2014年12月24日水曜日

河川堤防の統合物理探査

「河川堤防の統合物理探査」が図書になっていますね。

土研と物理探査学会の編著です。
数年前、精力的に学会発表されているのを見かけましたが、図書としてまとめられたようです。

原理は簡単で、けん引式の電探・表面波(ランドストリーマー)の2種を使用し、固さと透水性を推定しようというもの。硬さはN値、透水性は D20 などと相関を取るようです。つまり、ボーリング結果で土質の性状をキャリブレーションするということです。

探査2種を組み合わせた推定例は以下の通り(クロスプロット解析とおっしゃっています)。

・.表面波(推定S波)速度が低く(緩んだ砂か粘土)、比抵抗が高い(粘土の可能性低)場所・・・緩んだ砂と判定。浸透で危険。

このような危険度を断面図で色分けしたものが、統合物理探査としての成果になるようです。


一連区間を考える場合、このデータがあれば便利ですね。良い根拠になります。
ただ、河川堤防の調査は物理探査なしで終息していますので、発刊は少し遅かったようですね。ダムだと基礎地盤まで届かないでしょうし。堤体の低いため池や谷埋め盛土なら使えそうですね。

「お墨付き」も十分ですし、今後の提案項目の一つとして、認識しておきましょう。


2014年12月23日火曜日

日本列島の誕生

付加体の性状は、地質屋さんならすぐにイメージできると思います。

「互層上であっても、泥岩層がせん断されている」「せん断帯や小断層に富んでいる」「混在岩が多く存在する」など、せん断・攪乱されたイメージが強いと思います。それは「付加体」の形成過程を知ることで納得できるようになるのですが、でき方を御存知ない設計屋さんはには、「付加体」と言っても通じません。

根本的なイメージを作ってもらう簡単な絵はないのか?と探してますと、なかなか良い本がありました。

堤之泰「絵でわかる日本列島の誕生」講談社
http://www.kspub.co.jp/book/detail/1547735.html

なかなか理解しやすい本ですね。2章に付加体の説明があります。絵もブルドーザーでかき上げる+コテでそこ付けするなど、工夫されていました。一般向けの本だと思いますが、これは地質屋さんが読んでも良いでしょうね。

1部、2部では、プレートテクトニクスを根底に置いた日本列島の形成過程に関する過去の議論、一般論が書かれています。
3部は、地質屋さん向けの話ですね。日本列島押し出し説(知りませんでした)など、比較的新しい議論も紹介されています。水平構造なども含めた、このあたりの論文は個人的にわかりにくい部類だと思うのですが、この本では絵を簡略化し、わかりやすく書かれています。

最後の地質帯各論も、良く整理されたなあと思います。「付加体の形成過程を・・・」と偉そうに言いながら、そのベースである日本列島のでき方を十分に理解していない私には、ちょうど良いレベルでした(北海道はいまだによくわからないです)。以下に端折って書き残しましょう。


①大陸起源(主として北中国地塊起源)
├大陸地殻(北中国地塊)
│├日立変成岩類(500Ma:カンブリア紀花崗岩類、変成岩)
│├南部北上帯(450Ma:オルドビス~シルル紀花崗岩類、中・古成層)
│├飛騨帯(310~170Ma:花崗岩、250Ma片麻岩)
│└肥後帯(250Ma:片麻岩)
└南中国地塊との衝突帯?
 └宇奈月帯(253~258Ma:中圧型変成岩)

②南北中国衝突(中国地塊の付加体起源の蛇紋岩メランジュ)
├三群-蓮華帯(300Ma:高圧型変成岩)
└黒瀬川帯(ペルム紀付加体、蛇紋岩メランジュ)

*300~150Ma:ペルム紀~ジュラ紀のパンゲア超大陸の形成
・日本列島が30Maに大陸から分離したとされていることは有名ですね。その随分前に、2つ以上の地塊が沈み込み帯により衝突した、それに③の付加体が順次形成されたという発想ですね。

③ペルム紀以降の地質体
├非変成・弱変成付加体
│├秋吉帯・超丹波帯(ペルム紀~トリアス紀)
│├渡島帯・北部北上帯・足尾帯・美濃帯・丹波帯・秩父帯(ジュラ紀~前期白亜紀)
│└四万十帯・空知-エゾ帯・日高帯((白亜紀後期~古第三紀))
├過去に付加した島弧・背弧系
│└舞鶴帯(ハンカ地塊?)
├高圧型変成帯(沈み込み帯の深部)
│├周防帯(220Ma:ペルム紀~トリアス紀)*以前は三郡に含められていた
│├智頭帯(180Ma:ジュラ紀)*以前は三郡に含められていた
│└三波川帯(90~60Ma:白亜紀後期)
├高温型変成帯
│├阿武隈帯(110~120Ma)*変成ジルコン年代
│└領家帯(85~100Ma)*以前は新期・古期に分けられていた
└北海道の変成帯
 ├神居古潭帯(145~50Ma)*高圧型:複数の変成年代
 └日高変成帯*高温型:東西北海道衝突の際にめくれ上がった大陸地殻

*島弧拡大:湖の形成と海の流入(30~20Ma)、回転(20~15Ma)*押し出し?
・中央構造線やフォッサマグナはこの形成過程で作られた
・15Maでは東北日本の大部分は海没→グリーンタフ堆積
・背弧拡大の原動力は、プリュームの上昇?定説なし?

④島弧の衝突(外来性)
├千島弧
└伊豆・小笠原弧(12Ma~現在)


こうしてみると、日本列島が誕生したのは、つい最近ですね。




空中電磁探査データの可視化 その2

先日の続きです。

EmEditor ですが、ちょうど Ver.UP で csv 関連機能が強化されており、 セパレーター変換機能も備わっていました。ラッキーですね。
Ver.14.7 へ UP 後、カンマ区切りをタブ区切りに変換。
その後、MicroAVS で読み直してみますと、完璧。表示されました。が、色を変えようとすると、非常に時間がかかります。

このデータを改めて MVS で読んでみました。
今度はちゃんと読めますね。AVS ベースの同じエンジンなのでしょうね。ただ、読み込みはできたものの「GDoption の cache が足りない」というエラーを吐いて表示してくれません。 Help を見て「Load EVS Field」の cache を500MBに増やして表示してみましたが、今度はメモリーエラーで強制終了。仕方ないので、「Plume Volume」につなげて、閾値以上のみを部分表示させてみました。が、ダメですね。なぜか node を結ぶ線が表示されています。ちなみに、クリギングだとフリーズ。
時間をかけましたが、MVS での可視化は困難なようです。

ちなみに、Tecplot は node のみの処理が困難、Voxlerはメモリーエラー、ReCapはさすがに読み込み速度や動きがダントツに良かったのですが、強度としての取り込みができず。
手近なソフトでは、MicroAVS で妥協すべきなのでしょう。

空中電磁探査では、平面的に必要な精度(間隔)を保ちつつ、広域にデータを取得することが可能です。その結果を利用する場合、大量のデータを高速かつ精度を保ちながら表示するソフトが必要となります。当然、その後の cad データ読み込みや、動画での提示も可能なものを選択する必要が出てくるでしょう。
今後の動向によっては、探査のプロが使用されているソフトを検討すべきでしょうね。気にかけておきましょう。



2014年12月21日日曜日

空中電磁探査データの可視化

崩壊面の3次元形状をチェックしようと思い、頂いた空中電磁探査のデータを重ねようと考えました。

空中電磁探査は未経験でしたので、オリジナルデータや汎用データがどのような形式か知りませんでした。離散データがオリジナルかと思いきや、周波数毎の平面データをオリジナルになるとされていることが多いようでした。それらを鉛直に補間し(これもノウハウがあるようです)、できた3次元データが成果となります。今回はその3次元データをグリッド化し csv にしていただきました。

で、いざ可視化しようとしたのですが、MVSが言うことを聞いてくれません。AVS 用の fld データ(データ構造の指定)を作成し、頂いた csv を指定するだけなのですが、読み込んでくれません。
しばらく悩んでデータをチェックしたところ、いくつか平面・深度方向に欠落している箇所があり、非構造格子の離散データとなっていました(fldデータは構造格子として指定していたので、エラーとなったようです)。
あらためて fld データを書き直し、いざ、読み直し!
でも、まだ駄目。読んでくれません。

サイズが大きすぎたか?と思い 64bit 版の MicroAVS で試してみました。
こちらの付属ツールでfld データを作成し直し、読み直し!
ですが、こちらもダメ。

色々悩みながら、ふとHELPを見てみますと、以下のような記述が。
http://www.cybernet.co.jp/avs/support/microavs/faq/dataformat/003.html
区切り文字にカンマは使用できないようです。MVS も多分、これが原因でしょう。今まで、偶然にもタブやスペース区切りのデータのみを扱っていたので、気づかなかったのでしょうね。

ま、原因が分かったとして、2000万点以上のデータのセパレーター変換は、EXCELでは不可。EmEdior で可能でしょうか?

続きは後日。

2014年12月14日日曜日

コーンペネトロメーター

粘性土の強度推定にコーンペネトロメーターを使おうと思いつきました。

私自身、使ったことがありません。昨年使おうかと思いましたが、深度が深すぎて断念。今年、後輩が使いたいというので、再び引っ張り出してきました。

つくりが簡単なので、容易にできると踏んでいたのですが、これが難しい。機種はOYO製のポーターコーン(2重管)なのですが、変位を測定する2重のリングの使い方が全く分かりません。周りの方に聞いてみましたが、ほぼ未経験でわからず。使ったことのある方も、8~10年前とかのレベルです。
http://www.oyoks.co.jp/catarog/P06.pdf

たまたま、大先輩が来店されていましたので使い方を聞いてみたところ、よく覚えていらっしゃいました。さすがです。
見ていただいたところ、2重リングの接続部が故障していたようで、1重リングとしてなら使えるとのこと。使い終わったら修理しましょう。
ついでに、いくつか質問してみました。

Q: なぜ使われなくなったのか?
A: 地盤に入らないから。(基本は軟弱用で、砂が出ると入らない)

Q: 粘土と砂は分かるの?
A: 砂は入らないし、入っても針の触れ方が全然違うのでわかる。(砂はビョンビョン振れる)


地盤調査の道具の基本構造は、昔からほぼ変化していないように思います。シンプルかつ耐久性が求められているので、ほぼ出来上がっているのでしょう。
こういった道具の使い方は古い技術者の方が得意かもしれません。技術の伝承とまで大げさではないですが、今のうちにノウハウを引き出しておかないといけないように感じますね。今後も機会があればいろいろ尋ねてみましょう。


2014年12月13日土曜日

油圧ショベルの大きさ

先日、ミニユンボを運搬車に積んでいた時のこと。

機体の大きさからみると重量1t程度かと思います。でも、通常はバケットの容量で油圧ショベルの大きさを表します。いったい、積んでいるミニユンボはどの大きさと言えば良いのか?と思い周りの方に聞いてみました。が、誰も詳細がわかりませんでした(ミニの大きさは車体幅と掘削可能深度しか気にしませんので)。
良い機会ですので調べてみました。


日立建機
http://www.hitachi-kenki.co.jp/products/excavator/medium/index.html

製品一覧
型式運転質量 kgエンジン
定格出力 kW
バケット容量 m3
新 JIS
低騒音
指定状況
排ガス対策
指定状況
ZX110-310900690.45超低騒音基準クリア
ZX120-5B1220073.40.50超低騒音基準クリア
ZX160LC-5B1660090.20.60超低騒音基準クリア
ZX200-5B198001220.80超低騒音基準クリア
ZX240-5B238001321.00超低騒音基準クリア
ZX280-5B278001401.10低騒音基準クリア
ZX330-5B319002021.40低騒音基準クリア111


小松製作所
http://www.komatsu-kenki.co.jp/products/excavator/

標準仕様
機械質量
(kg)
バケット容量
(m3)(JIS)
PC160LC-8
16600
0.65
PC170LC-10
17200
0.65
PC200(LC)-10
19600 (21000)
0.8
PC210(LC)-10
21700 (22600)
0.8
HB205(LC)-2ハイブリッド
1999021300)
0.8
HB215(LC)-2ハイブリッド
2200022900)
0.8
PC220(LC)-10
23000 (24500)
1.0
PC230(LC)-10
23800 (24800)
1.0
PC300(LC)-10
31100 (31880)
1.4
PC350(LC)-10
33290 (34070)
1.4
PC400(LC)-10
43100 (44000)
1.9
PC450(LC)-10
44600 (45500)
1.9
PC600(LC)-8E0
59125 (60125)
2.7
PC650(LC)-8E0
59925 (60925)
2.8
PC800-8E0
75000
3.1
PC850-8E0
79500
3.4
PC1250-8
109900
5.2
PC2000-8
200000
12.0

クボタ

超ミニバックホー

型式
機械質量(kg)
標準バケット容量 (m3)
最大掘削深さ
K-005-3
500
0.011
1,305
U-008
H870
DH890
0.018
1,600s
U-10-3
980
0.022
1,800



これらを見る限り、基本的には機械質量で機体に品番が振られているようですね。0.5m3だと12tで120、1m3だと24tで240程度の品番が付けられているようです。このような決め事?は知りませんでした。
馴染みのあるキャタピラー社は違いますね。質量と品番が一致していません。
ミニ油圧ショベルのみ合っていますので、日本だけの決め事なのでしょうか?
http://www.cat.com/ja_JP/products/new/equipment/excavators.html

今回積んだ機体は007と書かれていましたので、約700kgですね。機体から想定されるバケットは約0.02m3。スッキリしました。

一般的には、掘削深・容量だけでなく、運搬時の積載荷重(車両とアルミブリッジ)に注意しないといけないので、これらの関係は押さえておく必要がありますね。このあたり、設計段階ではどのように考慮・選定し、仮設道を設計しているのか、機会があれば聞いてみましょう。


2014年12月10日水曜日

締め固めた土の強度

「締め固めた砂質土の強度を設定するには、どのようにすれば良いの?」
設計者からの質問です。

砂質土(=排水材料)として評価するのであれば、通常の3軸CD試験の実施が多いのではないでしょうか?
その場合、最大乾燥密度の90%で最適含水比付近、もしくはその高含水比側の強度を調べなさい!といわれても、不可となります。三軸で水を回した時点で含水比が変わり一定値となります。最大乾燥密度の90%で規定すれば、供試体作成時の含水比にかかわらず、同じ結果に落ち着くはずです(あくまで理屈では)。

では、なぜ強度試験用の供試体作成時に含水比を指定する基準があるのか?
おそらく、粘性土(=非排水材料)を念頭に置いているのでしょう。
粘性土の場合、締め固めた土の湿潤側で、一軸圧縮強度(非排水強度)が小さくなります。降雨時を考慮した場合、強度低下の恐れがあるため、設計上は安全側の湿潤側の強度が欲しいところなのでしょう。地盤工学会「土の締固め」p13の図2.4.4が分かりやすいと思います(透水係数は逆ですね)。

実務的には、その土や現場が有する特性(排水・非排水、せん断速度など)、適用する計算式によって、割り切って試験を選定すべきなのでしょう。

2014年12月7日日曜日

土石流特有の式

モデル化の方法は、連続体と離散体の2種。
連続体であれば、土砂と水を別に扱う2流体と、相間の影響を陰に含んだ1流体の2種。KANAKO は後者のようです。濃度やら河床変動やらを取り入れているのは、このためなのでしょう。

この週末、いくつかの参考書・文献を読んでいましたが、土石流特有の以下の式(高橋の式と言うそうです)の導出を見つけることができませんでした。

・河床せん断力
・浸食速度式
・平衡土砂濃度式

出典を追っても、導出が省かれている。また追いかける、その繰り返しでした。特に、土石流・掃流状集合流動・掃流砂の区分に用いられている閾値の意味がわかりません。運動方程式を使うときに深度方向の流速を一定と仮定しているのに、省略されているということは、砂防分野では当たり前の式・閾値なのでしょうか?

うーん。早くも手詰まった感じです。
もっと基礎から始めないといけなさそうです。

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2014/12/28追記

高橋の式の導出や閾値の根拠について問い合わせてみたものの、明示されず。紹介された論文に書かれている概要の理解で問題ないようです。
ま、Hyper KANAKO を使用する必要がなくなったので、「高橋の式」を理解する必要がなくなったのが幸いです。次に必要に迫られたときは、他の方の(根拠が分かる)モデルを採用しているツールを選択できれば良いのですが。

2014年12月6日土曜日

連続の式・運動方程式

まずは大雑把ですが、土石流(KANAKO)の「連続の式」と「運動方程式」をやっつけましょう。

参考にした資料は以下の通りです。

  • 河村哲也「河川の流れのシミュレーション」山海堂 pp.1-23(導出はこれ)
  • GUIを実装した土石流一次元シミュレータ開発:中谷加奈,里深好文,水山高久,砂防学会誌,Vol.60, No.2,pp.41-46, 2008
  • 土石流計算における1次元・2次元シミュレーションモデルの結合,和田孝志,里深好文,水山高久,砂防学会誌,Vol.61,No.2, p.36-40,2008
  • 中村ほか「地震砂防」pp.121-123 
  • 土研資料「深層崩壊に起因する土石流の流下・氾濫計算マニュアル」p23(KANAKO 使用前提のマニュでしょうか?それとも砂防では基本的な式なのでしょうか?)

*以降、誤りがあれば、随時修正します

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ρを定数とし、鉛直方向に積分した連続の式は、以下の形になります。

∂h/∂t+∂M/∂x = a

ただし、M = Uh (流束)で、U は u の深度方向の平均速度です。

LSFLOW では a の部分が 0ですが、KANAKO では河床変化につりあう水+土砂量(河床変動の式侵食・堆積速度)となっています。また、別途、土砂濃度を両辺に乗じ土砂量のみのつり合いも別式として加えています。
ちなみに浸透流では鉛直方向に積分する必要がないので M が vi になり、ρの変化がないと仮定すれば第1項が消え、右辺のaが注水・揚水、地盤が保持する量として考慮されます。

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運動方程式は、LSFLOW と KANAKO が同類ですね(浸透流はダルシー則)。
どちらもナビエ・ストークスを鉛直方向に積分して得られる「河川の基礎方程式」のようです。ただし、KANAKO は初めから粘性項を無視しています(下記の通り)。LSFLOW では、実務上粘性を0とみなす事が多いので、実質同じでしょう。uが深度方向に一定 = U と仮定すると、以下の通りとなります。

∂M/∂t+∂uM/∂x= -gh∂H/∂x-τ/ρ

この中の∂H/∂xを水面勾配、τを河床でのせん断力で表現しているのが KANAKO。ただし、せん断力の中身については、まだ理解できていませんので、ごっそり後回しです。
LSFLOW はτをクーロン則、ニュートン型の粘性抵抗則、マニングの抵抗則として選択できます。

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20200530一部修正

2014年12月5日金曜日

土石流の支配方程式

Hyper KANAKO をさわることになりました。

昨年の LSFLOW が比較的容易でしたので、今回も、同じ平面2次元であれば、何とかなるだろうと踏んでいます。LSFLOW は既に岩盤のほぐし率まで考慮できるよう改変済みなのですが、今回、私の頭が追い付けば KANAKO も統合してみたいと目論んでいます。


が、甘くないですね。早々躓きました。土石流の支配方程式が理解できません。
運動方程式は比較的スタンダードな形ですが、x方向のせん断力をh(水深)で割っている理由がイマイチ分かりません。hを定数とみなし、全体をhで割った結果でしょうか?連続の式も右辺が0でなく、数値が入るようです。ま、これは河床変動とつりあわせるための修正でしょう。
一番とっつきにくいのが濃度。土石流の土砂移動は濃度で扱うようです。これには驚きました。
平行濃度とは何ぞや?土石流・掃流状集合流動・掃流砂の濃度閾値の意味は?その式の中身は、など疑問点山積みです。ただ、先輩に聞けば、河川砂防の分野では常識的だそうです。確かに、どの論文をみても導出がないので常識的なのでしょう。運動方程式や連続の式はすぐ追えると思いますが、濃度は自信ないですね。

まだ時間はありますので、一つずつクリアーして行きましょう。



2014年12月2日火曜日

V-nas でスケール変換

A1 サイズの測量断面に、地質を入れて A3 サイズに縮小(AutoCAD のレイアウトで設定)し、プリントアウトしたものを説明資料としています。A1 で提出することはほとんどありません。

ココで問題になってくるのが電子納品。A3 サイズ自体は良いのですが、余白が A1 の半分になっていることから、チェックシステムで NG 判定となります。AutoCAD 側で電子納品用の A1 レイアウトを追加すれば良いのですが、レイアウト上の文字等の再配置は面倒です。
最終的には V-nas の CAD チェッカーでエラーのないように仕上げるため、そこで一気に修正できると手間が省けます。以下、その手順です。

1. レイヤ編集で「登録」ボタンを押す:現在の表示レイヤーを記憶させる。
2. レイヤー全表示
3. 編集-変更、オブジェクトを全選択し、スケールを AutoCAD の A3 レイアウトで設定したスケール(ex.1:400)に設定。なお、寸法の単位は AutoCAD で設定したものを選択しておく。
4. 編集-スケール変更で2倍(ex.1:200)に設定。
5. スケールを示す文字を変更
6. 印刷設定を A3 から A1 に変更
7. レイヤ編集で登録した画層設定に切り替え
8. CAD チェッカーをかけてエラーを自動修正し、保存。


3Dプリント

CIMの試行業務で、復建さんの3Dプリンター利用例が紹介されていいます。広島県の安芸津バイパスのようです。
http://www.jacic.or.jp/movie/jseminar/pdf/movie20140904_motomura.pdf

フルカラー3Dプリンター ProJet 660Pro だそうです。CMYK の4色とも使えるタイプのようです。初期投資、1000万程度でしょうか。資金のある会社は違いますね。
http://www.fukken.co.jp/news/8005/


私も以前、3Dプリントしてもらったモノをお客様に届けたことがあります。が、「ちゃちっ!」の一言で終わりました。良いプリンターを使用しないと、お客様には満足いただけないようです。プリントサービスを手掛けている会社も、大変でしょう。

もっと大きく、精巧で、安価にフルカラー印刷できるようにならないと、土木の3Dプリントは業務で根付かないでしょう。といっても、ハード・価格は数年で実用レベルまで向上するでしょうから、それほど遠くない未来には、対応を迫られるでしょうね。