2013年6月23日日曜日

ArcGIS その2

ArcGIS の講習会に参加しました。

CAD を使えない後輩が、地形解析のために旧版を使用すると言った折、「贅沢だなあ」と思っていました。http://phreeqc.blogspot.jp/2011/04/arcgis.html
しかし、この後輩、恐ろしいことに研究と称し最新版を購入していました。エクステンションも2つ購入。PCも新たに購入。計数百万。(で、昨年会社をやめました。その後、他にも購入していたソフトが発掘されています。後輩が悪いのか、管理する上司が悪いのか。)

結局、彼が Arc で何をしていたのか詳細はわからず(直属の上司や同じフロアーの者なら知っていても良いはずですが)、利益も生み出していなかったため誰も興味がありません。引き継いでもいないので、ソフトのみ残された状態。
もったいないので、以前取り組むのをやめた ArcHydro を試そうかと、まずはArcGISを知ることにしました。

講習初日は初級編として、ArcGIS の使用方法を学ぶことを目的とした内容でした。使用した限り、構造さえ理解すれば、比較的扱いやすいソフトでした。
2日目は中級編として、以下のような演習を実施しました。
「国道から3km以内、傾斜35度以内の土地で、天然記念物の生息する広葉樹林帯を避け、造成候補地を探すこと。ただし、その広さは30ha以上とする。」
「浸水ハザードマップを作成し、公共施設の危険度をランク分けして表示せよ」
空間分析やGISの機能は概念として知っていましたが、こういった演習を通すことで、より意味が具体的に把握できますね。住所、座標、緯度・経度などの平面的な位置情報と、それに付属する属性(施設、道路、土地利用状況、高度、傾斜量、斜面方向、地すべり、活断層など)を関連付けることが可能であり、それらを重ね合わせて主題図を作成する。こういった分析や作図を容易に行えるのが GIS ソフトなのでしょう。「既存地すべり地形における地震時地すべり発生危険度評価手法に関する研究」(土研資料) で記載されている分析内容が、まさに空間分析であり、GISソフトの得意とするところなのでしょうね。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/11/blog-post_18.html

残念なことに、肝心の ArcHydro は日本法人( ESRI ジャパン)のサポート外となっており、現在はアメリカのESRIのみのサポートとなっていました。
今回、ネットで拾った数年前の日本人のArcHydroに関連する発表資料を持参していたところ、その発表者が講師の一人であり、詳細な話を聞くことができました。結果、トンネルの掘削による沢水の減少といった計算は、保有しているエクステンションだけでは難しそうでした。しかし、水文解析機能は付属しており、ボーリング情報からの地質モデル作成や、表流水の計算、簡単なダルシー流の計算は可能なようでした。
後日、関連資料を送付していただくことになりましたので、その機能に期待しましょう。



地すべり線の形状推定法

地すべり線の形状推定法
http://www.pwri.go.jp/team/landslide/kanrisya/slideline/manual_pablicate.htm

土研さんの共同研究結果が図書になったようです。表に出ないかも、と聞いていたのですが、販売までされましたね。プログラムも公開されています。

地すべり発生時の初動や、海外などでボーリングを密にしない場合などでは有効かもしれません。
pdf 版とどう違うのか、購入してみましょう。

2013年6月22日土曜日

流れ盤

千木良先生の深層崩壊に関する講演を聴く機会がありました。

特に目新しいものはなかったのですが、NHKの番組に関して「あの流れ盤という表現はちょっと・・・」とか、「地すべり発生のCGは時間もよく再現されている」など、補足的な話がありました。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/09/blog-post_2.html

と言っても、紀伊半島の12号台風による地すべり?発生個所では、流れ盤のみだったとか。ま、一般の視聴者にとっては関係ないところでしょうけどね。

ボクセルメッシュ

先月、ひたすら メッシング作業でした。

最初は Civil3D 2013 でソリッドを切っていたのですが、モデルが大きすぎるのか、完成したデータをうまく SoilPlus 2013 に持って行けません。

仕方ないので SoilPlus 側でソリッドを切ろうとしたのですが、まったく切れません。以前もココで苦労していたのですが、Ver.UP しても改善されていませんでした。Civil3D や FEMAP Ver.10と同じブーリアン演算のはずですが、SoilPlus は特化してダメですね。切れてもCADと補間方法が異なり、しかも、その手法を制御できないので、必ず地層面がズレる。しかも、その後のメッシングがまた一苦労。

ということで、FEMAP に切り替え。

しかし、FEMAP でも駄目。ソリッドは難なく読み込めます。が、うまくメッシングできません。CAD 上では10m メッシュの 制御点を有するサーフェスで切っていたため、それが制約となりうまくメッシュが切れないのです。Ver.11ではその小さな10m四方のサーフェスをつなぎ合わせることができるそうですが、持っていませんので仕方ありません。

で、FEMAP 側でソリッドを切ることに。

しかし、こちらもダメ。途中まではうまくいきますが、切っていくうちに一部で面のリンクが外れます。惜しいところまでは行くのですけど、もう一歩。
スプラインのような局面を切ると、そこで新しい制御点ができるので、対面との形状の整合性が取れなくなるのでしょうね。ま、それが原因であれば、地層のような制御点で曲面を作成しているソリッドのモデル化はどのソフトでも困難ということになりますが。


ただ、今回 FEMAP をヘビーに使ってみて、その長所と短所がよくわかりました。 
[ソリッド]-[交差] と、[メッシュ]-[メッシュ コントロール]-[ソリッド上のサイズ]はかなり優秀。サーフェイスを自動で同じ形状に整え、リンクしてくれます。これは便利!


結局、モデルは SoilPlus でボクセルメッシュを作成し、GEORAMA で属性を流し込むという、以前の手法を採用。暇な時期でしたので、2週間くらい悩んで、手を動かす、そして仕事が入りだして1日で完成させたという顛末。うーん、微妙。