昔は一つだけかと思っていましたが、支持のための分類、掘削のための分類、支保のための分類、などなど。トンネルを除いた土木構造物で、個人的に参考にするのは以下のものでしょうか。1960~80年代に考案された古い分類です。
- 電研式・ダム基礎岩盤分類(田中の分類)花崗岩
- 本四公団・橋梁基礎の分類(田中がベース)花崗岩、各種物性
- 電研式・ダム基礎岩盤分類(菊地の分類)硬質岩~軟質岩、軟質岩はABなし
- 日本道路協会・施工のための岩及び土の分類(土軟硬区分)と弾性波速度
以前、TEPSCO の地質屋さんと話した時に、岩盤分類の話題になりました。その方は菊地の分類を御本人より教わったらしく、私達の分類とのズレに驚いていらっしゃいました。当然、我々の方がズレており、それを理解していながら使っています。その場にいた他社の地質屋さんも同じようにズレを理解しながら使用されていました。
例えば、「概ね新鮮,堅硬であるが・・・長石類・有色鉱物がわずかに変質している場合もあり、・・・節理面は風化変質を受けて変色汚染されている場合が多く・・・」という表記では、CMと教えられました。が、正解はCHです。
田中の分類では、「ハンマーによって打診をすれば少し濁った音を出す」もCHです。が、実際は濁音が出たら通常の土木構造物調査ではCHと判定されない方が多いのではないでしょうか。基本的には、他社の報告書を見てもズレていますので、お客様の認識もズレている事が多いようです。いつから、どうしてズレたのか分かりませんが、変なスタンダードができているようです。まあ、土軟硬が 積算に関わっていますので岩級のズレに大きな影響はないのですが。
しかし、岩級から文献等のデータを利用して強度等を推定しようとすると問題でしょうね。たぶん、この辺りが曲者なのでしょう。ダムやトンネルを除く通常の土木構造物で岩盤の原位置せん断試験は実施しませんし、一軸すらしないでしょう。その場合、安全側として1ランク落として評価しておいた方が無難ですからね。その流れでズレたままになっているような気がします。
地盤工学会「原位置岩盤試験データベース(2008年度版)」では、学会基準の分類毎に物性が整理されています。基本は亀裂間隔と硬軟ですから、分かりやすいと思います。
こういった分類にも慣れ、徐々に修正していく必要があるのでしょう。
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