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2013年9月14日土曜日

adsorption isotherm と遅延係数

北海道環境保全技術協会が発行している技術レポートを読んでいました。

自然由来重金属や硝酸性窒素といった問題についてのレポートです。数か月前にまとめて購入していたのですが、パッと見、特に目新しいことは書かれていなかったので後回しになっていました。

「吸着工設計マニュアル」に移流分散と、総量の話が出ていました。洩れても基準値を越えなければOKという思想のようです。国もそうですから、ま、良いのでしょう。
http://phreeqc.blogspot.jp/2011/08/blog-post_26.html

現地発生土でしょうか、火山灰土を吸着層へ利用するレポートもありました。この中で adsorption isotherm に関し、Freundlich と Langmuir に対するコメントがありました。
個人的には、ただのフィッティングなんで、線形含めどれでも OK です。ただし、どの isotherm を仮定するかで誘導される式中の R の定義が異なります。
MT3DMS は Visual MODFLOW の移流分散パッケージに採用されており、非線形も含め3種類の isotherm を使用できます。が、Dtransu は線形しか扱えません。例の部長様のように、Dtransu で解くのに Freundlich でフィッティングする、というようななことをしなければ、個人的には何を使っても問題ないと考えています(基礎をおろそかにしてはいけません)。

所詮、遅延係数は計算上のフィッティング係数であり、物理的根拠は薄いと考えます。根拠を求めるなら、反応計算を実施すべきでしょう。
http://phreeqc.blogspot.jp/2010/10/blog-post_31.html



2010年10月31日日曜日

遅延係数と分配係数

カラム試験から遅延係数を求め、そこから分配係数を推定する手法では、いろいろな推定式があります。
一番良く用いられるのは、ヘンリー型(線形)でしょうか。それでも、複数の式があります。たとえば、R=1+ρd・Kd/θのように体積含水率を用いたり、/neのように有効間隙率を用いたりする式があります。これは、土に含まれる間隙の溶存分をどのパラメーターで表しているかによります。飽和ならneでも良いでしょうが、不飽和ならθとneの小さいほうを選べばよいと思います。

基本的に、移流分散方程式における遅延係数なり分配係数は、一種のフィッティングパラメーターであり、これが自然地盤に適用できる保障はありません。化学反応を連成させて分配させるほうが、実現証を説明しやすいのは間違いありません。汚染物質の知識と、土を見て適切な試験法を判断する力が技術者に求められています。

2010年10月7日木曜日

遅延係数と汚染濃度2

以前、遅延係数R=2のとき汚染物質の流速V’が地下水流速Vの半分になるので、濃度αが半分・・・といったようなことを記載しました。コチラ>遅延係数と汚染濃度

これ、正しくないですね。正確には、汚染物質の流速を半分にするので、濃度は変化なし。つまり、回収量=α*V'*A=α×V/R*A=α×流量Q/Rとなります。
すっきりしました。

2010年8月10日火曜日

遅延係数と汚染濃度

移流分散でDtransuを使って計算していた方から相談。

汚染の回収量を流量×汚染濃度で計算されていたそうですが、
「遅延係数をいれると、回収量が多くなるんです!」
ソフト会社に確認しても、R=2で2倍、R=5で5倍になったそうです。

遅延係数を2とすると、汚染の流れが1/2の速さになるため、濃いものが計算ノード付近に長時間とどまることになり、上記の計算では回収量が増えているように見えるんです。でも、汚染の流れは地下水の流速の半分なので、揚水して回収する場合は濃度も1/2しないとあわないんですね。通過量です。

じゃ、採水器で1回くみ上げて計ると1/2しなくて良いのか?ポンプで揚水すると、本当に地下水中の濃度の1/2になるのか?初期濃度として与える濃度分布はポンプでくみ上げて計ったので、2倍して与えないといけないのか?遅延係数を変えるとKd分配による吸着量が変わる=総量が変わる?汚染がないところは吸着もない?などなど疑問点がいっぱい出てくる。遅延係数の解釈の限界かな。

こういった問題は PHAST のような Reaction Transport Model が良いですね。遅延や減衰などのようにフィッティングパラメーターを使うんじゃなくて、化学反応を連成させ素直に解いていく。・・・といっても調べることが多くなり、実務では難しいんですけれど。