2012年4月26日木曜日

ロッキング

多層地盤の支持力をチェックしようと SoilPlus 2012 で計算しました。

モデル自体はDXFを取り込めますのですぐにできます。2次元では平面ひずみ1次要素しか対応していませんので、しかたなくそれでモデル化しました。
が、計算すると、何かおかしい。

よくわからないので、地盤工学会「3.弾塑性有限要素法をつかう」にある簡易なモデルでチェックしてみました。結果、理論解より1オーダー高い値が出ています。変位と支持力の関係をプロットすると、ほとんど弾性の挙動でした。
そんなものなのかと思いながら、3次元のソリッド要素で、境界条件により平面ひずみ状態を作り2次元的な解析を行いました。すると、理論解よりやや高い程度の値が出てきました。

原因がよくわからず、社内のプロやサポートに聞きましたが、満足な回答が得られません。モデルをチェックしてもおかしなところはありません。そんなこんなで3夜ほど考えていました。

まさか?と思い、2次元モデルでせん断成分の減退積分を行ったところ、オーダーが合致しました。

ロッキングでした。

しかし、ソリッド要素の結果に比べ、まだ値が高いので、体積成分に対し減退積分を行いました。結果、ソリッドの結果よりも低くなり、より理論解に近づきました。が、アワーグラスが発生しておりダメ。しかも、時間がかかる。
メッシュを細かく切るしかないのでしょうね。


今回のように、明らかにおかしいと思える場合は良いのですが、ちょっと違うと気付かないこともあるでしょう。そんな心配やチェックの手間を考えるなら、SoilPlusでは2次元モデルは扱わず、ソリッド要素を使うしかありません。平面ひずみならDXFを読み込んで1m押し出すだけなので、手間はそれほど変わりませんし。

ソフトにはクセがあります。今回の場合はクセというか仕様?なので私の理解が足りなかったのが原因でしょうけど。まあ、どんなソフトも中身と自分のレベルをよく知ることからですね。

ロッキングとその回避、復習しておきましょう。

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