2014年5月29日木曜日

聞かれたことには答えません!その2

一方では、残念な部長様が他支店にもいらっしゃいます。

その方に仕えるのが嫌になり、やめられた優秀な先輩もいます。
噂ではいろいろ聞いていたのですが、ついに巡り会ってしまいました。

なるほどです。まださわりだけなのですが、「聞かれたことに答えません!」を地で行く方でした。結局、忙しいと言われるだけで具体的な内容確認ができず(質問を箇条書きにしてもダメ)、身動きが取れないまま1週間が過ぎました。まだ見通しも立っていません。私の仕事ならあり得ない(聞かれたことにすぐ返答しないことも、部下を拘束することも)ですが、こういったやり方で仕事をされているのでしょうね。利益がでないのも当たり前でしょう。

そういえば、周りから「ダメ」と言われている方々には共通点がありそうですね。
  • 学会発表が好き。アカデミックな議論好き(でも、基礎知識に乏しい)。研究者と対等に話していると思っている。こだわりがある箇所は引かない(でも間違っているか思い込みの場合がある)。鉄のハート。
  • 時間が遅く流れている。でも、忙しそう(でも、部下より働いていない)。レスポンスが遅い(年を取ると仕方ないのか?)。
  • 現場作業はできない(これも仕方ないか)。でも、視察はする。
  • Word、EXCEL程度はできるが、その他はほとんどできない。
  • 結果、仕事を一人で完結できないので、必ず部下が必要。口は出すが手は出さない(出せない)。
  • 結果、生産性が悪いことが多い(利益が出ない)。
  • でも、経験はあるので、仕事ができないと思っていない。プライドがある。
  • 聞いたことに答えない。代わりに自分の知っていることを話しだす場合がある(それは聞いていない)。
  • 部下が指摘すると不機嫌になる。不機嫌になると謝らない。返事もしない。
私も歳を取ると、こうなってしまうのでしょうか?
うーん。迷惑はかけたくないですね。

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2014/06/08追記

先日、地質関連の講演会に出席するよう要請がありました。

久しぶりに出席して驚いたのですが、会場は満員でした。
私のように要請があって出席した方もいらっしゃると思いますが、それでも、地質関連は衰退の一途と聞いていましたので、その集金力・組織力には驚きました。
出席者を見ると、やはり年配の方が多い。もともと、若手が少ない業界ですが、こういった講演会は主に年配の方が運営されていますし、、実務に携わっている方は出席し辛い(私も3連休がすべて仕事になりました)ので、余計年配の方が目立つのでしょう。
ま、これはこれで良いと思うようになりました。年配の方は実務に携わらず、こういった活動に精を出して会社や自身のために努力されるべきだと思います。

効率的に実務ができるのは、経験的に、50代前半までかと思います。それ以降は受注(TECRIS)対策や、知恵袋的な存在、経営戦略、団体・学会活動に精を出していただくべきでしょう。ま、このあたりは今も昔も変わらず、どの業界もそのようになっているかとは思います。

今後、私がその年代になった時に、これを見返してどう思うか興味がありますね。

2014年5月28日水曜日

井の中の蛙

設計者と一緒に協議に行きました。

お客様を圧倒する専門知識、余裕をもって答える姿勢に感心。知らないことがまだまだたくさんあると、あらためて気付かされます。

狭い中で仕事をしていると、いけません。他の方の実戦を見せていただくのも良い勉強になると思います。

2014年5月26日月曜日

ゆるみを考慮した安定計算

地すべり土塊内にて滑動方向と平行にトンネルを掘削する場合の式を変形します。
(財)高速道路技術センター「トンネル掘削を誘因とする地すべり対策に関する基本検討報告書(日本道路公団委託)」平成8年



横断形状で、トンネルがすべり面を切る区間bの粘着力c"を0(cの低減率=0)とし、すべり面の横断長Bで分担(平均化)させた式です。以下のように考えるとわかりやすいでしょうか?



ゆるみを考慮する場合、ゆるみ領域がすべり面を切る区間bの粘着力c"を0.3cとみなして分担させれば報告書の説明に合致します。φも同様にφ"=0.75φとして扱い平均化すれば一致しますね。
厳密にはスライス毎の横断チェックが必要になりますが、先人がそこまでしていたとは思えません。代表断面といった考えなどで省力化されていたのでしょう。


2014年5月24日土曜日

トンネルと地すべり 安定計算

地すべりがトンネル掘削によって影響を受ける場合の、安定計算手法です。

LEM での手法は限られており、実務上は NEXCO さんの設計要領に載っている手法1択です。いえ、厳密には旧JH委託報告書と合わせて2択でしょうか。コレです↓
(財)高速道路技術センター「トンネル掘削を誘因とする地すべり対策に関する基本検討報告書(日本道路公団委託)」平成8年
確か、平成18年頃の設計要領に「詳細は旧JHの委託報告書による」といった趣旨の注意書きがあったのですが、現在はなくなっています。

今回、地すべり土塊内にて滑動方向と平行にトンネルを掘削する場合と、地すべり直下をトンネルが横断する場合の2者を実施しました。前者では、すべり面の横断形状が必要です。

なお、旧JH さんの委託報告書と NEXCO さんの設計要領で、異なる点があります。具体的には以下の通り。

・ゆるみ領域
NEXCO: 2.0D まで
旧JH委託: 1.0D まで

・土塊内を並走する場合:ゆるみ考慮の有無
NEXCO: 掘削による荷重変化のみ考慮。ゆるみは考慮しない。
旧JH委託: 荷重変化に加え、ゆるみを考慮することが可能。

・低減値の下限
NEXCO: cの下限値0.4
旧JH委託 cの下限値0.3、安全率0.95程度(すべりの型による)の逆算値を下回らない程度。


旧JHの委託報告書で 1.0D とされましたが、設計要領は改訂されず、現在に至ります。ま、実務上は安全側という殺し文句で現行通り 2.0D とすれば良いのですが、なぜ改訂されなかったのか疑問です。

一方、ゆるみに関しては現行の方が危険側。坑口部で地すべりに突っ込んでいく場合、ゆるみを全く見込まない計算方法では怖いですよね。コチラは旧JH委託報告書を優先したいところです。
ただ、肝心のゆるみを考慮した場合の計算式が、あいまいにしか書かれていません。文章を読めば展開できるのですが、実務上はやや(検査対応として)使いづらいものがあります。

当時のことは今となっては分かりません。相違点については設計要領を優先しつつも、着地点(対策)を見据えて検討する必要がありそうです。


2014年5月21日水曜日

3D PDF その2

昨日ダメだったPDFですが、今日はうまく行きました。

昨日は 3D PDF for AutoCAD を使っていましたが、その際「SimLab Composer がクラッシュして変換できない」という旨のエラーが多発していました。
今日、気になって調べてみると、 SimLab Soft という会社から全く同じプラグインが発売されています。どうなっているのかわかりませんが、内容はほぼ同じものです。
http://www.simlab-soft.com/3d-plugins/AutoCAD/3D_PDF_exporter_for_AutoCAD-main.aspx

ほぼ同じもの(エンジン、アイコン、ダイアログまで)でしたので、こちらで試してみてもクラッシュします。ただ、クラッシュした際に親切なダイアログが出てきました。
「多くの場合、trialの期限が切れているか、メモリーが足りないか、・・・」
あ、そういうことですか。打ち出し用も兼ねて A3・300dpi でだそうとしたので、メモリーが足りなかったのでしょう(64bit版で売りだされているはずですが)。

理由はわかったので A4・72dpi で出力すると、完璧。
TINサーフェスからソリッドまで、綺麗に変換出来ました。満足です。

しかも、HTML5への変換も対応しているようです。試してはいませんが、ま、これはおまけと考えていいでしょう。価格も SimLab 3D PDF exporter for AutoCAD のほうが安いですね(もともと高くないですが)。
実装すれば 3D の壁もひとつ乗り越えられるでしょうか?



2014年5月20日火曜日

3D PDF

以前から気になっていた 3D PDF の作成を試してみました。

まずはAcrobat Pro XI をインストール。これはライセンスが余っていました。
次に入れたのが、3D PDF Converter のお試し版。Acrobat のプラグインです。
これで準備はOKです。

ソースは MVS から書き出した 3D PDF 用のVRMLです。Acrobat で VRML を開くだけですので操作は簡単です。
が、結果は全くダメ。粗すぎです。高品質な設定にしてもダメでしたので、VRML にした時点で粗くなってしまったのでしょう。

次のソースは Civil3D の dwg。そのままでは Converter が認識しません。
いくつか変換して読める形式にしましたが、なかなか TIN サーフェスが pdf に変換できません。MAX 経由で 3ds に書き出せば読めましたが、色が真っ黒。MAX 使いの方なら簡単に直せるのでしょうが、私にその知識はありません。


ということで早々に諦め、3D PDF for AutoCAD を試すことにしました。コチラもお試し版です。

Civil3D 2014にも対応しているようですが、動作がイマイチ。最初の内は3回に1回程度はpdfになっていたのですが、最終的には全く変換できなくなりました。もう1台の PC でも試しましたが、こちらは1回も変換できませんでした。
ただ、運よく吐き出された結果は抜群に良かったですね。ボーリングの旗揚げ文字が、きちんと正面を向く仕様にになっていました。拡大縮小に合わせて文字の大きさも見やすいように自動で調整されます。pdfでここまでできるとは思いませんでした。


結果としてうまくいかなかったのですが、良い発見はありました。
3D PDF for AutoCAD は価格も安いですし結果も良い。現状では正常な動作が確認できないため購入しませんが、次のVer.が出たら検討しましょう。


2014年5月18日日曜日

岩盤崩壊と貫入岩

後輩が担当している道路際の岩盤崩壊現場についていきました。

崩壊した箇所では断層、貫入岩が入っており、破砕や変質が進んでいます。崩壊しなかった箇所では比較的きれいな地質でしたので、因果関係があるのかもしれません。以前、じっくり見なおした崩壊現場と似たような地質だと、ふと思い出しました。

ボーリングコアも見ました。
貫入岩が複数入っています。現場では低角の受け盤に見えたのですが、コアでは高角の接触面が多く、分離が顕著。母岩では破砕とそれに伴う細脈が発達。貫入岩、クサイですね。
また、断層があると、ゆるみ範囲が分かりにくくなりますね。あたりまえですが。
ま、それぞれ BTV の結果が有効となるでしょう。

過去の空中写真も確認しました。
約40年前に崩壊しています。材料の経時変化(風化、膨張、ゆるみなど)の可能性もありますが、ギリギリのバランスになった箇所を改変したため、再度崩壊したと考えた方が、よさそうですね。
http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do にダウンロードボタンがついていました。地理院さん、頑張っていますね。)


現場を見るまでは、使い始めた UDEC の出番かと考えていましたが、通常のすべり計算で解決できそうでした。
今後、観測を行い、現場で構築した機構(素材・力学バランスとしての地形地質)が正解かを確認できるまで、もう少し待ちましょう。


2014年5月15日木曜日

UDEC で SSRM

UDEC の計算にて、大きく塑性化するモデルが出てきました。

ひずみは出ていないのに、塑性化領域が広がっていました。
おかしいと思い自重解析まで遡ってみると、その時点で塑性化していました。ひずみはリセットされて解析していましたので、次の stage でアンバランスな結果になっていたのです。与えたパラメータのバランスがまずかったのでしょう。

では、今の強度でどの程度の安全率があるのか?
UDEC ではSSRM(せん断強度低減法)が実装されています。solve にFOS を付けるだけです。簡単です。FLAC に入っているのは知っていましたが、個別要素法でできるとは、すごいですね。

結果、Fs=1.5でした。
ま、1.5ならおかしくはないと思ったのですが、最大せん断ひずみを見て、?となりました。岩盤を通る深いすべり(最大せん断ひずみの帯)が発生しています。表層に地すべりがあるにもかかわらずです。つまり、ジョイント(すべり面)の結合が強すぎて、岩盤のほうが先に壊れるという、バランスの悪い設定になっていたということです。SSR法で、定数のチェックができるとは思いませんでした。

で、岩盤中のダミージョイントのバネを剛に、すべり面のバネをノーマル(通常の変形係数から算出した値)に設定し、SSRMにて再計算!

が、結果は何かおかしい。
・変位を見ると、すべり面より上の土塊が動いています。
・ひずみの帯はすべり面の下の岩盤の中にできている。
・塑性化も、ひずみ同様に岩盤の中で連続しています。
・ジョイントはすべり面でスライドしている結果になっている。

ここまで来て、ようやく理解できました。

ひょっとして、ジョイントの変位はひずみとして表示されない(表示されても線なので分からない)のでしょうか?ジョイント(すべり面)が動いているので、上の土塊(ブロック)の変位は大きく出る。一方、ブロック中の要素は変形していないので、ひずみとして現れないと考えると、つじつまが合います。FEMではありあえない、個別要素法、もしくは UDEC 特有の表現なのかもしれません。

そうすると、最大せん断ひずみで応力が分担できずに発散しているのか、ジョイントで発散してるのかわかりません。
ジョイントもスリップしているので塑性化しているはずですが、これは塑性化として表示されないようです。私の操作がまずいのかもしれません。ブロック内の塑性化やひずみとジョイントのそれを一元化して表示する方法を見つけないといけませんね。プロに聞いてみますか。




2014年5月6日火曜日

GEORAMA 2014 の不具合

4月頭にリリースされた GEORAMA 2014 (2015ではありません)では、いくつかバグの修正があったようです。が、取り切れていない不具合もあります。

先日は斜めボーリングでのバグにぶつかりました(厳密には、Ver.3.2の方のバグです)。
処理範囲を回転させていると、斜めボーリングでの境界指定を御認識するようです。以前に同種の洗礼を受けていましたので何となく理解でき、さっさとボーリングでの境界指定を外し、断面での指定に切り替えました。
http://phreeqc.blogspot.jp/2011/04/georama2011.html


平面図で境界ポイントのZ値をブロックのプロパティとして入力することで標高指定が可能だったのですが、2014からできなくなりました。これは便利な仕様だと思っていたのですが、バグだったのですね。修正されてしまいました。


便利なんですが、クセが強く、なかなか他の方にはお勧めできないツールです。
もっと良いツール、ありませんかね。


基盤岩コンター図

今日は GEORAMA 2014 + Civil3D 2014 でボーリングを整理していました。

川中の既存ボーリングの数m上流側で掘ったのですが、岩着深度を見ると結構な逆勾配。現場では、「ちょっと考えられないね」「断面どうしようか?」などと話していました。
既存ボーリングを見ると、岩盤として確認しているのが 2m 弱。転石を岩盤と誤って判定していたのだろうと納得し、帰ってきました。

試しにと思い、GEORAMA 上で素直に逆勾配を入れてみました。
結果、良い感じ。
断面だけを見ると、自分で作っているにも関わらず、なかなか受け入れ難い絵になっているのですが、推定したサーフェスを等高線表示(基盤岩コンター図)にしてみると、全く違和感はありません。

基盤岩コンター図は、条件を変える度に自動で更新されます。「断面上のココをもう少し深くするとどうなるか?」「横断の勾配をもう少し緩く設定するとどうなるか?」など、地質屋の考える様々な条件をチェックできます。で、正解・不正解を教えてくれます。助かるツールです(相変わらず不具合も残っていますが)。欠点としては標高ラベルが自動で表示されないといったところでしょうか?

他の方に説明することを考えると、こういった一見おかしな結果は、断面だけ見てもらっても納得して頂けないでしょう。理解して頂くには他の材料、殊に3次元での考察結果が有用です。今回の場合は基盤岩コンター図がそれに当たります。たった1枚だけなのですが、その有無で説明時の労力、延いてはその結果が全く異なってくるでしょう。

データを可視化する、あるいは地質的考察を手軽に検証できるツールは、私にとって不可欠なものと、改めて感じた1枚でした。


2014年5月5日月曜日

技術士試験の申し込み

技術士試験の締め切りが迫ってきました。

今日、ネットで申込書等を DL し、準備をしていました。
経歴書等が pdf の入力になっていますので、昨年度のデータのコピペでほぼ終わりです。入金もネットバンキングで振り込んだ証拠を印刷すれば OK 。昔に比べ手軽になりました。

今年は、まだ試験対策を始めていません。というか、手を動かそうとして動かずの状態です。
これから行おうと思いますが、激減した選択問題(=選択の余地なし)への対応がネックになっています。いえ、対応すべきことが分からないわけではありません。知識・経験を広く浅く、横に広げて試験に対応するしかないのですが、そのような経験値が1年間で得られるわけもなく、今まで受験を迷っていました。現状、出題内容のラッキーを期待しないと受からないレベルであることを自覚しています。ダメですね~。

ま、とりあえずは申し込み、少し気持ちを追い込んでおきましょう。


2014年5月4日日曜日

断面でのトンネル表示

Civil3D 2014で、各断面にトンネル形状と、掘削によるゆるみ領域(影響範囲)を表示しようとしています。

トンネルと直行している断面はなく、それぞれ多様な角度で交わっています。
思いつくのは以下の手順。これなら手間はかかりません。

1.中心線形データ読み込み
2.コリドー作成
3.コリドーからソリッド作成
4.GEORAMA 2014でソリッド断面表示

が、まず最初の段階で躓きました。
予備設計をされている会社が「中心線形データとは?」と言われます。後で聞いたのですが、地元の業者さんは地元の仕事をメインでされているため、国交省の電子納品仕様は対応されていなかったようです。仕方ないので、平面線形のはいったCADデータと、縦断線形の計算書を頂き、そこから作成しました。

コリドー作成、そこからソリッド作成は特に問題なかったのですが、GEORAMA でまた躓きました。
コリドーから作成したソリッドを切断する際、演算に失敗します(厳密には、Civilで切れていない?)。厚みがないためでしょうか?
コリドーからサーフェスを作成し、GEORAMA の地層として登録・固定しても作画されません。サポートにも問い合わせましたが、GW 中のためか返答なし。
この点は Civil3D 自体の断面作成機能で回避できますが、各断面毎に作成して位置合わせをするのは面倒です(15断面ありますので)。

なかなか、思うようにいかないものです。

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20140507追記
サポートからの回答がありました。コリドーのソリッドはアーチとインバートの2つ。それの和をとって一つにすることで、輪郭は表示できました。要は、閉じてないと認識しないようです。
ハッチはダメ、坑口部の閉じていない個所もダメでしたが、ま、とりあえずは先に進めそうです。

20140510
トンネル断面を0.0001m押し出して、コリドーソリッドにくっつけました。これで GEORAMA でもソリッド断面が抽出できました。
トンネル断面にハッチングをかけ、その境界を抽出することでも輪郭ができますね。いろいろな作り方がありそうです。あと、3Dモデリングでホームタブ-修正ー3D位置合わせが便利でした。


2014年5月3日土曜日

UDEC その3

新しいモデルを作成し、計算、出力まで一通りこなしました。

トンネル掘削で使用したのですが、それほど難しいモデルではありません。
が、1断面目の作業時間は19時間でした。2次元にしては掛かりすぎな気もしますが、ま、初めてなので良しとしましょう。

時間がかかったのは、最初のモデル作成です。CADで作業を始めてから物性をあてはめ、動作確認できるまで15時間です。作業時間のおよそ8割。
SoilPlus や SoilWorks など、CAD データを取り込めるのがデファクトスタンダードだと思いますが、UDEC はダメ。地形や構造物はもちろん、掘削位置や物性の割り当て、ブロックの削除も座標での指示が必要になってきます。計算し図化してチェックし修正するの繰り返しでした。特に、ジョイントへの物性の与え方で躓きました。

2断面目は7時間。慣れたせいでしょうか、モデル化は3時間程度。残り4時間は、削除するブロックの過ちで計算が回らず、それに気づくまでに時間がかかりました。ブロックの重心が近い場合、意図せず異なるブロックを消してしまうこともあるんですよね。ま、これもモデル化の内ですかね。

計算から図化、出力まで自動で可能なのは良いのですが、モデルの入力については、もう少し改善して欲しいですね。


2014年5月2日金曜日

トンネル湧水のpH

後輩から相談。あるトンネルの湧水のpHが高いので処理したいとのこと。

施工中の中和プラントは撤去してしまったようで、今は自然流下のみ。階段状流路による曝気も実施済み、希釈も難しいそうです。

酸性水に対する問題はよく聞きますが、アルカリ側については問題として取り上げた事例をあまり聞きません。コンクリート構造物であれば、ある程度は高くなりますし、自然に低減するのを期待するのでしょう。

対策事例をググると、以下のような発表がありました。
http://www.thr.mlit.go.jp/Bumon/B00097/k00360/happyoukai/H22/ronbun/3-8.pdf
http://www.web-gis.jp/e-Forum/2013/PDF/2013-055.pdf

やはり、曝気とプラントがメインのようです。
ダイヤさんの発表には成分が記載してありましたので、これをPHREEQCで計算してみました。大気圧下で CO2 を完全に溶解させると、pH6 まで低下します。が、実際はそこまで下がらないようですね。SIはほぼ不飽和を示していましたので、曝気時間や流下中の溶解が要因として考えられるのでしょうね。詳細は分かりませんが。

個人的には、酸性岩を reactant として利用する対策は躊躇しますね。重金属など、他の溶出物質の有無、長期的な溶解特性を調べてからでないと採用できません。維持管理として、定期的な reactant の入れ替え作業、水質監視も必要となってきます。

ま、対策を急ぐならプラント設置一択になるのでしょうが、時間に余裕があるなら原因を把握すべきなのでしょうね。