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2019年4月23日火曜日

多段階三軸圧縮試験

道路橋示方書や深礎の便覧では、室内岩石試験の実施が推奨されています。

その中で、c・φ を求める手法として、一軸・圧裂・弾性波の組み合わせによる間接的な推定法、多段階三軸による直接的な測定法の2種が紹介されています。

多段階は「直接」と言いながら、破壊前3段階は降伏止まりなので、厳密には異なると思われます(が、感覚的には大した差でないと思っています)。少なくとも、N値からの推定よりは直接的でしょう。

実際の岩盤は亀裂間の充填物、脈が効いてくるので、そこを含む試料で試験をしたいところです。が、そのようなところではコアリング時に分離しやすいので、供試体作成が困難になります。
亀裂の少ない箇所なら供試体を作成しやすいのですが、良すぎると拘束圧下で破壊できない可能性が出てきます。
充填物等を含む箇所でうまく供試体を作成できた場合でも、供試体にかかるせん断応力の最大方向と亀裂の角度がうまく一致しないと、過大に評価される可能性があります。
これらの視点からは、残留段階の整理結果の方が、岩盤のピーク強度に近い気がしています。

N値からの推定だと低すぎる場合があります。過大設計にならないようにするためには試験を実施しておきたいものです。


2017年2月18日土曜日

ひずみ・応力の種類

粒子法のテキストを読んでいると、「相当応力」が出てきました。

破壊基準の種類を学んでいたころに知ったと思います。単純に検討できるよう、一軸引っ張り試験の主応力 σ1 に相当する応力に変換したものだったでしょうか?手元の図書を読み返してみると、ミーゼスのせん断応力√J2に帳尻合わせとして√3をかけたものとされていました。

以前、連続体力学を学んだころ、多様な応力名称が出てきました。これは破壊基準絡みでなく、基準配置・現在配置に関与する応力の命名が多かったように思います。例えば次の通り。
コーシー応力σ:現在配置、真応力
第1ピオラ-キルヒホッフ応力P:ツーポイントテンソル、公称応力
第2ピオラ-キルヒホッフ応力S:基準配置

ひずみに関しても同様でした。
微小変形理論では⊿t が微小であれば変位uも微小で、基準配置と現在配置を区別しなくてよくなる、とのことでした(定ひずみ速度載荷による圧密試験でも、関連した内容が基準書で触れられています)。その場合、有限ひずみ E(ラグランジュ - グリーンのひずみ:基準配置)≒e (オイラー - アルマンジのひずみ:現在配置)≒ε(微小ひずみ、工学ひずみ、公称ひずみ、ビオひずみ、コーシーひずみ)とみなせる、でしたね。
https://phreeqc.blogspot.jp/2011/07/2.html
おおよそ、各ひずみが 10%程度までは、概ねその差が小さいとみなせるようです。(ex.土木学会編「計算力学の常識」p99、地盤工学会「地盤の連続体力学入門講習会テキスト」)
伸び変形1%で各ひずみの差が 2.5%程度、というのも上記リンク(「よくわかる連続体力学ノート」p113)に書き残していました。
いずれも、ひずみの定義による相違といった視点と、材料特性の相違といった視点の2種をもって理解すべきなのでしょう。

土質試験では、1軸や3軸圧縮試験で応力:第1P-K もどき、ひずみ:工学ひずみの組み合わせでしょうか。微小変形を前提とした、公称応力-公称ひずみの組み合わせと解釈したいところですが、ここまでは地盤工学会の基準書に明記されていません。
(港湾関係で「破壊時のひずみが 10%以上は棄却」という慣例は、偶然ですがなんとも都合良いですね。)

一方、圧密試験では、地盤工学会の基準書にひずみの名称・区別が明記されています。こちらは大変形を扱いますので、公称ひずみではなく、自然ひずみと記載されています。1次元圧密で直径が変わらないためか応力に関する注記はありません。が、共に現在配置で真応力-真ひずみをイメージされているのだと思います。
(ちなみに、基準書によればテルツァギーの1次元圧密の式に出てくるεも現在配置の自然ひずみ(真ひずみ)だそうです。)

そうすると、dε=mv ・dσ' などの mv を使う関係は、すべて現在配置:真応力-真ひずみで揃えないといけないのでは?などと思うわけです。

そうすると、土質工学会「地盤工学における数値解析の実務」p118 の図-4.8 に示されているように、E50 から推定した E と、mv から推定した E を同一に扱ってよいのか?という疑問が出てきます。
https://phreeqc.blogspot.jp/2016/07/2.html
以前、講習会で示された圧密試験の例では、公称ひずみと自然ひずみの差が20%程度異なっていました。当然、それから算出する mv、E も20%程度異なっていると考えられます。ま、図4.8では材料のばらつきに埋もれそうですが。

取り留めないの無い話になってしまいましたが、応力・ひずみの定義は種類が多く、まだまだ理解が足りない、具体例ではよくわからない箇所がある、といったところが正直な感想です。

2017年1月31日火曜日

表層部の簡易CU

水底より 2m 程度の薄い飽和粘性土に対し、設計者から簡易CUの実施を求められました。

確かに、砂分を多く含む粘性土ですので一軸だけでは心もとないでしょう。が、難しいでしょう。

層の中心でサンプリングしたとすると、土被り1m、粘性土の飽和単体が16kN/m3とすると、有効土被り圧が6kN/m2になります。拘束圧はその 2/3 で 4kN/m2。小さすぎます。
https://phreeqc.blogspot.jp/2013/11/blog-post_2830.html
https://phreeqc.blogspot.jp/2013/11/2.html

先輩は2mからのサンプルで”厳しいながら”実施したこともあると言われていました。が、それなりの準備をしないと、正しい評価は難しいでしょう。

試験一つにしても、多面的に検討し、提案しないといけません。難しいですね。

2015年3月17日火曜日

有効応力法と全応力法

今月の地盤工学会誌は「ため池・アースダムの耐震」特集でした。

ニューマークD法が紹介されています。今年度より実務で使われるようになりましたが、本格的な利用は来年度以降でしょうか?

読み進める中で、懐かしい言葉が目に入りました。

「圧密時有効応力法」

いわゆる全応力法のことです。雑誌「基礎工」で2002年に連載されていた「基礎の設計-優しい基礎知識」で目にしたのをよく覚えています。当時は容易に理解できず、「どこが優しいの?」と、何度も読み返した記憶があります(今でもすぐに忘れて見返しますが)。筆者は同じ龍岡先生です。

全応力法(一般全応力法、φ=0法など)と有効応力法ですが、実務ではあいまいに用いられていると思われます(情けないですが、私もあいまいに用いています)。が、定義は比較的はっきりしています。以下は三笠の一般全応力法中心の解説ですが、全応力法と有効応力法の違いを知るには参考になると思います。

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/175674
http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lang=jp&type=pdf&id=ART0005447927
http://ci.nii.ac.jp/els/110003334642.pdf
(3つ目の文献で言われる間隙水圧は、せん断時の過剰間隙水圧のことです)


要は、せん断時のダイレイタンシーに伴う過剰間隙水圧usをσ0に加える(σ'=σ0-us=σ-u-us)のが有効応力法、c・φ側に反映して考慮するのが全応力法です。
安定計算で必要なパラメーターは以下の通り異なります。
有効応力法:σ0(=σ-u)、us、c'、φ'
(一般)全応力法:σ0(=σ-u)、ccu、φcu、(cd、φd)

間隙水圧(静水圧)uはどちらも考慮されています。
が、稀に間隙水圧を考慮しない全応力σを使うのが全応力法と言われている技術者もいらっしゃいます。この辺、言葉が紛らわしいですね。全応力法を「圧密時有効応力法」、σ0を「有効な全応力」(usを差し引いていないので有効応力ではない)と先の文献で言われるのは、その辺をはっきりさせるためかもしれません。

有効応力法の場合、破壊時に発生する過剰間隙水圧usを反映しがたいという欠点があります。実際に測定できているのかどうかが分からない(おそらく測定できていない)ということでしょう。そのため、実務上はusを無視し、静水圧を引いたσ0を使用することが多いですね。その影響については2つ目の文献で触れられています。
一方、全応力法ではすべてのパラメーターを測定可能です。が、現場条件や排水条件によって強度が変化しますので、どの土質がどの時点の現場条件(応力状態)が最も危険側になるかを考えて試験を計画する必要があります。一般全応力法はそのようなニーズによって誕生したのでしょう(あいまいに使っているので、偉そうに言える立場ではありませんが)。

続きは後日。





2015年3月8日日曜日

1軸+簡易CU試験の価格

「簡易CU試験の価格を知らないか?」と問い合わせがありました。

話を伺ってみますと、この方が言われる簡易CU試験は、「1軸3供試体+簡易CU1供試体」のことでした。で、調べても単価が載っておらず、わからないとのこと。

この手法は港湾関連でしか実施したことがないのですが、それゆえ単価を気にしたことはありませんでした。見積もりを作成する場合は1軸3供試体+三軸CU1供試体で積み上げていましたが、通常、港湾であればお客様が独自にお持ちですので。

国土交通省では公開されています。
東北地方整備局港湾空港部「建設資材等価格」 26年度上期
¥42,300-
http://www.pa.thr.mlit.go.jp/kakyoin/manual/pdf/H26dshizai-1.pdf

余談ですが、簡易CU試験(CU3供試体)も掲載されていますね。通常のCU試験より安くなっているのはなぜでしょう?


2014年12月10日水曜日

締め固めた土の強度

「締め固めた砂質土の強度を設定するには、どのようにすれば良いの?」
設計者からの質問です。

砂質土(=排水材料)として評価するのであれば、通常の3軸CD試験の実施が多いのではないでしょうか?
その場合、最大乾燥密度の90%で最適含水比付近、もしくはその高含水比側の強度を調べなさい!といわれても、不可となります。三軸で水を回した時点で含水比が変わり一定値となります。最大乾燥密度の90%で規定すれば、供試体作成時の含水比にかかわらず、同じ結果に落ち着くはずです(あくまで理屈では)。

では、なぜ強度試験用の供試体作成時に含水比を指定する基準があるのか?
おそらく、粘性土(=非排水材料)を念頭に置いているのでしょう。
粘性土の場合、締め固めた土の湿潤側で、一軸圧縮強度(非排水強度)が小さくなります。降雨時を考慮した場合、強度低下の恐れがあるため、設計上は安全側の湿潤側の強度が欲しいところなのでしょう。地盤工学会「土の締固め」p13の図2.4.4が分かりやすいと思います(透水係数は逆ですね)。

実務的には、その土や現場が有する特性(排水・非排水、せん断速度など)、適用する計算式によって、割り切って試験を選定すべきなのでしょう。

2014年10月10日金曜日

一軸 or 三軸UU

一軸圧縮試験か、UU 三軸圧縮試験の選定についてです。

一般的には、砂分を多く含む場合や硬質粘性土(クラック型の乱れ)で UU と言われています。が、砂分が何%、あるいはどのように(パイプ状?ブロック状?層状?)含まれていると UU なのか、整理された書き物は見たことがありません(研究成果としてあるのかもしれません)。土を見て、「これはUUじゃないとダメ」などと経験的に判断しているのが現状でしょう。

地盤工学会の基準書では、IP利用の紹介があります。が、ばらついていますよね。
また、砂分を多く含むとサクションが切れて空気が入る → 1軸ではquが小さくなる、といった流れが書かれています。そのような試料で UU を実施すると、空気圧縮による有効応力が加わり、1軸より高く出るとも(これが、UU でφを有する一因。UUは水を回しませんからね)。
先輩は CUU が良いといわれていましたが、掘削の場合は UU を選択するでしょうか?

以下の図書にも記載があります。
現場における地盤調査の基本「ジオテクノート16 現場における地盤調査の基本」p84
①砂分の多い粘性土(中間土)や特に大深度から採取した洪積粘性土
応力開放の影響などにより、qu が過小評価されることとなり、c=qu/2 によりcを設定すると過度に安全側の設計になってしまう。そのため、UU 三軸試験によりcを設定することが基本であるが、現位置の鉛直有効応力に相当する圧力で圧密させたのちに UU 三軸試験を行う CUU 条件での三軸圧縮試験によりcを評価することも行われている。
地盤工学会と同様の内容です(一部引用もあり、当然ですが)。
写真やスケッチが併記してあれば、お客様にも説明しやすいのですが、ないですね。「経験上」は有効ですが、説明する手段としては限りなく非力です(お客様が、関係者に説明し難くなります)。その辺整理されている書物、ないですかね?

2013年11月11日月曜日

三軸圧縮試験の拘束圧 その2

試験機に詳しい先輩に聞いたところ、使用しているロードセルの精度は1/4000。最大荷重は2kN。この値だけであれば、低拘束圧でも大きな問題は生じないように思えます。
が、先輩が言うには、低い荷重領域はやや精度が劣るとのこと。

例えば、直径5cmの供試体に、400N(最大荷重の20%)をかけると、約200kN/m2。低拘束圧下での破壊を考えると、やや大きな値です。背圧を100kN/m2かけても、クリアできない試料もあると思います。
では、背圧を200kN/m2にすれば良いのでは?と聞くと、それも経験上ダメとのこと。理論上はOKでも、経験上、静水圧程度にしておかないと、(実際は違うかもしれませんが)構造が壊れやすい?そうです。

他社のプロとも話しました。試験室でロードセルとPC画面を見ながら話をしたのですが、こちらも似たような精度でした。どちらかというと、不均質性の影響がより大きくなるだろうと。ま、その通りです。サンプリング・運搬・トリミングによる乱れ・供試体の不均一性はそのまま出てくるでしょうね。室内にだけ精度にこだわっても、ダメということです。

御二方と話して得た結論としては、「低拘束圧のみで試験を実施するなら、ロードセルを変えたほうが良い」ということ。うーん。ま、そこまでこだわれということかもしれません。


あと、先輩、私、プロ三者に共通した意見がありました。
「低拘束圧のほうが、cが出るだろう」
基準では逆の説明がされています。粒子破砕でも起これば、高拘束圧のほうが寝てくると思いますが。どうなんでしょうね。

試験一つとっても、まだまだ分からないことが多い状態。一歩づつ、片づけていきましょう。






2013年11月10日日曜日

三軸圧縮試験の拘束圧

三軸試験の拘束圧について後輩から質問がありました。

三軸試験の拘束圧はc・φを決めるのに重要な要素です。が、多くの方は気を使われていないようです。現場担当・試験担当などの分業化、試験の基準化の弊害でしょう。現場が「三軸試験をお願い」と言えば、基準に従った結果は上がってきます。が、側圧の詳細な設定方法は基準に載っていませんので、試験者によってはゲージの読みやすい値や習慣で、とんでもない拘束圧を設定することもあるでしょう。拘束圧の設定方法に疑問を持った(設計者)は「いいね!」です。

余談ですが、他社の熟年設計者が、お客様に対し、拘束圧をどの程度に設定するか聞いているのを見たことがあります。お金をもらってコンサルティングする立場のはずですが。これは逆に論外です。

拘束圧に関して、基準に載っているのは下記ぐらいでしょうか。
国土技術研究センター「河川堤防構造検討の手引き」H24改訂版
従来、三軸圧縮試験および一面せん断試験における拘束応力の設定に配慮不足な面があった。すべり面計算に用いる三軸圧縮試験等のせん断強度試験は、発生すると予想されるすべり面の深さにおいて、発揮する強度が評価されるように、低い拘束応力範囲を含むように設定することが望ましい。高拘束圧下の試験結果から得られた粘着力を見込むと、低拘束圧下で過大な強度となり、過大な安全率が得られることもあるため、粘着力の評価に必要な注意事項である。
ただ、具体的な設定方法については書かれていません。明確に書かれた基準は現段階でないと思います。
本来、盛るのか、掘削するのかによっても変化しますし、安定計算時のすべり線が決まっているかどうかによっても変わります。扱うモデルが2次元か3次元か、欲しい値が過圧密の範囲内なのか正規圧密状態なのかでも異なります。現状ではそれらを書き出すのが面倒なため、常識?の範疇となっているのでしょう。


先日、他部署の先輩と話していた時に、ある資料の存在を知りました。またも河川、下記土研の解説書です。この分野、河川は強いですね。
比較的初心者向けの解説書と思われますが、その中に拘束圧について書かれている箇所がありました。公的な書き物で具体的な記載があるのは初めてではないでしょうか?
土木研究所 地質・地盤研 土質・振動チーム「河川堤防の浸透に対する照査・設計のポイント」
http://www.pwri.go.jp/team/smd/topics-seepagepoints.htm

ただし、これにも問題があります。
最大で50kN/m2だと、他は10, 30kN/m2程度でしょうか。拘束圧は設定できると思いますが、10kN/m2はかけたことがありません。最低でも20kN/m2程度です。機械にもよると思いますが、軸方向の精度が保てるかどうか心配です。
あと、モール円が詰んでしまい破壊線を引き難く(c・φを決定し難く)なりますね。ま、これは(有効)応力経路のグラフにて、破壊点に対し最小二乗近似を取ればクリアーできますが。

続きは後日。

2013年9月23日月曜日

3軸圧縮試験 供試体の直径

一軸や三軸の供試体の直径は35mmか50mmが多いと思います。

地盤工学会基準はφ35~100mmですが、φ35mmやφ50mmなら乱れの少ない試料を成形し、標準的な三軸圧縮試験機で対応できます。

先日、先の技術者と話をしていて知ったのですが、中型三軸圧縮試験機では、φ100mm以外にφ75mm(会社によってはφ65mmも)のペデスタルがあるそうです。基準に、以下の記載があるので、シンウォールやトリプルの内径に合わせたペデスタルが作られているとのことでした。
「側面の成形によって過度な乱れを与えるおそれがある場合は,サンプルチューブから取り出した試料の側面の成形を省略してもよい。」
教えてくださった方は「最近の流行」と言われていましたが、気を使ってくださったのでしょう。φ75mmは結構有名なようですので、昔からあったのでしょうね。そりゃそうです。トリプルで採取した試料を、わざわざリモールドでφ100mmにすることはないですから。

乱れの少ない試料として採取できるのが基本は砂質土まで。特殊なサンプラーを使わない限り、トリプルで礫質土の採取は困難です。したがって、最大粒径10mm程度までは対応可能なφ50mmの標準的な試験機で、通常は事が足りるといった状況になります。そのためか、会社には中型三軸圧縮試験機がないので、φ75mmのペデスタルは使ったことも見たこともありませんでした。

先日、試験を見せていただいたのですが、やはり大きいですね。供試体の高さが直径の2倍以上ですから、φ75mmで最低15cmになります。4供試体であれば、トリプルでの採取長は80cm程度以上必要でしょう。これは厳しいですね。静的3軸+動的3軸なら、積算上は2本、実際は3本採ることになるでしょうね(積算にφ75mmの中型3軸はありませんが)。

調査計画を立てるためには、各試験の細かいところまで把握しておく必要がありますね。


2013年9月21日土曜日

3軸CUBと限界状態線

先日、砂質土の三軸CUBについて他の技術者と話をしていたのですが、ちょっと話が合わないところがありました。

p'-q軸上であれば、最悪、1供試体でもφ'を求めることができると考えていたのですが、その方は通常の有効応力経路で数点プロットしないとダメと言われる。

うーん?と思い調べてみると、私の間違いでした。
正確には、正規圧密粘土で c' = 0 とみなせるのであれば、1供試体でも可能です(当然、複数やるべきですが)。しかし、それ以外の土は適用できるかどうか不明。限界状態線の傾き q/p'=M の q/p' を、三軸圧縮試験のモール円のσ'1、σ'3とクーロンの破壊線の傾きφ'で表現し、M = 6sinφ'/(3-sinφ') の関係を導いてますから。Mを使っていますので、砂は論外ということでしょう。

導出の過程(といっても中学レベルです)は地盤工学会「地盤技術者のためのFEMシリーズ2 弾塑性有限要素法がわかる」 p122です。非排水強度 cu と有効応力のφ'の関係も載っています。が、こちらはモール・クーロンとの違いを理解できていません。拡張ミーゼスを知りませんので。ちょっと調べてみましたが、「拡張」の意図する処がわかりませんでした。

しかし、惜しいですよね。感覚的には砂もCUBであればOKですけど。感覚ですから、ま、通用しません。SYSカムクレイもカムクレイをベースに発展させていますので、いずれは何とかなるかもしれませんが。


2012年10月13日土曜日

粘土でCUB?

グループ会社の方からヘルプ。
ある調査業務を請けたそうですが、よく分からないとのこと。

この方、よく調査方法や考え方を聞いてこられます。できないなら請けない方が良い、少なくとも、よそに迷惑をかけてはいけないと思うのですが、ま、グループ会社ですし、他社さんの事なので。できない会社が仕事を奪える発注制度にも問題があります。

送ってこられた数量表を見ると、特に難しいこともない普通の調査でした。孔径、サンプリング、試験の考え方などひとつづつ説明しました。1点、粘土でCUBになっていましたので、「土質を見てから変更してOK」と言っておきました。

翌日、調査提案の資料をお客様から頂いたようで、それを私に送ってこられました。どうも、当社の設計者の提案だったようです。それがお客様、調査会社をスルーして、私の所に。色々問題がありますが、ま、世の中そんなものです。

内容を見て、納得。圧密を弾塑性FEMで解くため、CUB試験を提案されていました。cam-clayなどを使いたいので、CUBを提案されたのでしょう。CUBとは何ぞや?という方に、この提案の意味を初めから説明するのはさすがに面倒なので、「がんばって!」とエールだけ返しておきました。
設計方針を理解すると、調査内容にいくつか問題点も見つかりましたが、たぶん気付かずに全て仕様通りに実施されるでしょうね。CUBやるのでcφ設定したり。で、当社の設計者に全て帰ってくるでしょう。地元企業を潤す方針は良いのですが、最低限、能力のある(技術者が所属する)会社に仕事を振り分けてもらいたいものです。

という私も、有効応力解析を完全にモノにしていませんので、偉そうなことは言えません。今年度の短期目標の一つに挙げていましたが、まったく進んでいませんし。
ちょうど良い機会ですので、手を動かしてみましょう。

2012年5月5日土曜日

河川堤防の構造検討の手引き

「河川堤防の構造検討の手引き」が2月に部分改定されています。

財団法人 国土技術研究センター
http://www.jice.or.jp/siryo/t1/201202090.html

設計者から指摘されるまで気づきませんでした。

早速内容を確認しましたが、安定計算に用いる土質定数・土質試験の方法に関して変更がなされています。改定前はUU、CUのみでしたが、今回、CUB、CDも追加されました。
これ、過去に実施された堤防詳細点検で問題になっていた箇所です。といっても、大手コンサルの技術者の多くはUU、CU、CUBの3種を用いた統一した考え方で全国の1級河川を点検していきましたので、改定は実情の後追いといった形になっています。

当時、私はCU試験が基準に載っていた背景についてかなり考えましたが、結論は出ませんでした。まあ、今回の改定を見る限り、それほど深い意味はなかったようですね。安定計算式も分子のみの修正ですので、こちらの基準はあまり深く考えず、さらっと流すのが良いのでしょう。

基準にも色々ありますね。



2012年2月13日月曜日

土層強度検査棒と三軸圧縮試験

3軸CD4試料、土検棒2か所の比較結果を後輩から聞きました。

土検棒でc・φがわかるかも?と期待して遠い現場に行ってきたようです。
が、結果は全く駄目。興味を無くしたのか、整理も途中で投げていたようです。
結果の続きを整理してみると、当然ですが試験値とは全く異なっています。経験式法と(CUの)相関式法ですら大きなずれが生じていました(三軸試験結果もイマイチでしたが)。

興味をひかれる点もありました。
プロットすると、比較的綺麗な線形になります。いろいろな問題(乱れは?挿入時に押し固めていないか?飽和度は?など)をブラックボックスにしつつも、その状態での綺麗な線形データを返してくれるのは、ツールとして優れている点でしょう。

ただし、それとc・φを求めるのは全く別の話。前にも書きましたが、現段階では土検棒を用いて飽和時のc・φを推定するには、力学試験が必要です。矛盾しているようですが、相関をとれる程度の数の力学試験が必要なのです。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/07/blog-post.html
マニュアルでは、以下の注意書きが書かれています。

・・・ただし、この経験式は今後数を増やして正確な数値にしていく必要がある。
・・・この式はあくまでもこのテストフィールドでの参考式であることに注意する必要がある。・・・したがって、基本的には現場毎にこのような相関式を作成して活用することが望ましい。

個人的には、土研さんが土質に応じて数多くの結果を吟味してからマニュを作れば問題なかったように思います。が、現状を考慮すると仕方ないでしょう。

まあ、まだ2箇所の比較ですし、データを集めないことにはその先の話ができません。その内、整理されたものも出てくるでしょう。それまでこちらもデータを集めておきましょう。

2011年9月20日火曜日

一軸圧縮試験と三軸圧縮試験

設計者から、なぜ港湾ではUUではなく一軸なのか?という質問がありました。

こういった素朴な疑問、随分前に自身も通過したはずですが、すっかり記憶の隅、というか気にすることがなくなっています。一瞬、そんな自分を認識し、そんな自分が面白いと思いながら、頭がマニュアル化しているなあと反省しつつ、3つ回答しました。

・一軸+簡易CUの評価手法がある。
・適度な乱れを含む必要がある。(上と重複しますが)
・安い = 同じお金でたくさんできる。

港湾空港技術研究所HPでは、同様の解説がされています。基準書にもよく出てくる話です。

ただ、全て一軸と言うわけにはいきません。砂分が多い場合にはUUの方が良いと思います。それで得られた強度を補正して設計に使用する方法もあります。表層の柔らかい粘土であれば、現位置試験の方が良いかも知れません。


また、つい最近、後輩から三軸CU、CUB、CDは試験前に圧密するが、圧密の必要性は何?といった質問も受けました。これもとっさに面白いなあと思いながら回答しましたが、こちらはちょっと、後輩の勉強不足と言った感がありますね。
土質力学の基礎的範囲ですが、土質試験、せん断強度、せん断定抵抗角、透水性、現位置での深度方向の強度増加、φ換算時のN値の拘束圧補正など、試験、理論、現場のリンクができていれば(点が線でつながっていれば)、自ずと理解できるはずです。頑張りましょう。


マニュアルに従って淡々と作業することなく、土をみて、計算方法を考えて、技術者が何をすべきかいつも判断しないといけませんね。

2011年7月7日木曜日

モールの応力円とEXCEL

三笠の一般全応力法で扱う強度を図示しようと思い、EXCELを触っていました。

ベースにしたのは山海堂「EXCEL土質試験入門」。いろいろな試験結果をEXCELで処理できるように、ワークブックのDLができるようになっています。

複数の試験結果のモール円を合わせて表示するところまでは簡単だったのですが、接線を表示するところで止まってしまいました。
2つの円の外接線の求め方はシートに入っていたのですが、それが誤っているような気がし、他の方法で接点を求めようと考えました。ところが、2円の外接円の接点の求め方が分かりません。ネットで調べてみると、高校生の数学のようです。見ても思い出せないくらい完全に忘れていました。
検算結果はシート内の結果と同じ値になりました。バカですね。

接円外のある点を通過し、円に接する直線の計算の仕方も忘れていました。
あれやこれやでこの時間までかかりましたが、なんとかできました。
今まで通り、手書きでやったほうが早かったようです。
ま、これからはすぐできるということで、良しとしましょう。

2011年7月3日日曜日

せん断モードと強度設定

均質な粘性土における円弧すべりで発揮される強度は、圧縮、単純せん断、伸張の3つになります。そのため、適度に乱れた試料の1軸圧縮強度であれば、「すべり面の平均強度」といったものに一致するという Lucky Harmony が生まれます。おかしな話ですが、乱れの少ない高品質なサンプルを採ってしまうと、その試験結果を使った設計ではすべってしまう可能性もあり、逆に「適度」以上に乱れてしまうと過大設計になります。

では、三軸圧縮試験ではどうでしょうか?
再圧縮がかかると本来の圧縮強度に近づきます。そのまま土層の強度として設定してしまうと、すべり面の平均強度より過大になります。それを補正するためには伸張試験などを実施すれば良いのですが、サンプルが倍以上必要になります。

ただし、このような円弧すべりにおけるせん断モードの考慮は古くから研究されており、地盤工学会基準書「地盤材料試験の方法と解説」にも詳細に記載されています。
例えば、表7.3.6では伸張強度が圧縮強度に対し、平面ひずみで0.19/0.34=0.56倍となっています。601ページにはその解説も掲載されています。これらを考慮して強度を設定すれば、試験は今まで通り1種類でOKです。

先日、そのあたりの内容を新しい基準書で変更がないか再確認していました。
が、その解説の最後に引っかかりました。
「安全側の設計値として基準の試験結果の64%をとることになる。」
主語がありません。何がどの基準の64%になるのかが分からないのです。ちなみに、古い基準書にも書いてありました。

部長様に相談したところ、「いろいろな意見があったのでわざと隠したんだろう」とのこと。そうなんでしょうか?それなら載せないはずです。

今日、それについて考えていたのですが、以下のようなことではないでしょうか?
まず、三軸CUの非排水強度をsuとします。
K0圧密した場合は1/1.15倍になりますので、0.87su。これが三軸K0CUC強度。
三軸K0CUE強度は0.87su/0.33×0.16=0.42su。
この平均が設計強度になるので、(0.87su+0.42su)/2=0.645su
安全側で切り捨て64%

つまり、K0状態の補正も考慮すべきということでしょう。ただ、64%の根拠は何も書かれていないので確認できません。
いずれにしても0.64suは1軸+簡易CUでの評価よりも安全側ですね。

2011年6月18日土曜日

切土・盛土と三笠の一般全応力法

道路土工の切土工・斜面安定工指針では、切土斜面の強度設定としてCUB試験が挙げられています(p401)。改訂前も同じ表が掲載されていましたね。

斜面を切る場合、粘性土であれば長期安定が問題となります。CUB試験では、時間とともに吸水膨張(あるいは非排水膨張)し、強度低下が起こる場合の安全側のcφを試験で求めることができます。
逆に盛土では、短期問題としてUUを挙げている教科書や基準書が多いのですが、同指針ではCUBになっています。
これらの条件を整理すると、実務上、三笠の一般全応力法で安全側のc・φを決めることができます。基準書や土質力学の教科書にも載っている場合がありますので、古い手法なのでしょう。
http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lang=jp&type=pdf&id=ART0005447927

今回、道路盛土(粘性土)を掘削するということでCUB、その後さらに盛り立てる計画があるということでUUの両方を試験しないといけないと思い、両方やった事例があるかどうかexecutive達に確認したところ、「粘土は一軸かUUでしょ」という意見が圧倒的でした。その方たちに、なぜUUだけでCUBをしなかったのか聞いてみると、「粘土だから」といったよくわからない理由でした。なお、こだわりの部長様だけがCUBを実施されているといった結果。しかも、せん断前に一度圧密してから減圧膨張させるといったこだわりがありました(感服です)。

確かに、粘土のCUBは時間がかかるし価格も他の土質試験に比べ非常に高いのでお客様が嫌がります。急ぎの仕事が多いのも一つの原因でしょう(急ぎでない仕事って少ないですよね)。それに試験時に切土後の小さな側圧を設定することも工夫が必要ですし、UUをやるとなるとサンプルも2倍必要になります。全体的に面倒なので避けたがる傾向があるのかもしれません。
ただ、粘土=c材料といった先入観だけは避けたいところですね。