2012年7月8日日曜日

重金属の挙動

重金属の挙動に関する水-反応連成計算の事例を読んでいました。

重金属を含む地盤に雨が浸透した場合の、非定常・30年間の計算でした。境界条件(浸透・移流分散)と反応のモデルコンセプトがきちんと記載されており、計算による検証の信頼性は高いと思います。

この中で、一時期、地表部の重金属濃度の増えている結果が示されていました。一瞬、?でしたが、理解できました。蒸発です。上昇流が発生し、増えていたのです。納得。地表近を扱う場合は、こういったことまで考慮しておかないといけないのでしょう。土壌の分野は表層数十cmを相手にするため、より細かいオーダーの調査がいるのでしょうね。

こういった水-反応連成の文献は海外で多く出ていますが、日本ではほとんどありません。地層処分分野のみでしょうか? (海外では反応による porosity の変化まで扱うものも出ているんですけどね。)
たまに一般土木分野での適用例も見ますが、工学屋さんがやっているのか、反応部分のモデルコンセプトがほとんど述べられておらず、信頼性の乏しいものが多いように思います。扱う元素やその濃度だけ表示されていても、それがどういう形態で土に含まれ、どういう形態で地下水に取り込まれていくか、あるいは沈殿していくかを記載しなければなりません。計算はあくまで自分の考え(モデルコンセプト)を検証するツールに過ぎないのです。

やはり、地質屋さんがリードしないといけない分野のでしょう。

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