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2011年12月19日月曜日

孔内水平載荷試験の再現 その4

以前、孔内水平載荷試験の結果を数値計算で再現すれば、ダイレイタンシー角ψを同定できるのでは?と考えたことがあります。その時は、SoilPlusが関連流れ則しか扱えなかったため、同定作業自体ができませんでした。
http://phreeqc.blogspot.com/2011/08/3.html

今、MIDAS社からGTSをお借りしていますので、そちらで確かめてみることにしました。プリはSoilPlusもMIDAS社から提供を受けているので、操作性は同じです。ただ、こちらは軸対象で水平方向の荷重を扱えますので、2次元で計算できます。3次元より計算時間が早いので、すぐに結果がわかります。

計算結果はこんな感じです。ゾンデ60cm間に1000kN/m2を10分割でかけました。

変位のグラフの例です。


ゾンデの先、余掘り分15~20cmをモデル化し忘れたので、メッシュを切りなおそうとしました。が、同じ領域でメッシュを切りなおした場合、前の節点の情報をクリアしないようです。バグでしょうか?
仕方ないので、そのまま比較することに。

比較は弾完全塑性の関連流れ則、非関連流れ則、ひずみ軟化で行いました。
パラメータはダイレイタンシー角ψと単体以外、試験での実測値や算出値を使用しています。パラスタはしていません。変形係数は試験でポアソン比を仮定して得られた値、K0は土被り圧とP0より算出、φ'peakは深川の方法、せん断抵抗力(ピーク、残留)はσr-σθで求めた値を使用しました。なお、ψは仮にφ-30°として設定してみました。
ピーク、残留をφで指定できないのは、ソフト上の制限です。実務でGTSのひずみ軟化を使用する場合、砂質土をモデル化するには、深度毎に分割しないといけないようです。

で、結果は以下の通り。

うーん、弾性変形の傾きがやや立っていますね。試験時のポアソン比の設定が良くなかったのでしょう。逆に、試験でGがわかるので、パラスタで適切なポアソン比(=変形係数)が設定できそうです。

この結果では、ひずみ軟化が最も合っていますね。試験で求めた値を使うとばっちり合うのでしょうか?結論を得るにはもっとやってみる必要がありそうです。非関連も、まあ、許容範囲でしょうか?関連は駄目(つまり、SoilPlusでこの土の解析はダメ)ですね。

ちなみに、これは載荷区間の変位の平均値をグラフ化しています。実際の孔内水平載荷試験も、土砂の場合は水の注入量から平均的な変形量を算出していますので、こういった簡易な整理も良いと思います。

載荷区間の下の方は、余堀をモデル化していないミスで変位が抑制されています。試しに下15cmをオミットして平均をとると、以下の通り。


それほど変わらなかったですね。ひずみ軟化が良さそうです。


除荷、再載荷をしてみました。


感動!ちゃんと除荷時に変位の大きい側で低下し、負荷時に小さい側で上昇するループを作っています!実際の土もこういった挙動になるのですが、理由はちゃんとあるんですね。構成則を作った昔の人は偉い。すばらしい。


結果としては当ケースの場合、ひずみ軟化が良いでしょう。ψの同定を目的に始めましたが、思わぬ収穫でした。孔内水平載荷試験の結果より、適切な土質定数(の範囲)を設計側に助言することは可能ですね。

うーん、しかし、この結果はひずみ硬化ですよね?弾完全塑性やひずみ軟化としてモデル化しても、結果はひずみ硬化のような挙動を示しています。硬化と軟化、弾完全塑性の区別が良く分からなくなってきました。
まだ理解していない証拠です。もう一度、勉強し直す必要がありそうです。



2011年9月1日木曜日

The Verification Problems of FLAC3D

FLAC3Dのマニュアルを読み始めました。
ソフトの特徴がわかりやすいのは、やはり実際の問題を解いている章ですね。

Verification Problems の章では、理論との検証を行っています。まず引き止められたのが、最初の検証 Cylindrical Hole in an Infinite Mohr-Coulomb Material です。マニュには以下のような概要が記載されています。
Stresses and displacements are determined numerically for the case of a cylindrical hole in an infinite elasto-plastic material subjected to in-situ stresses. The material is assumed to be linearly elastic, perfectly plastic, with a failure surface defined by the Mohr-Coulomb criterion, and both associated (dilatancy = friction angle) and non-associated (dilatancy = 0) flow rules are used. The results of the simulation are compared with an analytic solution.
これ、理論解があったんですね。知りませんでした。
孔内水平載荷試験(岩盤)では弾性域で厚肉円筒理論が使われていますが、ここで紹介されている式は塑性領域まで含まれており、導出が異なっているようです。単純な問題ですが、手法が複数あるというのは面白いですね。

また、ここでは理論解との検証が目的で計算を行っています。結果は、当然理論解と近い値を示していますが、関連・非関連流れ則で応力-ひずみ曲線が異なっているようです(グラフしか載っていませんので、正確な値は不明)。以前書いたように、孔内水平載荷試験結果を再現し、ψを同定するというのも、目的は異なりますが同じ手法で良いでしょうし、FLAC3Dで可能ということでしょう。

ただ、理論解があるなら、ψの同定はそれで十分ですね。
文献、取り寄せてみましょう・・・と思いきや、仏語。
どうしましょう。
ま、数式を追いかけるのがメインなので、なんとかなるでしょう。

2011年8月5日金曜日

流れ則

10年くらい前、地盤工学会の「土の強さと地盤の破壊入門」を読んで、その多彩さに感動したのを覚えています。

モールの応力円、ひずみ円が丁寧に解説されており、土質力学を勉強中だった私は非常に助けられました。(今も勉強中ですが。)
ダイレイタンシーはそのころよく聞いていた単語です。せん断によって体積膨張する場合(ダイレイタンシーが生じている場合)にダイレイタンシー角νが正、収縮で負と覚えました。

流れ則( Flow rule )を再確認するため、再度読んでおりますと、いろいろ忘れていることがありました。

①平面ひずみ状態(ε2=0)におけるダイレイタンシー角関連の定義
  • 収縮・膨張のない面が、最も圧縮しているε1方向となす角度ε' 
  • その面上の要素が単純せん断で生じる変形モードの(収縮・膨張のない面となす)角度ν・・・p55、図2.20
  • 最大せん断ひずみ増分(  )によって生じる体積ひずみ()の率
    ここですっかり忘れていたのが、平面ひずみ状態であること。三軸圧縮試験ではε2≠0なので、上記で定義されたダイレイタンシー角νの物理的意味は明確ではありません。
②流れ則  Roweのストレスダイレイタンシー式 R=KD または、
  • 平面ひずみ圧縮 
  • 三軸圧縮     
    関連流れ則は図2-37のようにひずみ増分の生じ方(流れ則)が破壊条件に関連している現象を示すものでしたね。
なぜ、流れ則 と言うのかは、式がポテンシャル流れと同じ形だからだそうです。
なるほど。