地盤工学会誌に締固め試験の記事が掲載されていました。
以前、「スレーキング材は含水比管理より、飽和度管理を行ったほうが良い」と書かれたものを読んだことがあります。その時は、「なぜだろう」と思っていたのですが、少し調べても出てこなかったのでスルーしていました。
今回の記事は一般的な盛土材において、密度と飽和度を使ったほうが良いという内容。が、2ページと短く、よく理解できません。
元になった文献を読んでみようと、他部署の雑誌を探してもらいました。
「基礎工」技術ノート 2013.7~
私の部署で回覧されることはなく、目を通していませんでした。また、個人で持っている方もいらっしゃるようで、歯抜け状態。ま、知りたいところは最初の4回までで納まっていましたのでセーフでした。
要点は以下の通りです。
現代の現場の締固め機械では、容易に室内試験の締固めエネルギーを超過する。
そのため、室内試験でのρd90%以上に現場の乾燥密度が高くなってしまう。
結果、含水比管理をしていると、飽和度が100%に近づく。
結果、泥濘化を招く。
そうならないためにも、飽和度管理が重要。
CBRなどの強度・変形特性はρdと飽和度の関数となる。(含水比・締固めエネルギーはパラメーターとして不要)
最適飽和度は締固めエネルギーに依存せず、土質の影響も少ない。
現場での締固めエネルギーによる wopt 近くの透水係数は、室内試験の wopt の湿潤側で見られる極小値よりも、容易に小さくなる。
従って、含水比管理は本質的でない。土の締固め特性は、乾燥密度と飽和度の関係で表現した方が合理的。
実際の運用はよくわからないのですが、
1.室内締固め試験で最適飽和度を求める
2.その飽和度における各種ρdに対応した強度を求めて図3-15の様な曲線を得る
3.試験施工でρdmaxを求め図3-21の様な整理を行う
4.それにより強度が推定でき、ρd管理値(施工法)を決定可能。
ということでしょうか?
文献には施工例が続いていますので、(歯抜けですが)確認しておきましょう。
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20150731追記
第15回に運用がかかれていました。
ρdの決め方が違いましたね。目的に合致する強度を有するρdを施工目標値とするのが理想のようです。
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