2012年5月29日火曜日

Hyper-KAMIOKANDE


大規模地下空洞の変形計算の結果が冊子の表紙に掲載されていました。

どこの地下空洞だろう?と思いながら中を見ると、岐阜県のハイパーカミオカンデでした。まだ検討段階のようです。

スーパーカミオカンデはよく聞きますが、40m×40m程度の円筒形ですから、大きいですけどまあそこそこ。ちなみに、建設当時のビデオが公式サイトにあります。
http:/www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/ 
HKはその20倍ですからやはり大きい。断面がW50m×H56mの卵型です。頂設導坑と9~10段のベンチの絵が掲載されています。凄いですね。

岩盤等級は電研式を採用しているようですね。現段階ではCHが主体と想定されているようです。それで弾性計算を行い、MC破壊基準を超える応力が出たところを緩みとして評価していました。その結果が表紙に掲載されていたようです。つかみでしょうか。こういった簡易なチェックの仕方もありなんですね。

この大きさだと本体掘削だけで3、4年程度かかるでしょうか?亀裂構造はどうなっているのでしょう?これだけ大きいとターゲットの掃除はどうするのでしょう?変形量の予測と実際は?など、いろいろ興味ありますね。
機会があれば携わってみたいものです。

2012年5月28日月曜日

メンター制度

今日は大学病院で親知らずを抜いてきました。


若い先生が担当だったのですが、助手にベテラン先生、サブに実習生?がついていました。麻酔の後の確認はどうすべきか、どこに引っかけると抜けるか、歯を割るべきかどうかなど、ベテラン先生が時に助言をされていました。また、抜歯についての持論もはさまれて説明されていました。縫合などの簡単な処置に入ると、若い先生が実習生に説明されていました。こうやって指導・経験をつまれて1人前になっていくのかと、口をあけたまま他人事のように感心しながら聞いていました。


私が新入社員時代は、測定器のマニュアルを渡されて「明日現場でやってきて」状態でした。中には歳の近い方が丁寧に根気よく教えてくれたこともありましたが、基本はそのような体制?でしたから、良いリーダーは育つはずもなく、教育制度やメンタ―制度などはありませんでした。
もともと、地質屋は一人親方のような所がありますので、教育制度は定着しなかったのかもしれません。それに、会社が存続する上でそのシステムが重要なのかどうかも分かりません。所詮、サラリーマンの替え玉はいくらでもいますので。

今、歳をとって指導ということを考えると、個人的にはメリットの方が多いと思います。 人が育つのは喜ばしいことですし、教えるために自分の知識の整理・補充ができます。メンター制度とまではいかないですが、そのような教育体制が社風として培われている会社には粘りがあると思います。

同じ命を扱う場合でも、直接的か間接的かによって、意識が随分異なるようです。歯科医との差を見せつけられた1日でした。


2012年5月27日日曜日

軟弱地盤と構成則

「高速道路の軟弱地盤技術」の続きです。

高速道路の盛土における残留沈下量の制御については現段階で出来ていないそうで、今後の課題となっていました。それが書いてあるのが最後の9章だそうで、飛ばして読んでみました。
結果、数値計算を利用しよう!ということでした。現況再現として、試験施工などの観測データを用いるとのこと。将来的には盛り立ての状況を観測しながら数値計算で予測しようという情報化施工のフローが設計要領に転載されるかもしれませんね。

その数値計算でも、構成則として紹介されていたのが SYS カムクレイ。こんなところで出てくるとは思っていませんでした。内容忘れてます。復習しましょう。

2012年5月24日木曜日

ひょろひょろの実績

社内システムで私の実績を検索されていた事務の女性から一言。

「こんなひょろひょろの実績しかないですか?」


設計業務で調査を担当する場合、通常は設計者のみで TECRIS 登録が満杯になります。若い設計者の実績を付ける、あるいは高得点の技術者で固め続けるという戦略?があるようです。まあ、それはそれで良いのですが、以前、1億弱の業務で6千万強を私が担った時に、担当者からあぶれた時はさすがにどうかと思いました。

そのような状況ですと、調査単独業務でしか TECRIS 担当者に入れないことになります。ある地域のある対象工種で検索すると、数千万の実績は稀になり、数百万の「ひょろひょろ実績」しか引っかからなくなります。気にはしていましたがダイレクトに指摘されるとグサっときますね。

このような意味での実績と技術力は比例しません。が、そういった土俵にあがってしまった以上、簡単に割らない実績を武装するのも技術力の内に入るのでしょう。組織的なTECRIS攻略が必要だということです。

2012年5月23日水曜日

Fsp = (1.0+1.5)/2 = 1.25

「土の会」技術伝承出版編集委員会編「高速道路の軟弱地盤技術」を読んでいます。

本屋で見かけたときに、「経験的知識の伝承」という目的に惹かれ、購入しました。まあ、実体験でなく本から学べることは少ないと思いますが、経験の足りない私にとって読まないよりマシと思います。

 とりあえず、地盤調査の経験則を読んでみました。
大丈夫です。この辺りの事は身についています。少し安心。

続いて、最初から読んでいくと、11ページに面白いコラムが。
最初に議論になった時、安全率は1.0でいいという意見と、日本は地震国だから1.5にしようという意見があった。足して2で割って1.25になったということだ。
現在の設計要領は1.2ですから、1.25という時代もあったのかもしれません。最初は適当に値を決めておいて、試験施工で検証し、改訂していくといった手法を繰り返し、経験を積んできた値に落ち着いたということでしょう。
さらに面白いことに、これらの値や基準に執着心はないようで、あくまで現段階でBESTと考えられる基準であり、現場実験と観測データを多く集め改正すれば良いというスタンスがあちこちで読み取れます。昔の公団の方は、そうやって設計要領を改訂されてきたのでしょう。

しかし、設計者の立場ではそうはいきません。設計時に現場実験はできませんから。 そうすると、設計要領を逸脱するものは作れません。ジレンマですね。

そういう意味では、ゼネコンの設計者が、一番有利なのだと思います。

2012年5月22日火曜日

応答曲面法

応答曲面法という手法があるそうです。

ある現象を起こすための因子をいくつか選び、それらを変化させた場合の応答を計算しておく。結果をフィッティング関数(曲面)で表現しておき、必要な時にそこから答えを得るといったもののようです。

昨日、斜面崩壊に適用した例を聞きました。しかし、聞いただけではこの手法の長所が分かりませんでした。最初に浸透流をいくつも回して非定常の水位を計算されていましたが、それで安全率に関する応答を求めるのであれば、かなり手間です。最初に手間をかけて、後で計算を回さなくても安全率が分かるといった趣旨だと思うのですが、個人的には後で個別で回した方が手間が少ないように思います。浸透流や安全率の計算ができない、お客様用の手法かもしれません。

それで思い出したのが、海外の基準。どこに書いてあったか忘れましたが、盛土高によって目標安全率か、何か決められていたように思います。使うことはないと読み飛ばしていましたが、ちょっと調べてみましょう。

2012年5月18日金曜日

空気注入不飽和化工法

空気注入不飽和化工法が地盤工学会誌の今月号で紹介されています。

3月でしたか、建設通信新聞で紹介されたのが知るきっかけでした。
「大丈夫なのかな?」というのが第一印象でした。空気を入れるということは3相になるわけですから計算自体が難しくなるし、有効応力の増加、圧密沈下の促進、空気圧の増大など、Totalの変形に関して予測しづらいのではないか?と漠然と思っています。たぶん、そのあたりの事はクリアーされていると思いますが、知識がないので、機会があればぜひ知りたいですね。

先月、四国で液状化対策の一環として夜間作業を行ったのですが、結構待ち時間があり、設計者と長話をしていました。その中で、この工法の話題になりました。やはり、設計者も維持管理(空気の抜けに対する管理)の事が心配なようでした。面的にある程度の深度まで不飽和化させ、それを数十年間維持するのであれば、それ相応の管理と施設が必要だろうというのも素人ながら想像できます。設計者として採用するには長期的な実績も気になるところでしょう。ただ、四国地整さんの仕事では、比較案に入れておかないといけないようですね。愛媛大との共同開発のようですから。

今後、日本で広まるかは分かりません。単純なので、何となくですが、海外で受けそうな匂いがします。液状化以外にも利用されるかもしれませんね。

2012年5月16日水曜日

伝わらない説明

 河川敷の縦断占用について話していました。

個人的に、感覚として短いものなら許可されるのではないか(具体的に何mまでかは分かりません。)、高水敷は厳格で河床は何も言われない(許可されやすい)のではないかと思っていました。 結局、知らない者同士が話しても結論は出ませんでした。

 その後、例の部長様よりメールが。
「堤防の法の延長より浅ければOK、深ければOUT」
河川技術者に聞かれたようです。しかし部長様の説明の仕方が悪かったのでしょう。全く伝わっていませんでした(私も偶然その技術者に同じ内容を確認していたのですが、部長様の問い合わせとは(そのメールの話をするまで)全く別件だと思われていました。)
 部長様、それ、ただの2Hルールですから。と思いつつ、タイミングが悪いと怒りだすので、まだ言っていません。 ま、そのうち気付くでしょう。
 
 また、部長様がある解析結果の印象的な部分のみを覚えていらっしゃったのでしょう。 ある主張をマンガを描きながら説明されていました。解析結果はそうなっていなかったのと、そのマンガが下手なので皆分からない様子。いらつきながらの主張。自分しか分からない伝わらない説明。私もいらつきながらの質問。それでヒートアップ。最後は何言ってるんだ!と言い出してました(小声で)。
 もっとよく読んで理解して下さい。海水の影響は上側にも出るとなっています。河床で濃度固定した密度流の結果も出ています。と思いつつ、何か言うと面倒なので黙ってました(私は幸い担当ではありませんので)。 ま、そのうち気付くでしょう。

 説明は難しいです。
相手の反応を良く見ておかないと、伝わりません。多人数だともっと難しい。数年前は毎月1~2回、20人程度の前で説明を行い、お客様に叱られてばかりの時期がありました。そのつらい思い(今では良い経験だったと思っています)を抜け出すために珍しく専門書以外のプレゼンの本などを読んだりしました。

 まあ、理解してもらえないことを相手の責任にするようになると、歳と言うことでしょう。 そうならないよう気をつけましょう。



サーフェスの座標ファイル出力

Civil3D 2012 のサーフェスを座標値として書き出す方法を模索しました。

 まず思いつくのは LandXML 。でも、これはMVSで読めません。
次は USGS DEM 。しかし、日本の座標系に対応していません。
で、GeoTIFF 。後輩に聞いてみると、ArcGIS 経由で csv に変換可能でした。しかし、毎回頼むのも面倒です。

どれもイマイチだなあと思いながら GEORAMA を触っていると、データ変換機能が新しく備わっていることに気付きました。Ver.2012 からの新機能のようです。リリースノートを見ると、以下のような説明があります。
 サーフェスポイントの CSV ファイル出力
指定範囲内のサーフェスのポイントを CSV ファイルに出力できます。

早速試してみると、指定したポリラインの範囲で地形も岩盤サーフェスも出力できました。 おお、これは便利。中身を見ると、ヘッダーもフッターもついていない、座標値だけの非常に単純な CSV です。
エディターで2行のヘッダーを付け、最後に”end”を入れるだけで、MVS 用 GMF の完成です。何層もあるならこの繰り返しです(これ、ついでにマクロ付けときましょう)。

MVS に取り込んで見ると、 おお、綺麗に取り込めた!と思いましたが、残念。岩盤サーフェスは山の部分を作る必要がないため、その部分の座標値がありません。が、地表と同時に取り込んでKrigingをかけると、それと同じ範囲を補間してしまいます。座標のない所まで、おかしな深度で補間してしまうのです。
ま、数値計算では先の書き出したCSVを座標として使いますから、表示だけの問題です。平地の標高で岩盤サーフェスを切ってしまえば、地表面形状(山)と連続しているように見え、見栄え良くなりました。

そこからは、可視化の威力発揮。データ入力のミスがすぐ分かります。また、同じ3次元でも CAD と違って見た目が段違いに良い。ボーリング、N値、土質区分を表示させ、空中写真、CADデータなどを貼り付け一段落です。結局、既存135本のボーリングを可視化するまで1週間かかりました。でも、なかなか効率が良かったように思います。


ま、考える材料ができただけで、ようやくスタートラインに立った所ですけどね。

2012年5月15日火曜日

揚水試験の観測孔

揚水試験をする場合、周辺に観測孔を設けます。

後輩が揚水試験の計画を立てていますが、深度5m程の観測孔を周辺に複数設ける必要があります。ボーリングだと1日1箇所でしょう。数mしか離れていないと、もったいない気がします。

もっと手軽に設置できないか?と思いながら昔の資料を見ていると、40か所強の観測孔を設けている例がありました。設置方法には”打”と"ボ"の文字が。パーカッションとボーリングでしょうか?打ち込みかもしれませんね。打ち込みなら砂・粘土地盤を簡単に貫入できますし、道具は伝馬船でも運べますね。ボーリングを据えるよりは安くできるでしょう。ネックは玉石でしょうか?手軽に設置できる割に、使ったことがありませんが、可能性があるなら柔軟に考えるべきでしょうね。

最近では簡易貫入の後に細い穴空きVPを入れ、触針式水位計による観測孔仕上げとすることも多いようです。設置する方は大変な作業ですし利益も全く出ません。が、これ、なかなか良いアイデアですよね。実質、耐用年数は短いと思いますが、1年持てば上等といった現場にでも使用すれば良いでしょう。ミニラムを改良する手もありそうですね。穴空き鉄管を打ち込むだけ。こちらは砂礫地盤でもOKでしょう。土壌汚染のクローラー掘削機だと、もっと早いかもしれませんね。

観測孔、アイデア次第で手軽に設置できるようです。もっと柔軟に考えましょうか。

2012年5月14日月曜日

MVS で kriging

GEORAMA から変換したボーリングデータを MVS で表示してみました。

まずは PGF。標高、土質区分、深度、孔名、全部読めていますね。正しく変換できているようです。 Indicator Kriging で補間もしてみました。結果はいまいちですが、ドラフトですからOKでしょう。probability の表示は計算に時間がかかりますね。範囲が決まってからにしましょう。
 N値も表示できました。CSV も 問題ないようです。

ただ、MVS の kriging は少し Black BOX。具体的には、range や sill を自動設定しているようで、Geology 関連の kriging では、どのように内部的に扱われているのかが分からないのです。どこかに 通常の kriging 同様、semivariogram を plot させるスイッチがあるのでしょうか?と思いつつ、「EVS applies the experience and knowledge of a team of experts to that task in the form of expert system algorithms that assess the data and assure the appropriateness of the results. 」らしいのでいつもそのまま流していますけど。

とりあえず、ボーリングデータに関しては問題なく流れることが確認できました。あとはサーフェスと解析領域の取り込みだけです。


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2012.6.23追記
GEORAMA (csv) から MVS (csv, pgf) へ変換するための EXCEL ワークブックを UP しました。
https://sites.google.com/site/geochemist001/resources/georama2mvs


2012年5月12日土曜日

ボーリングデータの変換

GEORAMA のボーリングデータは CSV 形式で保存されています。

位置情報や土層区分、N値などが含まれている為、並べ替えると MVS に持って行けそうです。
当然、100本近くなると手作業では時間がかかりますので、マクロを組むことにしました。

まずはN値から。
GEORAMA は XML から試験開始深度を読み込むようで、厳密には試験区間の中心でプロットされません。XMLから直接読もうかとも思いましたが、先日UPしたように位置情報の修正が必須であるため、やめました。それに、EXCEL2007以上ではKunijibanのサーバーからも直接読めませんし(MSXML2.DOMDocumenのloadメソッドが上手く機能しません)。結局、GEORAMA の CSV を読み込み、MVS 用の CSV ファイルとして保存する形にしました。簡単なようでしたがバグ取りに時間がかかりました(分岐が複雑になると、最後の方で脳が追いつかなくなります)。計4時間程度でした。

次はPGFの作成。
読み込まれた柱状図を見ると、多くの方が様々な記載をされています。ただ、「盛土」や「埋土」などは、土質区分にその文字が含まれておれば自ずとピックアップ可能ですし、粘土・砂・礫の区分は、土質の最後2~3文字をチェックすることで可能でしょう。それらの残りを「風化」や「岩」の文字が含まれているかどうかをチェックすると「岩盤」として区分できます。最終的にどこにも含まれないものはそのまま書き出しておき、後でチェックすればOKです。
この辺りの判定は目的によって変えないといけないでしょうね。今回は土砂部の透水性が問題となるのと、大まかな土質分布を可視化するために上記のように区分しました。アルゴはほとんど上記N値と同じ。楽でしたね。こちらは1時間弱で完成しました。

これでボーリングデータとして過去の電子納品や Kunijiban の XML を GEORAMA で読み込み、Civil3D で位置を修正し、MVS で可視化というデータ変換の流れができたように思います。もう少し検証できたら変換ファイルをUPしておきましょう。


2012年5月10日木曜日

Kunijiban の精度

読み込んだ Kunijiban のボーリング位置をチェックしました。
http://www.kunijiban.pwri.go.jp/jp/

位置は地図で緯度・経度を読んでいたり、BL変換で算出していたり、GPS を利用したり様々でしょうが、基本、ずれていると思います。程度は分かりませんが。
そこで、ボーリングデータベースを扱っている後輩に、Kunijiban の精度について、なにか情報はないか聞いてみました。
精度については分かりませんでしたが、どうやら昔、CSV などで提出していたデータをXMLに変換し、登録しいるようです。そういえば、JACIC?でしたか、どこかにFD 提出していましたね。あの頃は2万5千図で読んでいたような気がします。昔のボーリング位置はその程度の精度だと考えれば良いのでしょうね。source は全地連↓
http://www.geocenter.jp/sikaku/docs/geoinfo120329.pdf

アナログのボーリングデータ(100本もありました)を照らし合わせてみると、35本はKunijibanに入力されていました。詳細な位置図をCAD上で張り付けて位置を確認すると、やはりずれています。しかも想像以上に。一番誤差の小さいもので20m、大きいもので200mずれていました(これは緯度経度の読み間違いでしょうね)。しかも、1本は誤ったデータが登録されていました。
結局、全ての位置をCAD上で修正しました。
 
Kunijiban とアナログデータの照合、位置修正、岩盤まで到達しているアナログデータの入力、岩盤サーフェスの作成といった、昨日のリカバリー +αで1日終わりました。アナログデータがないものは、位置の確認ができないため、利用するのが怖いですね。玉石混合のデータベースは使い道に迷います。ま、データを手打ちする必要がなかっただけでも良しとしましょう。


2012年5月9日水曜日

GEORAMA2012 でボーリング読み込み

Civil3D2012 + GEORAMA2012 で数値計算用のベースマップを作っています。

地表は基盤地図情報の5mメッシュです。これ、ありがたいですね。重宝しています。
ボーリングは Kunijiban から約40本 DL し、GEORAMA で読み込みました。続いてお借りした電子納品CDからもXML 読み込み。それぞれが座標を持っていますので、図面に座標系を設定しておけば、読み込んだデータは自動でプロットされます。Civil3D、偉い。ありがたいです。

そのままでは柱状図の土質・地質の表記がばらばらなので、色を統一することにしました。これは見た目だけなので、サーフェスを作る上で必要な作業ではありません。ただ、盛土・粘土・砂・礫・岩盤程度で色分けしておけば、3Dや2D(断面)で柱状図を表示した際に、どこに透水性の低い(あるいは高い)部分が多いのか理解しやすいと思います。また、境界面の推定結果もチェックしやすくなります。

その後、それらを使用して岩盤上面のサーフェスを作成。山の起伏がある場合はMVSやMicroAVS、Surferよりこちらの方が早いと思います。案外、ボーリングで境界面を指定するだけで、下手に断面上に境界線を書かない方が満足できる結果を返してくれますね。残念ながら私の脳は2D仕様のようです。

移流分散ですので、とりあえずここまで。水の入れ物はできました。この程度の本数であればデータの用意から3次元サーフェス作成まで1日あれば充分ですね。GEORAMA 様々。これで安定性が増せば言うことないのですが(今日もボーリング削除中にエラーがかかり、データが一度壊れました)。

これ以降、アナログの柱状図を50本以上追加しないといけません。これはどうしようもないです。また、山のような透水試験結果も残っています。この辺は MVS や AVS の得意とするところでしょう。

さあ、ここから先はどのソフトを、どのタイミングで、どう使って作業しましょうか?




2012年5月7日月曜日

G0 の補正

BE試験についてUPした際、設計者より「現位置のS波と供試体のS波を比較することにより、せん断剛性を補正するルーチンがある」と聞いていたことが頭に引っかかっていました。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html

吉田望「地盤の応答解析」に似たような補正の話が載っていたと思い、見直したところ、ありました。65ページより、「試料採取時や試験時の乱れ」として説明があります。現位置の G0F と室内試験の G0L を使って補正をするのが「実務で一般的に行われている方法」だそうです。なるほど。

付箋を貼っていながら、詳細を忘れかけていました。やはり、日常扱わないと死んだ知識になってしまいます。

動解、液状化、今年は少しずつでも装備して行きたいですね。

2012年5月6日日曜日

昔の浸透流解析

この休みの間に、過去の報告書を読んでいました。

およそ40年以上遡る事業であり、他社さんの報告書が山ほどあります。それらを頭に入れて、休み明けには調査計画を立案・提案しないといけません。
とはいうものの、近年のものから1日2冊程度しか読めませんでしたが。

今回、浸透流と移流分散を行う予定なのですが、前者は過去に何度も実施されていました。
さすがに、昔のものは2次元が多く、3次元で詳細というのは無いようです。が、本質は変わっていません。何十年も前からある技術なのです。変わったのはPCの発達に伴うモデルの大きさでしょうか?

最終の調査結果をみると、残念ながら透水係数の分布と土層区分があっていません。移流分散に使うパラメーターも取られていませんし、提案すらされていません。水理地質構造といいながら、計算に手を動かしたことのない地質屋さんが、業務管理されたのだと思います。
その点、昔の報告書の方が、はるかにセンスの良い場合もありました。浸透流のモデル規模は小さいのですが、パラメーターの決定に至る調査結果の解釈のセンスが良いのです。

現在のお客様だけでなく、何十年か後、報告書を見た技術者にも合格点を出してもらえるよう、手を動かし続ける必要があるようです。

2012年5月5日土曜日

河川堤防の構造検討の手引き

「河川堤防の構造検討の手引き」が2月に部分改定されています。

財団法人 国土技術研究センター
http://www.jice.or.jp/siryo/t1/201202090.html

設計者から指摘されるまで気づきませんでした。

早速内容を確認しましたが、安定計算に用いる土質定数・土質試験の方法に関して変更がなされています。改定前はUU、CUのみでしたが、今回、CUB、CDも追加されました。
これ、過去に実施された堤防詳細点検で問題になっていた箇所です。といっても、大手コンサルの技術者の多くはUU、CU、CUBの3種を用いた統一した考え方で全国の1級河川を点検していきましたので、改定は実情の後追いといった形になっています。

当時、私はCU試験が基準に載っていた背景についてかなり考えましたが、結論は出ませんでした。まあ、今回の改定を見る限り、それほど深い意味はなかったようですね。安定計算式も分子のみの修正ですので、こちらの基準はあまり深く考えず、さらっと流すのが良いのでしょう。

基準にも色々ありますね。



2012年5月3日木曜日

H24 道路橋示方書

H24道路橋示方書・同解説が手元にやって来ました。

以前、社内の道示執筆者、委員の方主催の勉強会があり、変更のポイントを御教示頂きました。橋梁設計者だけではなく、多くの部署の方が参加していました。皆、関心があるのでしょう、質疑応答も活発でした。

基本的には10年間で多かった失敗や被災事例、東北地方太平洋沖地震などをカバーしようと、現状のスペックを増強・改変したようです。新しい章も設けられていました。こうやって色々付け加わっていくのでしょう。

調査に関する直接的な記載の変更点は少なかった(もともと少ない)のですが、設計に関わる記載を踏まえると、いくつか押さえておくべきポイントがありました。解釈に苦しむ点もあり委員の方に問い合わせたこともありましたが、結論として具体的な実施方針は大きく変わらないようです。

まあ、どのような問題があって改訂されたのかを念頭に置いておけば、調査漏れはある程度防げるでしょう。基準は背景を読むというのが重要なのでしょうね。

2012年5月2日水曜日

ベンダーエレメント試験

ベンダーエレメント(BE)試験は、GSサンプリングと違う意味でレアです。

こちらは研究分野で使用されていますが、実務ではまだ浸透していません。私は雑誌で読んだことしかなく、詳細やノウハウは全く知らないレベル。

これも、実施中の先輩に確認しました。

聞いたところ、近隣の民間施設には試験機がなく、大学で実施しているとのこと。しかも、よく聞けばBEとは異なる手法でS波を測定していました。研究レベルであり実績や再現性の面で更なる検証が必要と思われますが、現実論としてはこれ以外選択の余地がないようです。
結局、大学での手法で計画。先輩にお願いすることにしました。現場ではPS検層(サスペンション)も提案します。

動解の中身について確認すると、現位置のS波と供試体のS波を比較することにより、せん断剛性を補正するルーチンがあるとのこと。それを使う必要性を感じたのは、過去の繰り返し三軸の結果から。乱れの影響で低い値しか出ず、せっかく高価な試験をしても使い物にならない結果だったそうです。補正すればきちんと載ってくる?(この辺、まだ知識がありません)らしく、提案したいということでした。

設計者によってはN値のみでOKという方もいらっしゃれば、やるならPSからBEまでやらないと意味がないといった今回のような方もいらっしゃいます。
個人的には所詮解析、されど解析程度に思っていますので、正解でなくても、より良い結果が得られるなら、試験をした方が良いと考えます。

この分野、まだまだ学ぶべきことがありそうです。