2023年12月31日日曜日

やり残し事項 2023

今年は IOT に関するスキルを身に着けることができました。
と言っても高度なものではなく、電子工作として多くの方々が趣味にしているレベルの内容です。基礎力ですね。
それが偶然、仕事に役立ちました。趣味で作成していたMEMS地震計が仕事で必要になったり、リクエストのあった硫化水素濃度のモニタリング機器を作ったり。

また、中期目標を一つ作成しました。これは個人目標から後輩君たちの目標へ移行。
準備を進め、障壁を取り除き、後輩君たちが走り始めやすいように整備してからバトンタッチ。プロジェクトも人も大きく育つことに期待しつつ、個人的な次の中期目標を早く立てましょう。

やり残し事項はほぼそのまま。PSInSARに関しては、欧州の状況を知ってしまうと、もう個人で対応できる内容とは思えません。外します。
他はさらに残しておきましょう。

優先度高:機械学習のスキル増強
優先度中:DAS
優先度低:流体+個体(不連続体+連続体)+振動
優先度低:Dtransu の MPI/GPU 対応
優先度低:地表流+地下水+移流拡散

2023年12月30日土曜日

MEMS Seismometer

MEMS Seismometer

Prerequisite

  • ADXL355 (EVAL-ADXL355-PMDZ)
  • M5Stack Tough
  • modified version of plasmapper/adxl355-arduino
    Hats off to PL.

Features

  • Three components of acceleration (cm/sec/sec)
  • 100Hz sampling (with 50Hz high-cut FIR filter)
  • Recording to TF card

試作品を公開しました。
https://github.com/T40O0/ADXL355_SPI_M5_SD_FIR.git

振り返ると、1年かかっています(ラベル:MEMS Seismometer)。仕事が終わってからコツコツ積み上げて、ようやく形にしました。
MEMSセンサーの取り扱いができるようになったという点よりも、FIRフィルタの働きを理解できた点のほうが勉強になりました。仕事では完成した地震計を扱うので、周波数領域で正しくデータを扱えるようにするためのハードウェア側の知識が不足していました。やはり、手は動かすものです。

来年は何にチャレンジしましょうか。


2023年12月5日火曜日

Linux ファイル移動、コピー

a.txtをb.txtにリネーム
$ mv a.txt b.txt

*.txtをdir1の下位に移動
$ mv *.txt dir1/

dir1をdir0の下位に移動
$ mv dir1/ dir0/

-vで経過表示
$ mv −v dir1/ dir0/

ftp サイトからカレントディレクトリにコピー
$ wget ftp://ID:PASS@address/a/b/c/*


Noise Reduction (DAS)

DAS の noise reduction が目に留まりました。

2016-06-RECORDER-Simultaneous_Acquisition.pdf (mit.edu)

Panel B shows the result of applying the noise-reduction processing as a running weighted average over 11 adjacent channels (20m).  

このような方法で良いのか?奇麗な結果だから良いか。


2023年12月4日月曜日

GPTで資料作成

研究内容を社内アドバイザーに説明し、承認をいただく必要があります。

が、アドバイザーとは名ばかりの executives が多く、逆に技術的な内容を嚙み砕いた資料を作成しなければなりません。

そこで GPT-4 の出番です。聞かれそうな内容を代わりに聞きます。

「○○について技術的内容を教えて」
「○○の海外での適用事例を紹介して」
「○○の国内での適用事例を紹介して」

これを Word データに書き出し、絵を入れて体裁を整えたら7割完了です。味も深みもありませんが、ソツのない内容の資料ができました。この程度なら、御自身で聞いて理解していただくと、少しは有意義な議論ができると思うのですが。

社内向けの資料にGPTの回答レベルがちょうど良いのは皮肉ですが、無駄な作業に対する時間短縮と割り切り、楽になったと考えましょう。

Raspberry Pi 再起動

Raspberry Pi 4 を定期的に再起動する必要が出てきました。

調べてみるといくつかありますね。
少し古そうですが、簡単な以下で書き込みました。

introduce tasks to be run by cron.

$ sudo crontab -e

minute (m)
hour (h)
day of month (dom)
month (mon)
day of week (dow)
'*' for 'any'

m h  dom mon dow   command

5 0 * * * /sbin/reboot


2023年12月3日日曜日

振動による事象の識別

ESurf - Seismic monitoring of torrential and fluvial processes (copernicus.org)

地震計を使って何を測っている?に対して総論のようにまとめられている文献です。


河川
Gimbert et al.(2014)
乱流によって誘発されるノイズは、床荷重によって誘発されるノイズよりも低い周波数で励起される。
発生源と受信源の距離にも敏感で、河川に近い(遠い)観測点ほど、底質(乱流)によって誘発されるノイズの割合が大きい。
観測されたヒステリシスは、8Hz以下の乱流の影響を大きく受けている。

図7
アルプスの「サンピエールの激流」放水量の比較。2-5Hzの周波数帯域は流出変動を最もよく説明し、20-30Hzの周波数帯域はこの関係を失っている。


落石、岩すべり、岩なだれ
地震と同様に、数十秒から数分という継続時間を持つ。
多くの落石における地震エネルギーの長い立ち上がり時間は、地震における急激な上昇とは対照的であり、識別に利用することができる。

岩石崩壊
Dammeier et al.(2011)
スイス地震学研究所で記録された岩石崩落の地震信号を用いて、

  1. 信号の継続時間
  2. 地盤速度エンベロープのピーク値
  3. エンベロープエネルギー
  4. 立ち上がり時間
  5. 平均地盤速度

など、崩壊と地震の特徴との関係を定義。

地すべり
地震信号に含まれる超低周波(<0.1 Hz)は、あまり減衰せずに長距離を伝播する。
ほとんどが高周波信号(>1Hz)を生成する落石や岩なだれのような他の斜面事象との大きな違いである。

土石流
広い高周波数帯域(1-60Hz)で地震エネルギーの急激な増加を示す(図8)。



局所的な気圧場の変動により、30秒を超える周期の振動を発生させることがある(例えば、De Angelis and Bodin, 2012)。


Burtin et al. (2011)
70Hz以上の周波数の雨信号を確認したが、これは大きな岩の隣に設置されたステーションにのみに存在。
大きな岩に近接していない場所に設置されたステーションでは、この信号は見られなかった。
柔らかい地面や土の上に落ちた雨滴は、効果的な信号源にはならないかもしれない。

雷、稲妻
20Hz以下の低周波信号を発生(Scarpetta et al., 2005; Assink et al., 2008 )
音響領域と地震領域の結合が効果的であれば、地震計で記録可(Walker et al. , 2011)


人為的な騒音
明確な日周期が生じる。
多くの場合持続時間が短く、主に1-20Hzの周波数帯域に影響を与える(図8)。
振幅は通常比較的小さく、近傍の観測点でのみで記録される。
人為的な信号はアレイ全体にわたってコヒーレントであることはまれであり、分離に役立つ。

2023年12月2日土曜日

Automated identification

Automated identification, location, and volume estimation of rockfalls at Piton de la Fournaise volcano - Hibert - 2014 - Journal of Geophysical Research: Earth Surface - Wiley Online Library

火山性地震と落石の Automated identification に利用する特徴量の候補5つ。

  1. Ratio of the Maximum Amplitude to the Mean of the Envelope
  2. Kurtosis of the Envelope
  3. Signal Duration
  4. Duration of the Increasing and Decreasing Phases of the Signals
  5. Energy in the 10–30 Hz Frequency Band

FAT32 のファイル数

SDカードにデータを記録していましたが、トラブル発生。
なぜか一定期間を過ぎると記録が停止していました。

調べてみると、ルートのファイル数が21,844。どの機種も記録日時は異なるのに同じ数。この数字、記憶にありました。

FAT32の制限です。
ファイルシステムに応じた総数とディレクトリ毎のファイル数に制限がありました。
https://qiita.com/ryoma-jp/items/f9124a057ac8c646ae61

対策は簡単で、異なるファイルシステムでフォーマットする、ある程度の期間でファイルをまとめる、1日毎にフォルダを分ける、ファイル名を短くするなど。

あまり平たい階層にしても整理時のアクセスに問題が生じるので、フォルダ分けの方針で進めましょう。
https://www.t3.gsic.titech.ac.jp/node/441


2023年11月26日日曜日

ゼロクロス法

先の論文に出てきたゼロクロス法の説明は以下がわかりやすいと思います。
Determination of surface‐wave phase velocities across USArray from noise and Aki's spectral formulation - Ekström - 2009 - Geophysical Research Letters - Wiley Online Library

Because the amplitude of the real part of the spectrum depends on both the background noise spectrum and non-linear effects of the data processing, dispersion information cannot readily be deciphered from the detailed shape of the spectrum. The locations of the zero crossings in the spectrum should, however, be insensitive to variations in the spectral power of the background noise, and we choose to use the locations of these zero crossings as the dispersion observables. 

前提として、ランダムに全周囲から表面波が到来する場合、2点間の相互相関係数は第一種0次のベッセル関数J0を介して表現できる(それは円周上の1点と中心点とのそれを円周上の多点で平均した空間自己相関係数(SPAC係数)と一致する)。
J0(ωr/c(ω))=0 の時の角周波数ωがゼロクロス点でわかり、2点間の距離rも既知のため、位相速度 c(ω) が求まる流れです。0の時を選ぶのは上記理由です。

SeisLib

Surface-wave tomography using SeisLib: a Python package for multiscale seismic imaging | Geophysical Journal International | Oxford Academic (oup.com)

以前、passive 手法等をまとめた際に含めていたかな?と思い見返しましたが、入れていませんでした。
https://phreeqc.blogspot.com/2021/05/passive.html

クロスコリレーションのゼロクロッシング位置を用いて観測曲間の分散曲線(位相速度)を取得しています。ゼロクロス法については後日。

文献の対象は米国でしたが、日本でも観測局の長期データを基に速度構造を推定している例をいくつか見たことがあります。ま、日本の場合はもっと細かいデータが公開されていますので、積極的な利用はないでしょう。

物理探査にも使えそうです。


Civita di Bagnoregio

フローレンスとローマの間に、チヴィタという町があります。溶結凝灰岩の崖の上に孤立する町で、世界遺産候補です。観光客からは「死にゆく町」として人気だそうです。

今回の出張で見たかった場所の一つだったのですが、見学が中止になりました。が、それでも個別に見に行かれた地質屋さんがいらっしゃいました。後日、写真を見せてもらうと、香川県の屋島の上に中世の村が作られているような印象でした。

中には、鋼管杭?からアンカーをとって崖を引き留めているような写真もありました。このような対策は日本にもあるそうです。以下の文献には、おおまかな構造が示されています。

(PDF) The dying town of Civita di Bagnoregio and the killer landslide (researchgate.net)

当然ながら、古くから「dying」だった訳で、似たような姿は絵画の題材にもされています。多くはデフォルメされて描かれているようです。いずれにしても、古くから人を惹きつける景観であったことは間違いありません。

対策は観光地としての延命治療のようにも感じますが、住民の方にとっては確かに死活問題です。厳しい土地で工夫しながら長期にわたり歩んでこられた歴史。対策も含め世界遺産候補なのでしょう。

機会があれば、じっくり見てみたいですね。

porousMedia4Foam

porousMedia4Foam: Multi-scale open-source platform for hydro-geochemical simulations with OpenFOAM® - ScienceDirect

reactive transport を扱えるOpenFOAM11 用のソルバーが実装されています。二重空隙モデルを扱える点が特徴でしょうか。反応はPhreeqcRM 利用とのこと。

  • dbsFoam Micro-continuum(Darcy-Brinkman-Stokes):pore-scale, hybrid-scale, continuum-scale, (Soulaine and Tchelepi, 2016).
  • darcyFoam Darcy's law:continuum-scale only.
亀裂が充填されて水みちを塞ぐのか、それとも逆なのかは定性的な計算でも把握可能でしょう。しかし、何年後にどのような状態になるか?というような予測計算、定量的把握にはRTMを用いた計算が有用です。地下貯槽建設や地層処分分野で推奨される計算でしょう。

2023年11月25日土曜日

surface wave inversion


inversion algorithm
  • Local search algorithms, also known as linearized inversion methods, rely on an initial starting model, which is assumed to be close to the true solution. This assumption may or may not be valid and is unverifiable for real data.
  • Global search algorithms rely upon upper and lower limits of each model parameter, which as a whole is often referred to as the parameterization space. Unlike local search methods, global search methods do not require the user to provide a single initial starting model.
これは以前に別のところで聞いたことがあります。表面波から逆計算する際には最小二乗法、アレーから逆算する場合はGAを使用していたのも、よくよく考えると意味はありませんでした。

  • When developing trial inversion parameterizations all high-quality site-specific information (geology, boring logs, etc.) should be used to constrain the layering and develop reasonable parameter limits.
  • When parameterizing Vs, if limited site specific information is available or site specific information does not extend to a sufficient depth, the layering by number (LN) and layering ratio (LR) parameterizations are recommended.
  • At a minimum the lowest misfit model from multiple parameterizations should be reported to quantify the inter-parameterization uncertainty. Furthermore, the inter- and intra-parameterization uncertainty should be reported qualitatively, such as with a plot of 100 lowest misfit Vs profiles for each parameterization, like that in Figure 10c and 11c, and quantitatively, such as with a plot of σln,V s , like that in Figure 10d and 11d, to communicate to the end user the relative (un)certainty of the inversion results.
特別ではないですが、経験的な内容だからか見かけない内容です。
特に最後。分散曲線を再現する1次元速度モデルはたくさんあるということがあまり浸透していません。

地震による地すべり

地震を契機に発生した地すべり。これが落ち着くまでどのくらい期間が必要だったかという発表を聞きました。

地震が発生してから地すべりが加速。一定速度を保った後、ゆっくり停止に至る。その間、3年。測定はSAR。

日本でも地震後に広域を分析し続けたら面白いでしょうね。降雨による判定基準を通常値に戻すタイミングが浮かび上がってくるかもしれません。

2023年11月24日金曜日

地すべりと H/V

H/Vをすべり面深度決定に利用している方がいらっしゃいました。

まずは、H/Vの基本。
中村 (2008) H/V スペクトル比の基本構造

  • 軟弱な表層地盤が堅固な地盤上に堆積している状況下では、水平動の増幅現象が重要。
  • 地表面と基盤の水平動の比R(=Ahs /Ahb:増幅特性)に及ぼす Rayleigh 波の影響を、地表面と基盤の上下動の比E(=Avs /Avb)で見積もり、増幅特性Am を推定。つまり、地表と基盤のそれぞれのH/V スペクトル比の比によって、より確からしい増幅特性を推定。
  • 基盤のH/V スペクトル比が広い周波数範囲で概ね1.0 となる観測事実を考慮すると、結局、表層地盤の増幅特性は、次のように地表だけの測定で推定できることになる。
    Am = R/E ≒ Ahs/Avs
  • F0周辺では SH 波の重複反射による増幅特性を現し、2F0付近ではRayleigh 波によって乱された特性を現す。

H/V の地すべり調査への適用例です。
F. Panzera et al. (2012) Seismic site response of unstable steep slope using noise measurements: the case study of Xemxija Bay area, Malta

  • 断面の60mから100mの範囲で、detritus/BCとBC/GLという2つの界面に関連する二峰性のピークがH/Vに存在。
  • H/Vを計算する方向性に特徴。

V. Pazzi et al. (2016) H/V measurements as an effective tool for the reliable detection of landslide slip surfaces: Case studies of Castagnola (La Spezia, Italy) and Roccalbegna (Grosseto, Italy)

  • f=Vs/(4h)を利用してすべり面深度を推定。
  • fはH/Vからの卓越周波数、VsはS波速度。


つまり、岩盤が崩壊したような基盤とすべり土塊のインピーダンスに明確なコントラストがある場合に H/V を地すべり調査に利用できるということです。地すべり土塊と岩盤の間に速度変化がない場合や、深度とともに速度が徐々に増加する場合、この手法を適用することはできません。これは、地質屋さんが現場を見たらある程度判断できますし、ボーリングを掘れば明らかになります。

深度を決定するには Vs が必要です。単点に加えアレーを加えたら良いのでしょう。が、大雑把な手法なので、やりすぎると矛盾が出るでしょうね。ボーリングで確認した深度に一致するよう Vs を調整し、それが妥当な場合に「適用可」と判断するほうが良いのでしょう。

いずれにしても非常に手軽な補間手法です。積極的に利用したいですね。

欧州の地すべり調査

フローレンスへの出張から帰国しました。
※いらないコロナを連れ帰ってしまったので療養中です(2回目)。

欧州での地すべり調査について学んできたのですが、彼らは SAR を頻繁に使っていました。取り扱う規模が相対的に大きいこと、SAR データが無料のみならず PSInSAR などの結果も無料で公開されていることが大きな要因です。後者についてはEGMSを紹介されました。欧州全体、5年分の結果が web ベースで公開されています。

本邦の現状はというと SAR は地すべり調査に一般的に使用されておらず、提案しても逆に「(いろいろな場所が)動いていたら困るので、余計なことはしたくない(知りたくない)」と言われることがあるとのこと。容易に想像できます。
国土地理院が DInSAR の一部の結果を公表していますが、これもプロから見ると対象個別にチューニングされていない結果なので利用や解釈には注意が必要とのこと。
いずれにしても河川砂防技術基準に地すべり調査として SAR が入るまでは日本で普及することはないでしょうね。ガラパゴス化です。まだまだヒトが追い付いていません。

面白かったのは物理探査。H/Vを地すべり調査に利用している例がありました。考えることは同じですが、もう一歩進んでいました。これらについては、また後日。

2023年10月21日土曜日

桜島 その2

桜島 19日の噴火。
フェリー乗り場から迫力のある噴煙が見えました。

これでレベル4にならないのか地元の年配の方に伺うと、これは日常とのことでした。笑ってらっしゃったので、何ともないのでしょう。いや、すごい。

さらに話を伺うと、昭和30年ごろまでは北側から御岳の広場まで遠足で登っていらしたそうです。噴火による死傷者が出てから立入り禁止になったそうですが、確かに、その頃の地図には山頂へのルートが書かれています。
今昔マップ:https://ktgis.net/kjmapw/kjmapw.html?lat=31.584930&lng=130.652478&zoom=15&dataset=kagoshima&age=2&screen=2&scr1tile=k_cj4&scr2tile=k_cj4&scr3tile=k_cj4&scr4tile=k_cj4&mapOpacity=10&overGSItile=no&altitudeOpacity=2

登山道があったなら、火口の写真が残っているだろうと探しましたが、当時のものは見つかりませんでした(ヤマレコには201〇年に顔出し写真を投稿されている方はいらっしゃいましたが)。

UAVを飛ばすのはどうなのでしょうね。火口を間近で見てみたいものです。


DAS

18~20日まで、鹿児島で火山学会の秋季大会がありました。

私は参加していませんが、同僚が参加しており発表要旨を見せてもらいました。

と、俄然、気になるモノが。

DAS (Distributed Acoustic Sensing) で火山性地震や土石流を検知した事例です。
これ、最近の流行ですよね。機材が欲しいのですが、高価なので指をくわえて眺めています。

DASは既設の光ファイバーを利用できるので、接続する機材のイニシャルコストに目を瞑れば非常に手軽です。既に全国に受信器が設置済みと言えますので。そのためか、国内でも地震や火山以外に、いくつかの用途に向けて研究されているようです。例えば、河川。

国総研:河川堤防の変状検知システム実験結果nilim.go.jp/lab/fbg/gijyutsukoubo/jikkennkekka/report/10.enaa.pdf

中国地勢:分布型光ファイバセンサによる河川堤防の 観測方法の検討について
https://www.cgr.mlit.go.jp/tyokugi/74/d4/05.pdf

数百ch、大きいと 1000Hz でデータを取られているので、処理はヘビーです。空間方向を時間方向になおして波形を作る前処理も必要になることがあります。が、Pythonでも処理は可能です。

地すべりや物理探査、実務でも使えるのですが、市場が大きくなるまでは皆さん様子見でしょうね。先行投資できる体力のある会社が羨ましい。


2023年10月17日火曜日

SPH の補正

An SPH study on viscoplastic surges overriding mobile beds: The many regimes of entrainment - ScienceDirect

DualSPHysics を用いた土砂移動の新たなモデルかなと期待して読み始めましたが、非ニュートン流体実装を用いた2Dの計算のようで途中でやめてしまいました。モデル自体はこちらがわかりやすいでしょうか。210629.pptx (jsce.or.jp)

不安定化に対する補正を加えられていますね。SPHではこれらの補正がないと色々と不具合が出るので仕方ないのですが、多くの補正が加わると本当に正しい計算なのか疑問に思えてくることがあります(いえ、私が作ったコードのことです)。

ま、それでも補正して動くようにしたものを公開される研究者には頭が下がります。

L76K その2

いまいち掴みづらかったのですが、ある程度 L76K の確認ができました。

デモコードの制御文が L76K 用ではなかったようで、ドキュメントのコマンドに変更すれば制御できました。baud rate を変更したり、位置を定める間隔を変えたり、秒を msec 表示したり。ここまで来たら、GNSS からRTSの時刻を設定できそうです。

pps を取り入れていなかったのですが、これも基準に使えそう。もう少し試してみましょう。


2023年10月7日土曜日

L76K

余裕ができたので、以前購入していた GNSS モジュール L76K を引っ張り出してきました。

ボードは眠っていた M5 ATOM S3。以前、マイクをつけて、avatar を動かして遊んでいたボードです。
https://github.com/meganetaaan/m5stack-avatar/blob/master/README_ja.md

いくつかのサンプルコードが公開されていますので、その中からESP32用を利用。Serial2 の PIN を設定してコンパイルするだけでした。

が、なぜか PC側にデータが送られてこない。

数時間、試行錯誤しました。原因は接続するタイミングでした。マイコンを起動した後にPC側のシリアルモニタを開いて接続する手順ならOK。先に開いて待ち受けにしているとダメ。これは初めてのケースでした。

肝心の位置は遠く離れた場所にプロットされていましたし、時刻も数秒遅れて表示。うーん。先が長そう。

2023年10月2日月曜日

点群の判別

週末に読んだ文献です。
点群の判別にRFを利用している例です。RFは機械学習の1手法というだけで、今ならGBMで良いと思いますが、そこそこの精度が出ているなら重視するポイントではないでしょう。着目すべきは判別するために3次元を利用している点です。

CIMの義務化により、腰の重かった方々も点群の扱いは一通り慣れてきた頃だと思われます。が、まだ見せるだけ、地形作成に使うだけ、の方が大半です。仕様を満たすための3次元化が目的であり、それを利用した分析まで至っていないのが現状でしょう。

本来、3次元化は目的ではありません。数値解析に必要なので地質を3次元化する、比抵抗探査の解析に地形の影響を考慮するため3次元を用いるなど、手段にすぎません。上記の文献は目的が風化部の判別であり、手段として3次元化と機械学習を用いています。

3次元の取り扱いや機械学習は基礎力です。技術者はそれを道具として利用し、目前の課題を解決します。道具は時代とともに変化し、増える一方ですので、常にupdateする必要があります。

2023年9月15日金曜日

FIRフィルタ

移動中に、引き続き MEMS 加速度センサーのノイズを低減する方法を考えていました。

参考書をパラパラ見ていて、目に留まったのがエイリアシング。
ナイキスト周波数よりも高い側に信号が含まれていると、FFTの結果にノイズとなって現れます。これ、大事です。
https://www.analog.com/jp/technical-articles/elusive-tones-aliasing-effects-in-digital-mems-accelerometers-in-condition-monitoring.html

では、どうすれば良いか?
答えは簡単で、事前に LPF を通せば良いわけです。が、カットする高周波を求めるために FFT をかけてしまうとエイリアシングが生じます。
そこで、時刻歴データの段階で LPF をかけてしまうという発想。これがデジタルフィルタ。FIR と IIR が有名ですが、実装上、計算の軽い前者がよく利用されているようです。PolyPhase フィルタも同様です。

FIR フィルタを今まで使ってきたものの、自分で作ったことはありませんでした。今では Python でも簡単に作成できるようです。
帰社後に探してみると、すぐに見つかりました。scipy.signal.firwin で作成できます。https://docs.scipy.org/doc/scipy/reference/generated/scipy.signal.firwin.html

FIR filter design using the window method.
This function computes the coefficients of a finite impulse response filter. The filter will have linear phase; it will be Type I if numtaps is odd and Type II if numtaps is even.

これを手元の信号にかけると、位相が遅れます。ま、タップ数の半分の時間を補正してやればOKです。直線位相から最小位相にしたい場合は scipy.signal.minimum_phase で良いみたい。https://docs.scipy.org/doc/scipy/reference/generated/scipy.signal.minimum_phase.html

Convert a linear-phase FIR filter to minimum phase

MEMSセンサーから500Hzで吐き出したサンプルに対し作成した係数を乗じ、その後に100Hzへ間引き。Tap 数 201 で 2msec 以内に回るか心配でしたが、全く問題なし。しかも効果は抜群で、ノイズを大きく取り除くことができました。成功です。


2023年9月14日木曜日

桜島

 


久しぶりの出張です。パンデミックにより打ち合わせは完全リモートでしたので、概ね3年ぶりです。
取り巻く状況を反映するかのように曇っていましたが、silver lining が綺麗でした。パンデミックが明けきらない世界でも、希望の兆しが見えていることを願います。


2023年9月13日水曜日

ObsPy で Win データが読めません

 解決はしませんでしたが、ヒントはこちら。

中川ほか「WIN フォーマットデータを ObsPy で読み込む 新しいモジュール」https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/GIHOU/archive/26_031-036.pdf

Windows 環境でしたので、パッチを充てるだけに留まりましたが、ダメでした。ま、既にツールはあるので支障はありません。寝かしましょう。

2023年9月3日日曜日

MEMSセンサーのスタック

MEMS加速度センサーのノイズを低減する方法を考えていました。

いくつかの製品を比較してみたところ、同じセンサーを使用していてもプログラムの組み方でノイズが3倍ほど異なります。尊敬すべきプロのこだわりでしょうね。でも、どうするのが正解なのでしょうか?

数日悩みましたが、解決せず。やはりプロの領域です。
素人でもできそうなのはスタック。物理探査ではおなじみの方法です。最後に試してみました。
まずは1台。(ノイズに無関係ですが、40Hzで‐6dBのハイカットフィルターを通しています。)

次に2台の結果をスタック。

若干、小さくなりました。
以前、16個 スタックしてノイズを1/4にした記事も見かけましたが、そこまですると安価ではなくなります。
やはり、スマートな解決策が欲しいところです。