この場合、層・乱流ではなく、土粒子の移動に関する限界流速を考えないといけません。
これはいくつかの計算式や図が出ていますね。例えば以下の通り。
福川豊「実用深井戸工学」p 79、80
地盤工学会「地下水流動保全のための環境影響評価と対策」p147、148
後者は首都高速道路公団の発表論文が用いられています。
土橋ほか「目詰まりを考慮した通水井戸の設計」 地下水環境に関するシンポジウム'99, p79-96
通水連壁での復水側で目詰まりが生じることを実験的に図示されています。ただ、以下の注意書きがあります。
しかし、地盤の限界流速はD10やD20を指標として求まるものではない。仮定条件でも述べたように、対象地盤の有効間隙率の決定や均等係数の扱いおよび締固め程度(密度)の影響など多くの要因が存在する。ここに示した結果は、対象とした地盤条件下でのひとつの実験結果である。そうなんですよね。均一粒径で構成されているわけでないですから、代表粒径をどう選ぶかという小難しさがあります。実流速ですから、有効間隙率も考慮する必要があるのでしょう。
先のImax=1/(15√k) も同じトレンドであることから、この③の表現と解釈して利用しても良いのでしょう。まあ、これが上記の問題も全て含めた結果ですから、一番利用しやすいですね。
砂の移動だけでなく、砂利充填の不備による帯水層のゆるみも原因の一つのようです。そうなると、限界揚水量は地盤というより、個々の井戸の特性という意が強いのでしょうか。現場透水試験よりも揚水試験、小口径よりも大口径の方が透水性が高くなりやすいのは、こういった個々の影響が流入面積の増大により小さくなるからかもしれません。
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