2015年8月18日火曜日

地形・地質情報の表示

大局的な地形・地質情報を見るのに、データの重ね合わせや可視化は有効な手段です。

最近は多くのソフトで可視化が可能となっていますが、手順・手間は様々です。
私は、Civil3d, Infraworks 360 LT, Google Earth Pro, カシミール, 地質図Navi, ArcGIS などをよく使用しています。

Civil3Dでは、Bing Maps (道路+航空写真)をボタン1つで on•off 可能です。測地系の設定ができますので、基盤地図情報や Open Street Map などから切り出したSHPファイルを指定すれば、写真や、地図に重なって表示されます。ただし、これらを3次元でグリグリ回すのは難しいでしょうか?
グリグリ回すには 5mDEM 等を取り込んでサーフェスを作る必要があります。が、海域などを含んでいると、その部分のTINを消去しないといけないため、手間がかかります。
ただし、現場スケールでは、現段階で必需品となっています。

Infraworks ではモデルビルダーで簡単に3次元可視化できるのですが、LT版には付属していません(モデルビルダーの精度もイマイチ)。CUG の HP でアナウンスのあるビルダーデータ収集プログラムも、GeoTiffなどに変換してくれない場合があります(海域がダメ?)。地形に関しては基盤地図情報を ArcGIS で GeoTiff に変換し取り込むのがベストだと思います。取り込んでしまえばグリグリ回せます。
現場スケールで Civil のデータがあれば、その後の可視化(データ取り込み)は専門技術を必要としないため、お手軽です。

3次元表示で手軽なのが Google Earth。デフォルトの標高データは粗いですが、広域なら問題ありません。少なくとも、写真と DEM の準備が必要なくなります。KML に加え Pro 版では SHP を読み込めますので、上記の細かい水系や道路、シームレス地質図などを重ねて立体表示できます。グリグリも問題ありません。広域を見たい場合は、これが楽でしょうね。ただし、重いデータは表示できず、落ちてしまう難点があります。また、WMS にも対応していますが、一部の透過がうまく表示されない問題も残っています(残念)。

カシミールはかなり昔から使用しています。最近は他のソフトを利用することが多く、利用は減ってきました。
主にGPSトラックの取り込みと踏査写真のプロット等に利用しています。また、空中写真の年代別表示が非常に手軽です。Google Earth よりも、昔の写真に対応しています。

地質図Navi はかなり優秀です。
シームレス地質図のみならず、各種 WMS (地すべり分布図、活断層分布図、水理地質図など)をデフォルトで有していますので、一通りの情報を手軽に得られます。
欠点は3次元可視化できないこと。これだけです。非常に惜しいのですが、情報量と手軽さは他を凌駕しています。今後の発展に期待です。

 ArcGIS (ArcMap)もいいですね。インストールしたPCが直近にないので、使用頻度はたと比べて少ないのですが、基盤地図情報を取り込むのはこれが一番手間がかからず綺麗に取り込めます。さすが老舗です。現在、Ver.は10.3です。
SHP取り込みは勿論、それの加工もお手の物。2次元でのデータの重ね合わせや演算に特化しています。
先日知ったのですが、Spatial Analystでは簡単な2次元平面の地下水計算が可能です。ちょっとクセがありますが、流速や粒子追跡、移流分散の表現が可能でした(これはまた、後日)。
欠点は地質図Naviと同じ3次元の概念が薄いこと。グリグリはできません。dwg 読み込み可なのですが、Civilのソリッドも読めません。残念。
余談ですが、サポートがすばらしい。レスポンスは 早いし、内容も丁寧です。


それぞれ、一長一短です。
現段階では、必要なスケールと目的に合わせ、それらを使い分ける必要があります。

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