2015年12月2日水曜日

薄層のモデル化

土木学会「実務に役立つ耐震設計入門」を読んでおりますと、薄層の取り扱いについて留意点が書かれていました(p157)。

地震応答解析で1m程度の薄層をモデル化するか否か?については、以前、書き留めています。
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/03/blog-post_28.html
http://phreeqc.blogspot.jp/2012/03/2.html
基本的には平面的な広がりを判断すべき、という考え方だとおもわれます。が、解析については別の視点から検討されています。以下の2例で説明されています。

・軟らかいものの中に硬い薄層が入っている場合
・硬いものの中に軟らかい薄層が入っている場合

前者については、応答変位・応答加速度が変わらず、後者は大きく変化する場合があるので注意が必要という結果。これはこれで、一つの判断材料になります。

1・2次元であればモデル化は容易なので、薄層が広がるケース、広がらないケースの両方で検証すれば良いでしょうね。その結果、安全側の設計を取るのも良し、あるいは対策工の金額差と調査追加費を比較し、後者がかなり安くなるようであれば追加調査を行うのも良しでしょう。いずれにしても、お客様の意向を伺う材料までは提示できるわけです。

薄層の問題は地震応答解析だけではなく、基本的な設計にも関わる課題です。地質屋さんの判断が大きく影響する可能性が出てきますので、難しいですが目をそらさずに向き合わなければなりません。

0 件のコメント:

コメントを投稿