2013年4月30日火曜日

GEORAMA 2013 のトラブル対処

GEORAMA のトラブル対処に追われています。

今回の解析では、最初は差分のプログラムを考えていました。が、貫入岩が複雑に入るモデルを読み込めるソフトがありません(知らないだけかもしれませんが)。そのため、 SoilPlus での処理を念頭に、GEORAMA で地質モデルを作っています。
が、相変わらず不安定で、強制終了、トラブルの連続。恒例の春の洗礼もアリ。

サポートに問い合わせても、ゴールデンウィークにかかったためか回答がなかなかきません(通常でも即日回答は稀ですが)。来たと思ったら、結局正解ではなかったり、できないという回答。自分で解決するしかありません。(ESRIジャパンさんの即時対応を見習っていただきたいですね。)

以下、GEORAMA 2013 による、(場当たり的な)トラブル対処法、備忘録です。
  • 計算エンジンは、georama exe です。64bit アプリのフォルダーに入っていますが、32bit アプリ。エラー内容に従いメモリー割り当て量を大きくすると立ち上がらなくなる。
    →GST ファイルのメモリ割り当て量の最大は「310,000,000」程度。(メモリ 1GB 程度)。それ以上はランタイムエラーで起動しない。多くの面を一度に推定すると軽くオーバーするので、メッシュを大きくするなどの妥協が必要。
  • ソリッドモデル作成時、部分的にモデル基面へのサーフェスが作成される。
    下図茶色が崖錐。モデリング段階で、最後に「有効」として推定した2か所のみ、ソリッドモデルのサーフェス作成時にも正しく作成されている(空中まで推定されている)。その他の崖錐箇所はモデリング時に「有効」を外していたため、本来は空中に作成されるはずの部分が、モデル底面に作成される結果となった。
    →境界テーブルで「有効」にチェック。念のため「固定」チェックはずす。(面指定の場合は固定のまま。上空の高い位置に新たにブレークライン等を追加して対応)


  • 初期ソリッドが作成されない。
    →「既存のソリッドモデルを削除しない」のチェックをはずして計算する。
  • ソリッド作成中断・再開での挙動
    ガイドには以下の記載がある。

    ”ソリッドの作成は中断することができます。 中断後に再開する場合は「既存のソリッドモデルを削除しない」をチェックして、再度計算、分割を行ってください。”

    意味は以下の通り。

    「閉じる」を押して中断しても、再開時は初期モデル計算からやり直す必要があります。ただし、再開時の初期モデル計算時に、「既存のソリッドモデルを削除しない」にチェックを入れておくと、前に作ったソリッドが消えません(チェックをはずしたデフォルトでは、一旦全てのソリッドを消去する仕様になっています)。分割とチェックの有無は無関係です。

    計算した境界面のデータは以下のフォルダ(Win7)に作成されます。「閉じる」を押すとすべて削除され、再開時は再度計算をしないといけません。バックアップをとっておき、再開前に復元しましょう。そうすれば、再開時の計算は不要となります。
    C:\Users\(ログイン名)\AppData\Local\Temp\georama
  • ソリッド分割作業中に強制終了してしまう。
    →分割>保存>分割>保存・・・の繰り返しのみ。強制終了したら再度初期モデル作成から。ただし、強制終了後に再度図面を開くと、初期モデルや面の計算結果が残っている場合があります。上記の問題同様、以下のフォルダ(Win7)のデータをバックアップしておく必要があります。
    C:\Users\(ログイン名)\AppData\Local\Temp\georama
  • 自動保存データは使えるか?
    →強制終了後、再度 Civil3D を立ち上げると、自動保存データを回復できる場合があります。しかし、サポートによれば、このデータは GEORAMA のデータが全て保存されていない可能性があるとのこと。こまめに手動保存してくださいとのことでした。orz
    ま、可能性なんで確認はなされていないようですが。
  • 物理メモリがいっぱいになる
    →原因はよくわかりません。
    どのように計算結果を保持しているのか分かりませんが、ソリッド分割後半はCivil3D の物理メモリ使用量が22GBと恐ろしいことになっていました。こまめに閉じて Civil3D の再起動が必要なのでしょう。
    GEORAMA を 2013 に上げてからCivil の UNDO ファイルもすぐにいっぱいになります。どのような設計になっているのでしょうか?
  • ソリッドモデル作成時、ソリッド2個以上を1度に分割
    →サーフェスのみ作成しておく。その後、Civilの機能で「切断」する。
  • ボーリング情報(simpleboring_.csv)の境界面のデータが、頻繁に消える。
    →「有効」のチェックをはずしてモデリングの推定を行い、そのデータを保存すると、チェックをはずした面に関するボーリング境界データが全て消えて保存されます。保存前に有効のチェックを再度入れる必要があります。
    必ず、csvのバックアップを取ること、推定前に入力したデータが飛んでいないか確認すること。この2つが当面の回避策です。orz

    書いていて情けなくなりますが、ま、仕方ありません。
    他に安定したソフト、ないですかね。

    Civil3D 2013 で道路・造成サーフェス作成

    Civil3D 2013 で道路・造成サーフェス作成していました。以下、備忘録です。

    1.平面線形の作成

      ・「線形」―「オブジェクトから線形を作成」

    2.縦断計画の作成
    ①「計画線」―「線形から計画線を作成」
    ②計画線を選択後、「標高を編集」を押す。「標高エディタ」を押して中心線の標高を入力。
    • 測点等は計画線上で「標高ポイントを追加」したり、標高のないIP等は、2点間の「勾配または標高を平坦化」で推定。
    ③表の値をすべて選択し、コピー→EXCELへ貼り付け。
    • 距離修正(0+を削除)0+035.20→35.20
    • 距離、標高以外削除。
    • 不要な行削除。エディタにコピーし、スペース区切りで保存。
    ④「縦断」―「ファイルから縦断を作成」
    • 先に保存したテキストファイル選択。
    ⑤「縦断」―「サーフェスから縦断を作成」で縦断図を作成しチェックする。
    • 帯のリストでは以下を修正
      地盤高→地表面
      切土→「縦断1」計画、「縦断2」地表面
      盛土→「縦断1」計画、「縦断2」地表面
    • 作成したい場所で1クリック
    3.アセンブリの作成
    ①「アセンブリ」―「アセンブリの作成」、作りたい場所で1クリック。
    ②ツールパレット(メニューバー「一般」「ツールパレットウインドウ」で表示)からサブアセンブリをクリック。アセンブリのマーカーポイントをクリック
    • 道路幅を入力。
    • 右側を作り終わったら、サブアセンブリを選択し「鏡像」で左側もつくる。
    • 解析モデルへの流用には水路、ガッターなし、小段なしの方が良いかもしれません。
    4.コリドーの作成
    ①「コリドー」を押す
    ②線形、縦断、アセンブリを選択
    ③ターゲットのサーフェス(地表面)を選択、「OK」

    5.サーフェスの作成
    5-1コリドーサーフェスの作成
    ①コリドーを選択、右クリック、「コリドーサーフェス」
    ②左上のボタン「コリドーサーフェス」を作成
    • 「トップ」もしくは「法面全体」を追加、法面全体の場合センターのポイントは作成されない。
    • OKでサーフェスが作成される。
    ③サーフェスの補完
    • 造成底盤や補強度壁、調整池底盤などを計画線で作成する。それらをコリドーサーフェスにブレークラインとして追加。(計画線を選択し、右クリックより)。
    ④サーフェスの不要な線分やポイントを削除。必要に応じて追加。

    5-2グレーディングサーフェスの作成
    ①造成範囲を2Dポリラインで作成
    ②「グレーディング」―「グレーディング作成ツール」
    • 左のボタンから順に設定して行く。
    ③作成されたグレーディング面は側面のみ。必要に応じ、底面(or上面)にもグレーディング面を作成する。「中詰めを作成」
    ※一度グレーディングを底盤から天端に向かって作成し、天端にできた計画線を間引き(「ジオメトリを編集」―「間引き」―「IPを削除」)してから、それを使って下におろす(地表面にぶつける)のも手。
    ④「アタッチ解除されたサーフェスを作成」

    2013年4月29日月曜日

    構造見学会

    近所のアパートで、構造見学会がありました。

    私は上屋の専門ではありませんが、構造なんて見る機会はそうありません。良い機会だと思い興味本位で見てきました。

    耐震の話を期待していたのですが、排水系統や建具、防音等の紹介がメインでした。ま、施主や施工やさんの関心はそういったところなんでしょうね。

    想像より細い鉄骨でした。
    軽量なので阪神レベルだとこの程度で持つんだろうなあと。ユッサユッサ揺れるんでしょうね。でも破壊はしない。その様な印象でした。今回のようなプレート境界型の長時間の地震動ではダメなんだろうなとも。

    周辺ではN値0の粘性土が10m程度分布します。施工時はφ100程度の短い杭を数多く入れていました。つなげていたかどうかは見ていません。いずれにしても、液状化はしないとの判断でしょう。でも、地下水が浅いので、砂があればダメでしょうね。一々ボーリングをするわけにもいかないと思うのですが、もし、砂層を挟んでいれば、あるいは粘土ではなく砂層であれば、いくら頑丈な上屋でもダメでしょう。

    私が建てるならどうするか?
    知り合いに頼んで、砂礫層まで15mのボーリング1本掘って、井戸を作る。かな?

    2013年4月27日土曜日

    社内講習

    先日、技術士試験の社内講習に参加しました。

    参加人数は100人超。多くの方が関心を持たれているようで、驚きました。

    私も今年の短期目標にしています。今は別のブログを使って情報を整理をしているところです。

    ここのところ、少しダレていたので、身を引き締めましょう。

    プレッシャーメーター試験 その2

    個々の試験方法自体に大きな変更はなかったのですが、解説は増えました。

    特に強度特性。
    個人的には良い方向だと思います。

    実務の慣習では、基礎の安定や円弧すべり計算時には2次元(平面ひずみ状態)としてモデル化します。が、その場合でも平面ひずみ状態の強度は使用しません。一軸か三軸(とその補正値)ですね。
    今回、基準に軸対称平面ひずみ状態の強度特性が詳述されたわけですが、安定した業界クオリティーは反応するでしょうか?

    詳述されているφ'の算定手法は、1977年の Hughes 論文が原著です。
    Hughes の方法では、φ'cvかψを決定しないとφ'の値が出ません。そのため、別の試験でこれらの値を求めるか、仮定が必要です。私はこの点を回避する深川先生の提案を利用しています(コレも古く18年前の発表)。少し長めに試験をする必要はありますが、試験のみからφ’を決定できますので、仮定は不要となります。EXCELブックで整理していますが、これも今回の基準にあうよう変えないといけませんね。
    https://sites.google.com/site/geochemist001/resources/llt

    この点について、基準では「φcv'の一般的な評価値」が示されています(原著は試験値がない場合35度とされています)。いいですね。
    この表を見る限り、φ'ではなく、φ'cvが最低30度です。本質はそうなのだと思います。が、実務でそれを使用してφ'を出すと、上記計算には高すぎる値となるでしょう。そりゃそうです、平面ひずみ状態の強度ですから。現行の手法に乗せるのは三軸の値に補正する必要があります。


    基準は少し進みました。技術者であり続けるには共に進む必要があります。

    2013年4月25日木曜日

    プレッシャーメーター試験

    地盤工学会「地盤調査の方法と解説」が先月改訂されました。

    HPによると、以下の通りだそうです。
    今回の改訂では,①国際整合化,②土と岩の試験方法の統一,③実務や最新の知見への適合を基本方針として,「土」に加えて「岩」や「環境化学分析」の基準や調査法を大幅に増やしたことや,ISOの進捗や技術の進歩に合わせた規格・基準および解説の見直しが図られました。 
    送付されてきた講習会の案内では、②の代表?として孔内水平載荷試験が挙げられていました。
    ですが、この孔内水平載荷試験(改訂でプレッシャーメータ試験と呼び名が変わりました)の基準は以前よりも不明瞭になっています。以前は、岩盤は理論式、土砂は経験式で変形特性を求めるといった住み分けがありました。が、それがなくなりました。で、整理すると以下の通り(ジャッキタイプの基準は除く)。

    基準
    参考基準
    適用
    算定式
    変形特性
    JGS
    1531-2012
    ISO 2276-4
    3室型)
    プレ
    ボーリング
    1, 3
    室型
    経験式 (乱れや緩みの影響が大きい)
    変形係数E
    (指標値)
    JGS
    3531-2012
    ISO 2276-5
    (1室型)
    理論式 (孔壁の乱れと応力開放による緩みの影響を最小限にした理想的な条件下で実施される)
    ヤング率E
    (物性値)
    セルフ
    ボーリング
    1
    室型
    663
    686
    「差は顕著でなく実務上の問題は少ない」

    LLTやELASTはプレの1室型ですが、どちらの基準を選択すべきでしょうか?
    1室と3室で基準を選択するわけではありません。プレボーリングかセルフで選択するわけでもありません。同じ孔で計測した結果に対し、数値計算には理論式で、従来の設計利用には経験式で評価、というわけでもなさそうです。孔壁の乱れによって式を使い分けるのでしょうか?しかし、乱れや緩みの影響がある場合(変形係数E)とない場合(理想的な場合、ヤング率E)に、差が顕著でないというのはどういう意図でしょうか?

    結局、変形係数Eとヤング率Eによる「差は顕著でなく実務上の問題は少ない」のであれば、理論式に統一してしまえば良かったと思うのですが。ま、経験的手法で成り立っている設計法・構造物が山のようにあるので、理論式への完全移行は抵抗があったのでしょうね。次回の改訂への布石かもしれません。

    残念ながら、結局はよく分かりません。「差は顕著でなく実務上の問題は少ない」ので今までどおり、というのが実務側での主流になりそうです。

    もう少し読んでみましょう。
    「その2」へ続く。

    2013年4月11日木曜日

    Civil3D 2013 春の洗礼

    Civil3D、GEORAMA を 2013 に UP しました。

    今春3台目にインストールしたのですが、以前と同じ所でつまづいてしまい、再度調べ直すことに。以下、備忘録です。

    CALS Tools がインストールできない。(ライセンスの入力箇所でエラーが出る。)
    >管理者権限でCivil3Dを起動。
    XPでも発生しましたが、一度起動すればインストールできました。
    http://tech.autodesk.jp/faq/faq/adsk_result_dd.asp?QA_ID=7197

    表示順序の変更ができない
    >指定ファイルのコピーが必要。Civil3Dでも発生。
    [Ctrl] + [A] で全選択できない問題も解決するようです。
    http://tech.autodesk.jp/faq/faq/adsk_result_dd.asp?QA_ID=7368

    Google Earth からサーフェスや航空写真が取り込めない。
    >Google側の仕様変更だそうです。
    http://tech.autodesk.jp/faq/faq/adsk_result_dd.asp?QA_ID=7237


    以下は2012のエラーでしたが、2013でもパッチが出ていましたので、事前に当てておきました。

    サーフェス解析で凡例設定ができない
    >修正パッチの適用が必要。
    http://www.autodesk.co.jp/adsk/servlet/item?siteID=1169823&id=20687415