2015年10月18日日曜日

地質断面図と工学的判断

久々に、頑固なおじいさん地質屋と出会いました。

私見ですが、おじいさん地質屋の傾向は、以下でしょうか?

長所
・よく山を見て、よく歩く。効率が良い。
・地質が好き。
・地質図を書くのが上手。思想が分かる図面が書ける。

短所
・経験論のみに頼りがち。
・思い込み(思い入れ)が強い。
・変化に弱い。聞かない。曲げない。
など

今回の地元のおじいさん地質屋さんは、切土用の断面図を作成されていました。が、純粋な地質分布の表現。思想を感じる断面図なのですが、土軟硬など掘削区分は入っていません。いろいろ言い訳をされていましたが、結局、設計者とお客様が、地質断面図ではなく工学的断面を書くように説得して、土軟硬対応のシンプルな絵を追加していただくことになりました。
自信あったんでしょうね。最後は怒っていました。おじいさんなのに。いえ、おじいさんだからでしょうか。

若い地質屋さんは逆でしょうね。
「省力化」という名のもと現場に行く機会が少なくなり、経験に裏付けされた判断に乏しくなるのは仕方ありません。一方、数学・化学・物理学などをベースとした知見やシミュレーションなどの工学寄りの技術をある程度携えてるようですし、順応が早いと思います。

熟練の方と若い方、組んで動いている会社もありますが、そういった会社は将来が楽しみです。
思想図だけではダメ、思想をベースとしない工学的断面だけでもダメ。設計者や施工屋さんは、その本質や作成過程は分からずとも、結果だけを利用されます。地質屋が思想図の上に工学的判断を載せられるようにならないとダメということです。

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