中山ほか(2011)地球統計学的手法によるカナダ・アルバータ州オイルサンド開発地域における反射法地震探データの深度変換の高精度化, 物理探査, 64, 53つの kriging を試されています。Ordinary Kriging, Kriging with an External Drift (KED), CoKriging です。KED については知らなかったのですが、CK同様に、求めたい物性値以外の物性値セットを利用して推定する手法でした。調べてみると、古い GSLIB には搭載されているようでしたが、SGeMS では探しきれませんでした。
レーダー探査もそうですが、反射法地震探査では往復走時が推定に利用できます。このデータも利用して深度を補間した事例でした。
似たような事例として、地表面標高と基盤面標高の関係を見出して CoKriging により後者を補間している報告がありました。この文献のような標高のトレンドを線形として扱わず、ばらついた値を考慮できるのが地球統計学の優位性ですね。
http://www.chuden.co.jp/resource/corporate/news_76_N07605.pdf
実務では1サイトで30~50本のボーリングを行うことは稀であり、なかなか統計的手法の適用は難しいと思います。が、たまにあるので、こういった事例・手法も頭に入れておかないといけません。
前にも書きましたが、地球統計学は有用なツールで、知らない地質屋よりも、知っている地質屋のほうが優位だと考えます。
http://phreeqc.blogspot.jp/2011/02/blog-post.html
リスク評価としては、こういった統計的手法を用いた数値化やシミュレーション結果を、出資者(土木分野)の土俵上に載せて話さないといけないのでしょうね。前述したように適用しづらいのでなかなか難しいでしょうが。
まあ、機会があれば KED も試してみましょう。
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