HPによると、以下の通りだそうです。
今回の改訂では,①国際整合化,②土と岩の試験方法の統一,③実務や最新の知見への適合を基本方針として,「土」に加えて「岩」や「環境化学分析」の基準や調査法を大幅に増やしたことや,ISOの進捗や技術の進歩に合わせた規格・基準および解説の見直しが図られました。送付されてきた講習会の案内では、②の代表?として孔内水平載荷試験が挙げられていました。
ですが、この孔内水平載荷試験(改訂でプレッシャーメータ試験と呼び名が変わりました)の基準は以前よりも不明瞭になっています。以前は、岩盤は理論式、土砂は経験式で変形特性を求めるといった住み分けがありました。が、それがなくなりました。で、整理すると以下の通り(ジャッキタイプの基準は除く)。
基準
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参考基準
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適用
|
算定式
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変形特性
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JGS
1531-2012 |
ISO 2276-4
(3室型) |
プレ
ボーリング
1, 3室型 |
経験式 (乱れや緩みの影響が大きい)
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変形係数E
(指標値) |
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JGS
3531-2012 |
ISO 2276-5
(1室型) |
理論式 (孔壁の乱れと応力開放による緩みの影響を最小限にした理想的な条件下で実施される)
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ヤング率E
(物性値) |
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セルフ
ボーリング
1室型 |
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p663
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p686
「差は顕著でなく実務上の問題は少ない」 |
LLTやELASTはプレの1室型ですが、どちらの基準を選択すべきでしょうか?
1室と3室で基準を選択するわけではありません。プレボーリングかセルフで選択するわけでもありません。同じ孔で計測した結果に対し、数値計算には理論式で、従来の設計利用には経験式で評価、というわけでもなさそうです。孔壁の乱れによって式を使い分けるのでしょうか?しかし、乱れや緩みの影響がある場合(変形係数E)とない場合(理想的な場合、ヤング率E)に、差が顕著でないというのはどういう意図でしょうか?
1室と3室で基準を選択するわけではありません。プレボーリングかセルフで選択するわけでもありません。同じ孔で計測した結果に対し、数値計算には理論式で、従来の設計利用には経験式で評価、というわけでもなさそうです。孔壁の乱れによって式を使い分けるのでしょうか?しかし、乱れや緩みの影響がある場合(変形係数E)とない場合(理想的な場合、ヤング率E)に、差が顕著でないというのはどういう意図でしょうか?
結局、変形係数Eとヤング率Eによる「差は顕著でなく実務上の問題は少ない」のであれば、理論式に統一してしまえば良かったと思うのですが。ま、経験的手法で成り立っている設計法・構造物が山のようにあるので、理論式への完全移行は抵抗があったのでしょうね。次回の改訂への布石かもしれません。
残念ながら、結局はよく分かりません。「差は顕著でなく実務上の問題は少ない」ので今までどおり、というのが実務側での主流になりそうです。
もう少し読んでみましょう。
「その2」へ続く。
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