく、全応力の見かけのφa(ss)。つまり、土塊の高さによって、τssは変化はしないとされています。とりあえずそれを境界全面に設定します。
試験を飽和状態で実施しておけば、最も強度 τss は低くなるという考え方でしょうか、定常状態のせん断面で発生する過剰間隙水圧発生率 Bss=⊿U/⊿σ3 が低くなれば(乾燥に近づけば)強度は動摩擦係数φmと有効上載圧によって決定される値まで上昇する。せん断時の過剰間隙水圧を測定するのが難しいので、実際はBss=0..3程度(尾根で乾燥側、谷部で湿潤側など変化させる)とし、φmを再現計算で同定する、といったような流れでしょう。
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