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2021年1月18日月曜日

地形の曲率

西田ほか「数値地形モデルに基づく地震時山腹崩壊斜面の地形解析」1997

いくつかの国総研資料にて、この文献による「平均曲率」が利用されています。文献でいう4方向ラプラシアンでは斜度により数値が変化するため、変化しない平均曲率が良いとのことでした。

式自体は汎用ソフトに実装されている式と似ています。が、5mDEMの利用で計算メッシュの距離を10m~50m とすると、カーネルが 3x3 では収まりません。これ、GISソフトで対応しているものがないのでは?

まず、ArcGIS。この文献で否定されている式のみの実装なのでダメですね。
SAGA には複数の曲率計算方法が実装されていますが、該当するものはないようです。
https://sourceforge.net/p/saga-gis/code/ci/master/tree/saga-gis/src/tools/terrain_analysis/ta_morphometry/Morphometry.cpp
GISではないものの、Surfer にもいくつか曲率の計算が実装されています。ウェーブレットで9x9のユーザー定義フィルターを使えましたので、もしかするとできるのかもしれません。が、手元になかったので確認できませんでした。
http://surferhelp.goldensoftware.com/gridops/profile_curvature.htm

数字の並びにフィルタをかけていくのは画像処理と同じ作業です。OpenCV であれば、どのような間隔・カーネルでも対応可能です(しかも計算が速い)。いつもの Python だと、手順は以下の通りです。

1. GDAL で GeoTIFF 読み込み
2. NumPy でカーネル作成
3. OpenCV で 2D フィルタをかけて ∂h/∂x ほかを計算
4. H を計算
5. GDAL で GeoTIFF 書き出し

簡単、と思って手を動かし始めたのですが、詰まりました。
いえ、すべて正しく組めて速く走るのですが、できた GeoTIFF を ArcGIS や QGIS に読み込ませると最大・最小の表示が狂います(値自体は正しく読み込まれています)。
一晩考えたものの、原因を特定できませんでした。

今朝、同じ問題で悩まれていた方を発見。これは知りませんでした。
https://gis.stackexchange.com/questions/29064/how-to-get-gdal-to-create-statistics-for-gtiff-in-python

6. 統計量を XNL で出力

最後にこの手順を加えると、あっさり解決。
今まで Geopandas では対応できないラスターの読み書きを避けていましたので、付けが回ってきたのでしょう。

やはり、手を動かすと、何かしらの発見があるものです。

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20220731追記

ArcGIS Pro の エクステンションに追加されたようです。
https://pro.arcgis.com/ja/pro-app/2.8/tool-reference/spatial-analyst/surface-parameters.htm

平均曲率は Minár(2020)とされていますが、その文献の参照先は Gauss(1828)になっていました。

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20220802追記
ラスターでもフィルタの距離を指定できました。
計算結果は±を逆転しても一致しません。

「ローカルサーフェスタイプ」を指定して、サーフェスを作成してから、正規傾斜ライン?=コンター直交方向と接線方向を求めXY軸に定めているようです。谷底ではどうなるのでしょうか。

 

2020年2月9日日曜日

文献整理

たまった文献の整理。
気になったものだけメモ( ..)φ

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林ほか「土砂災害に関する大雨の豪雨度と崩壊個数の関係」
砂防学会誌, 72(2019)4,345
広島県呉市
大災害後4年、小災害(1か月複数回)の影響(災害発生数の低下)を除けば、年間崩壊個所数は豪雨度^4.3に比例

菊地ほか「平成23年台風12号における崩壊・非崩壊地に関する地形的特徴の検証」
日本地すべり学会誌,56 巻 (2019) 4 号
深層崩壊あり、なし観点から地形を区分。区分表では代表例を示す。

壱岐「航空レーザ測探機による沿岸の測量」
地質と調査, 2019,2,154
水深10m

国総研資料第686号
「山地河道における流砂水文観測の手引き(案)」
濁度計
ハイドロフォン
国総研作成の流砂量変換プログラム
砂面計
p14【参 考】濁度計の出力値と浮遊砂の容積濃度の関係式
濁度計の出力値(V)から浮遊砂の容積土砂濃度(C)に変換する式は、一般的に次式が用いられる。
C=AV2+BV
ここで、A、B はキャリブレーションで求める係数。
なお、濁度計に付属するキャリブレーション式は、NTU という単位に変換する式が示されている場合が多く、この式は容積土砂濃度への変換には使用できない。
(参考文献)平成16 年新潟県中越地震後における浮遊砂量の観測、小山内信智・水野秀明・清水武志・沖中健起・原槇利幸、国土技術政策総合研究所資料、第278 号 2006

国総研資料1013号
「ソーシャルメディア分析によるリアルタイム災害発生情報検知手法の確立に関する研究」
twitter
→小林ほか「土砂災害情報収集システムにおける発災推定用キーワードの検証」

2019年5月25日土曜日

夫婦岩

三重県伊勢市二見町の夫婦岩。

若干の補強が加えられており、地質の視点では違和感を拭えません。残念。
地質は結晶片岩。遠目では緑色片岩ですね。シームレスV2でも苦鉄質になっています。三波川帯北端に位置していますので、中央構造線はこの付近を通っているのでしょう。


少し離れて、伊勢神宮(外宮)。
亀石も緑色片岩。片理と平行に、板のように敷かれていました。産地は不明。



今回は、紀伊半島を南端から東側を北上し、四万十帯、新第三紀層、熊野酸性岩類、三波川帯を見て上がりました。面白そうな地形・地質が他にもありますね。
ジオパークは三重県を含めないのでしょうか?各観光地もジオパーク絡みのおまけコースにしたら面白そうですが。

2019年5月24日金曜日

鬼ヶ城

三重県熊野市の鬼ヶ城。

巨大なノッチ。
http://www.gsi.go.jp/kikaku/tenkei_umi.html#ノッチ


遊歩道より高い位置にノッチがあります。現在の海岸線から見ると、かなり隆起しています。何年かかればここまで隆起するのでしょう?
昔は地形なりに遊歩道をとりまわしていたようですが、現在はトンネルで貫かれています。岩盤に階段掘ったり、力技ですね。

亀裂が少ない砂岩だなあと思っていましたが、違いました。
現地説明では石英粗面岩、地質図や文献でも熊野酸性岩類(火砕岩)に分類されています。

安全確認どうしているのだろう、難しいだろうなあと思いつつ、次の場所へ。

2019年5月23日木曜日

那智の滝

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の那智大滝(一の滝)。

ブラタモリで見ましたが、差別浸食とのこと。


地質図で見ると、見事に地質境界。
熊野酸性岩類と新第三系(熊野層群最上部層)の境界に位置していました。

この熊野酸性岩類、シームレスV2で花崗岩に変更されています。V1含め、それ以前は花崗斑岩でした(ブラタモリでは流紋岩でしたが)。以前、少し困ったことがあったので、機会があれば確かめたいなあと考えていたのですが、近づけませんでした。

またの機会に。


2019年5月22日水曜日

橋杭岩

和歌山県串本町の橋杭岩です。

最南端の潮岬の近く、串本町にある差別浸食による地形です。

岩脈が泥岩を貫いています。
四万十帯にしては亀裂が少ない泥岩だなあと感じていたのですが、後で調べてみると新第三紀の熊野層群でした。スレーキングしやすく柔らかそうな見た目で、しっくりきます(場所や成因には違和感がありますが)。

岩脈のふち(根本)には、泥岩が見えます。差別浸食に加え、泥岩を取り込んだ岩脈縁辺部が、まだ残っているのでしょうね。

岩脈は白っぽいものと褐色の物があります。風化の差でしょうか?近づかなかったので詳細はわかりませんが、道の駅内の説明では流紋岩とありました。地質図や説明書ではデイサイトになっています。https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_11109_1965_D.pdf

陸側に転がっている石では花崗斑岩と思っていました。

この転がっている多数の巨石、津波で流された「津波石」と呼ばれているようです。周りは泥岩なので、岩脈の位置から流されたと考えられます。地元のおじいさんも「子供のころから橋杭岩の形は変わっていない」 とおっしゃっていたので、自然現象であれば海溝型地震+津波しか選択肢がないのかもしれません。
https://www.gsj.jp/data/gcn/gsj_cn_vol2.no7_201-204.pdf
これらは直径1mを下回る小さな漂礫を除き,台風時の高潮などではほとんど移動していない.また聞き取り調査等から1946年昭和南海地 震時の津波でも大きな変化は確認されていないため,ほとんどの漂礫は昭和の津波よりも大きな規模の津波によって運ばれたと考えている.いくつかの漂礫にはヤッコカンザシ等の生物遺骸が固着しており,その14C年代から漂礫の 移動時期を推定したところ,12~14世紀と17~18世紀の2つの時期であることが明らかになった(宍倉ほか,2011).両者の間隔は400~600年で,特に後者は1707 年宝永地震に対比できる.すなわち漂礫は宝永地震クラスの津波時に移動し,それは400~600年間隔である可能性が指摘できる.
想像だけでなく、UAV+SfM でモデル作成後、SPH+DEM 等で検証してみたいですね。引き波はそれほど影響ないのでしょうか?本当に津波だけで再現できるのでしょうか?
潮岬にジオパークセンターを建設中でした。7月下旬にオープン予定とのこと。何らかの検証結果も入れてほしいところです。

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20190523追記
和歌山県の動画では、津波で石の転がるべき方向が異なるように見えます。地震で落ちた石が津波で陸側に流されたと考えるべきでしょうか。ますます、検証が見たくなりました。
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/011400/bousai/shinsui/trough/nk_cg.html


20190524追記
淡路島の野島断層保存館へ行きました。
そこで、和歌山県作成の津波再現CGが流れていました。よく見ると、橋杭岩。
探してみると、コレでした。
http://www.wakayama-u.ac.jp/disaster/achievement/document/tsunami_cg.html#3d
串本へ真東からくる津波。東海地震を想定でしょうか?このシミュ結果なら、津波で石の転がる方向はあっていますね。

串本海岸

紀伊半島を1周してきました。

まずは串本海岸。
田子駅の近くです。波食棚が広がっています。広いですね。地質は泥岩かな?四万十帯です。
http://www.gsi.go.jp/kikaku/tenkei_umi.html#波食棚

遠くには海岸段丘が見えます。いちばん奥にボヤっと見えているのが潮岬。
http://web.wakayama-u.ac.jp/~egusa/s094.html

シームレスV2によると、地質は四万十帯の崩壊堆積物となっています。
南紀熊野ジオパークでは、「サラシ首層」として紹介されていました。
https://nankikumanogeo.jp/geosite/kushimoto/

田子浦の波食棚上には、あたかも”さらし首”のように巨礫が散在します。かつて海底土石流によって形成された巨礫を含むこの泥岩層は、サラシ首層と呼ばれています。付加体(牟婁層群)で出来た大陸斜面が崩壊して海底土石流が発生し、牟婁層群で出来た大陸斜面上に堆積したとされています。

2017年9月3日日曜日

地理院タイル

地理院タイルを利用できるソフトが増えてきました。

老舗のカシミール、新しいところではInfraworksでしょうか。GIS関連も数年前から対応してきています。地理院地図パートナーネットワークでは、多くの企業が地理院地図やタイルに対応したソフトの開発状況を報告しています。
http://ccpn.gsi.go.jp/

ただ、表示だけは簡単なのでしょうが、さらなる機能を有しているものは、まだ多くありません。例えば、表示域に該当するタイルだけを選択・表示してくれるとか、オフライン用に保存しておいてくれるとか。基本、WMTS なのでオンラインが前提なのですよね。

地理院だけでなく、他の機関も WMS, WMTS に対応したデータを公開しつつあるようです。おそらく、web に載せて公開したうえで、一般も利用できるように情報提供しているのでしょう。個人的には、1/5万地質図幅のタイルを早く整備し終わってほしいですね。

今後、利用者が増えると、ユーザビリティ向上や3次元表示の段階へ進むでしょう。1つのソフトやサービスで手軽に目的を実現できるよう、メーカーの技術開発に期待したいと思います。

2016年2月27日土曜日

琉球石灰岩と地下水

最近、「ブラタモリ」を見るようになりました。
http://www.nhk.or.jp/buratamori/index.html

タモリさんが全国を散歩しながら、その土地の文化や歴史などに触れる番組です。最近は、地形・地質・地下水の話が毎回入っており、歴史上の人物や町のつくり方などとの関係を紹介されています。

今日は沖縄・首里でした。
首里城へは行ったことがないのですが、あのような高い位置にあったのですね。地質は透水性の低い島尻泥岩の上に透水性の高い琉球石灰岩が載っている構造だそうです。その境界から地下水が湧水している状況を分かりやすく説明されていました。

島尻泥岩・琉球石灰岩と聞いて思い出したのが宮古島。地下水の受け皿(地下水盆の底)になっています。地下ダムの建設でも有名です。
http://www.maff.go.jp/j/nousin/noukan/tisitu/t_tikasui2/index.html
以前、水収支の関係で浸透流をかけたことがあるのですが、すっかり忘れていました。本島にも分布し、しかもあのような高い位置に分布しているのですね。


首里城から町に降りて井戸の中を覗いた映像にも驚きました。
井戸の中を地下水が流れています!
ま、石灰岩ですし、宮古島の崖からも流れ出てますので当たり前なのでしょうけど、絵的にプチ衝撃でした。浸透流かけたときには(スケールが異なったこともありますが)、ココまでイメージできていませんでしたね。ちょっと反省。
でも、昔の人はどうやって水脈を追って井戸を作っていったのでしょうか?現代のような探査機器はないですし、棒を叩き込んで耳をあてて音でも聞いたのでしょうか?やみくもに掘ったのでしょうか?死活問題ですから鍛えられたのでしょうねえ。水脈探しの効率的な技が残っているのなら、拝聴したいものです。

地形・地質・地下水、昔の方はうまく利用されています。残念ながらその知恵のいくつかは失われているのでしょう。
このような内容を紹介される番組はレアですし、仕事とは異なった目線で純粋に楽しめます。続いている間は見たいと思います。

2015年8月18日火曜日

地形・地質情報の表示

大局的な地形・地質情報を見るのに、データの重ね合わせや可視化は有効な手段です。

最近は多くのソフトで可視化が可能となっていますが、手順・手間は様々です。
私は、Civil3d, Infraworks 360 LT, Google Earth Pro, カシミール, 地質図Navi, ArcGIS などをよく使用しています。

Civil3Dでは、Bing Maps (道路+航空写真)をボタン1つで on•off 可能です。測地系の設定ができますので、基盤地図情報や Open Street Map などから切り出したSHPファイルを指定すれば、写真や、地図に重なって表示されます。ただし、これらを3次元でグリグリ回すのは難しいでしょうか?
グリグリ回すには 5mDEM 等を取り込んでサーフェスを作る必要があります。が、海域などを含んでいると、その部分のTINを消去しないといけないため、手間がかかります。
ただし、現場スケールでは、現段階で必需品となっています。

Infraworks ではモデルビルダーで簡単に3次元可視化できるのですが、LT版には付属していません(モデルビルダーの精度もイマイチ)。CUG の HP でアナウンスのあるビルダーデータ収集プログラムも、GeoTiffなどに変換してくれない場合があります(海域がダメ?)。地形に関しては基盤地図情報を ArcGIS で GeoTiff に変換し取り込むのがベストだと思います。取り込んでしまえばグリグリ回せます。
現場スケールで Civil のデータがあれば、その後の可視化(データ取り込み)は専門技術を必要としないため、お手軽です。

3次元表示で手軽なのが Google Earth。デフォルトの標高データは粗いですが、広域なら問題ありません。少なくとも、写真と DEM の準備が必要なくなります。KML に加え Pro 版では SHP を読み込めますので、上記の細かい水系や道路、シームレス地質図などを重ねて立体表示できます。グリグリも問題ありません。広域を見たい場合は、これが楽でしょうね。ただし、重いデータは表示できず、落ちてしまう難点があります。また、WMS にも対応していますが、一部の透過がうまく表示されない問題も残っています(残念)。

カシミールはかなり昔から使用しています。最近は他のソフトを利用することが多く、利用は減ってきました。
主にGPSトラックの取り込みと踏査写真のプロット等に利用しています。また、空中写真の年代別表示が非常に手軽です。Google Earth よりも、昔の写真に対応しています。

地質図Navi はかなり優秀です。
シームレス地質図のみならず、各種 WMS (地すべり分布図、活断層分布図、水理地質図など)をデフォルトで有していますので、一通りの情報を手軽に得られます。
欠点は3次元可視化できないこと。これだけです。非常に惜しいのですが、情報量と手軽さは他を凌駕しています。今後の発展に期待です。

 ArcGIS (ArcMap)もいいですね。インストールしたPCが直近にないので、使用頻度はたと比べて少ないのですが、基盤地図情報を取り込むのはこれが一番手間がかからず綺麗に取り込めます。さすが老舗です。現在、Ver.は10.3です。
SHP取り込みは勿論、それの加工もお手の物。2次元でのデータの重ね合わせや演算に特化しています。
先日知ったのですが、Spatial Analystでは簡単な2次元平面の地下水計算が可能です。ちょっとクセがありますが、流速や粒子追跡、移流分散の表現が可能でした(これはまた、後日)。
欠点は地質図Naviと同じ3次元の概念が薄いこと。グリグリはできません。dwg 読み込み可なのですが、Civilのソリッドも読めません。残念。
余談ですが、サポートがすばらしい。レスポンスは 早いし、内容も丁寧です。


それぞれ、一長一短です。
現段階では、必要なスケールと目的に合わせ、それらを使い分ける必要があります。

2014年4月3日木曜日

メサとビュート

先日、香川県の屋島に行きました。

昔、一目見たときから変な地形だと気にしつつ、今まで訪れたことはありませんでした

地理院地図3DのHPでも、おすすめの場所として紹介されています。

■その他の地形
┣ メサ
http://cyberjapandata.gsi.go.jp/3d/gallery2/index.html


wikiより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%B5
メサ (mesa) は、差別侵食によって形成されたテーブル状の台地のことで卓状台地と呼ばれている。さらに浸食が進み孤立丘となったものはビュート (butte) と呼ばれる。
南嶺から北嶺を見ると、このような感じです。



地学を始めた頃でしょうか、習いましたね。メサだそうです。英語だとメイサに聞こえます。スペイン語で「テーブル」を意味するのは知りませんでした。
鈴木隆介「建設技術者のための地形図読図入門」では、集団移動地形の章で紹介されています。下部の崖錐斜面に着目して解説されていますが、よくわかりますね。


東を望むと、五剣山があります。ビュートでしょうか?これも近づきたくなる面白い地形です。
讃岐富士はビュートでOK(上記の本でもビュートとして紹介されています)。こちらも地理院から紹介されています。3Dで見ると綺麗ですね。

■その他の地形
┣ ビュート
http://cyberjapandata.gsi.go.jp/3d/gallery2/index.html


屋島の場合(讃岐富士もそうですが)、白亜紀の花崗岩の上に、中新世の安山岩(溶岩?火砕岩?)が載っているようです。以前より香川大の長谷川先生が講演されていることは聞いていましたが、じっくり読んだことはありませんでした。高松市より、詳細な内容が公開されています。
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/file/20736_L87_2-1.pdf

百聞は一見に如かず、一度見ておけば忘れないでしょう。



2014年3月21日金曜日

国土地理院+3D

西之島で魅せてくれた地理院さん、今度は3Dプリンター用の地形データ提供開始です。
http://cyberjapandata.gsi.go.jp/3d/

昨日公開されたばかりですが、かなり人気のようです。
現段階では地図画像+10mメッシュのみですが、見たい場所を選び、ボタンを押すだけで、WebGL、STL、VRML データを作成・閲覧・DL できるようです。お手軽です。私が試したときは簡単に可視化できたものの、夜中なのに DL できませんでした。地形ファンが殺到しているのでしょうね?5DEM祭り以来です。

個人的には、地形の3Dよりも、それをWebで提供する技術と姿勢に感心しました。本気ですね、地理院さん。
あと、3D プリンターを使ったことがないので、VRML でカラープリントできることを知りませんでした。VRML、まだ現役なんですね。この形式なら、対策工や計画、地質分布など、いくらでも作れますので、今後提案しても良いでしょう。

地理院さんが一般ユーザーを呼び込み、結果、フルカラー3Dプリントの敷居が下がれば良いですね。知識だけは取り入れておく必要がありそうです。

2013年11月24日日曜日

DEM と DTM

国土地理院さんが基盤地図情報を更新されています。

先日のUPで、さらに LP ベースの 5DEM が追加されています。以前、写真測量ベースのDEMしかなかった箇所も整備されていました。いいですね。

そういえば、「DEM と DTM の違いは?」と聞かれたことがります。個人的には、グリッドデータになっているものが DEM という解釈をしていましたが、正確には答えられませんでした。同じ解釈をしている方もいらっしゃいますが、そうでもない解説もあります。
http://gis.stackexchange.com/questions/5701/what-is-the-difference-between-dem-dsm-and-dtm
DTM: bare-earth representation with irregular spaces between points (non-raster).
DEM: gridded raster representation of the DTM.

国土地理院さんの解説では「同義」と解釈してもよさそうです。
http://www1.gsi.go.jp/geowww/Laser_HP/faq07.html
DEMに類似する用語にDTM(Digital Terrain Model)という略語があり、日本語では数値地形モデルといいます。これら2つの言葉は異なる語源からなりますが、同義語として扱われる場合が多く、一般に「DEM」が使われる場合が多いようです。

国土地理院さんの動きを見る限り、取り急ぎ、全国整備が目標なのかと思われます。
今後は時系列で整備していただくと、より便利になりますね。どの地域に何年のLPがあるのか分かれば、崩壊前後のデータがあるのか、すぐに判断できます。
今後に期待です。

2012年9月20日木曜日

「しなの」の車窓

長野市で地下水学会主催の講習会があり、参加していました。

長野市には初めて行ったのですが、遠かった。名古屋から3時間。ロクに調べもせずワイドビュー「しなの」に乗り、車中で遠いことに気づきました。ワタシ的には、ほぼ新潟。氷点下が年100日あるそうです。滞在中は暑かったけど。

車窓が良かったです。仕事をしながらでしたので、時々眺めていた程度ですが、新鮮でしたね。
基本的にいつ顔をあげても山が連続。高いけど、案外緩い。30度程度に見える所もあります。長野のイメージと違いますね。

途中、姨捨駅(名前が凄い。姥捨て山のお話しの舞台?)で「3大車窓の一つ」とアナウンスがありました。遠くに見える山と千曲川、平野のコントラスト。土石流堆積物なのか地すべりなのか分かりませんが、棚田が平野へ向かって連続。田植えのころ、月が映えるようで有名だそうです。帰りに3分ほど止まったので、ラッキーでした。

木曽川の渓谷もすばらしい。河床に違和感満載の地形がありました。個人的には一番のヒット。変わった地形だなあと後で調べてみると、寝覚の床(ねざめのとこ)と呼ばれる、名勝のようです(場所が合っていれば)。Wikiの説明を読んでなるほど。

うーん。下調べをせずに通過したのはもったいなかったかな。
次は巡検か観光で行きたいですね。

講習会については、また後日。

2012年6月27日水曜日

電子国土賞

国土地理院から第1回電子国土賞が発表されています。
http://psgsv.gsi.go.jp/koukyou/G-award/index.html

国土地理院の各種公開データを活用するソフトを表彰する制度だそうです。

受賞作のカシミール3D は15、6年前より使っていますが、メジャーになりましたね。当時は鳥瞰図を作って眺めるだけでも楽しいものでした。地形を表現するソフトはそれほど多くなかったと思いますが、個々の個性が光っていたように思います。Mac版のソフトもよく利用していましたね。Niftyには山と地図のフォーラムがあり、そこからは地形関連ソフト集の解説本も発売されました。

しかし、それらの進化には驚きです。
特にカシミール。今ではオンラインが前提の環境になりましたので、どこからでも電子国土のデータを意識することなく閲覧できます。全国の地形図(ウォッちず)はもちろん、過去の空中写真をボタン一つでシームレスに見ることができます。これは非常に使い勝手が良く、頻繁に利用しているプラグイン機能です。当たりでしたね。
このソフトは環境の変化に即時対応している感があります。そのあたりが受賞の一因ではないでしょうか。

後輩が使用している FieldAccess も見せてもらいましたが、使い勝手が良さそうでした。GPSトラックも書き出せます。今のところ、電子国土を参照できるモバイルアプリはこれだけでしょう。

第2回に向けて、新しいソフトが出てくるのでしょうね。 特にモバイル。期待しています。

2012年1月4日水曜日

空中写真の立体視

この休みに空中写真判読を復習しておこうと思い、図書館で2冊の本を借りていました。

2冊とも、空中写真と判読結果、解説が載っています。その内、私のレベルに合ったのは、次の1冊です。
大八木規夫「地すべり地形の判読法」近未来社
まだ最初の方しか読んでいませんが、このまま読み進めて気に入れば購入し、実際に手を動かして判読結果を比較しようと思っています。

空中写真は立体視できるように2枚配置されています。平行法です。
個人的に裸眼では交差法の方がやり易く、平行法は少し時間がかかります。
解説を読んで、写真を立体視で確認し、また解説を読んで・・・を繰り返すと、そのたびに立体視に時間がかかって先に進みません。

仕方ないので、簡易ビューアーを近くで販売していないかネットで探していると、老眼鏡を代用している方の記事が眼に止まりました。眼から少し離した老眼鏡を通し、ステレオ写真を見るのです。
半信半疑でしたが、早速、100円ショップに行きました。少し小さめで、+3.5の老眼鏡を購入。帰宅後に写真見てみました。

最初は駄目でしたが、10分ほどの試行錯誤でコツをつかみ、鼻の頭に載せた老眼鏡からすぐに立体視できるようになりました。上下に動かしても立体視は崩れません。試しに老眼鏡なしでも見てみましたが、やはり時間がかかります。これは、なかなか良いアイテムです。
私の場合、右目の視力が極端に悪いので、老眼鏡を手で持って写真に近付けた方が見やすいのですが、それだと視野が狭くなります。右目の画像がぼやけても立体視できれば綺麗な像(左目は普通に見えます)になりますし、鼻の頭に載せた方が視野も広く、両手も空きます。解説を読みながら確認するにはこれが良いですね。


ちなみに、YouTubeは3D対応済みですし、それらのソースをを表示するための3次元ディスプレーも販売されています。中には裸眼で見るために工夫されたディスプレーもあります。
今後は空中写真も大きなディスプレーで表示し、それを裸眼で見ながら直接判読し、ソフト上で書き込んで行くようになるんでしょうね。

2011年12月26日月曜日

地形判読

「深いすべりが調査前に分かるか?」という疑問に対し、いろいろ意見を頂きました。

個人的な経験上、多くは10~30m、深くても50m程度にすべり層が出てきます。
が、それよりも深い70m、80mなどのすべりの存在が調査前に分かるか?それらに対し調査計画を立てることができるか?という点についての意見です。

「現在の技術水準で分からないという方が困難」など、多くの思想が聞けました。

個人的には、深いものに対し調査計画を提案する自信がありません(変状が明瞭であれば提案しますが)。対策も思い浮かびません。しかし、今までに深いすべりを経験して来られた方は、自信を持って提案されるようですし、調査のノウハウもあるようです。やはり、地すべりは①地形判読を行って規模を推定し、②そこを実際に歩いて変状や範囲を確かめ、③調査計画を立てる、という順序と、今までの経験が重要なのでしょう。

この中で、再度思ったのが地形判読の重要性。
一番最初に行うわけで、地すべりの規模が大きいほど、ミスリードの影響が後工程に大きくのしかかります。いくら高価なLPの取得や地形判読のための様々な図面を作っても、技術者の判読力が低ければ価値がありません。

時代は変わったようで、変わっていないと思います。
地形判読に関するツールは増え、新たな資格も作るようですが、本質はそこにないと思われます。

もう一度、基本に戻って、地すべりも含めた地形判読の復習をしておく必要があります。

2011年11月5日土曜日

中央構造線沿いの地形

今週末は天竜川の上流で調査をしておりました。

天竜川沿いに、助手席から景色を見ながら進んでいると、どこかで見たような地形・地質が。

「あ、四国に似ている。」
天竜川沿いに見える三波皮結晶片岩、急峻な地形、その斜面上の集落、多発する落石・斜面崩壊。非常に良く似ています。隆起量まで調べていませんが、中央構造線沿いはどこも似たような地形発達史を有しているのでしょうか?紀伊半島はどうなんでしょう?
佐久間ダムを通り過ぎると、今度は花崗岩系の石が。でも、パッと見、片麻状組織がありそうです。助手席から見ただけでしたので、後で地質図を調べてみました。領家帯でした。

そういえば、当社の研究職が中央構造線を抜く長尺ボーリングの分析を昨年度行っていましたが、この近くだったような気がします。地形・地質を実際にをみると、コアにも興味がわいてきますね。又機会があれば聞いてみましょう。