2012年4月7日土曜日

盛土造成地の圧密

盛土造成地の圧密は初めてなので、基準に示される条件を整理しました。
基本的には道路土工と同じようですね。

以下、宅地防災研究会「[第二次改訂版]宅地防災マニュアルの解説」より備忘録です。

IX.6.1 軟弱地盤対策の基本的な考え方
1.諸条件の把握
③施工条件
  • 厚い粘土質地盤及び泥炭質地盤・・・3cm/日
  • 普通の粘土質地盤・・・5cm/日
  • 薄い粘土質地盤及び泥炭質地盤・・・10cm/日
  • 単位体積重量は表IX.6-1参照
2.基本的な考え方
①代表土性値は同一土層と考えられるものを、一定区域内でまとめる(特異値の削除)。

IX.6.2 沈下量・沈下速度の検討
  • 一次圧密沈下量の検討を中心に解説。二次圧密は参考程度。
IX.6.3 許容残留沈下量
  • 単位体積重量は表IX.6-2参照
  • 鉄筋コンクリート布基礎で20cm
④低盛土の場合
  • 建物荷重の考慮、不同沈下
IX.6.4 沈下量の計算方法
  1. 間隙比e0を主とした式(e-logP曲線)
  2. 圧縮指数Ccを使用した式(正規圧密に限定)
  3. 体積圧縮係数mvを使用した式(正規圧密に限定)
(実務上は安全側を考慮し、正規圧密として計算する場合が多いと思いますが)

3 . 即時沈下(粘性土)
  • 基本、即時沈下は見込まない(軟弱層厚に比べ盛土幅が広く、一次元圧密と見なせる場合)。
  • 軟弱層厚に比べて盛土幅が狭い場合や盛土端部など、せん断変形が生じる可能性がある場合には検討する
4 . 砂層の沈下量
  • 即時沈下量を求める
5 . 2次圧密
  • 顕著と予想される場合に検討
  • 図IX.6-26参照
IX.6.5 沈下時間量の計算方法
1.計算手順
  • 沈下で無視した薄い狭在砂層も排水層として考慮
  • logCv-logP曲線
IX.6.6 沈下の検討における留意事項
1.計算値と現場における沈下との対応
  • 試験施工で定数、特にCvを修正。できない場合でも沈下測定を実施。
2 . 2次圧密などの長期沈下
  • 軟弱層が厚い場合に著しい。
参考9.14②低盛土に生じる沈下
  1. 軟弱層に接する盛土が低いので、地盤の不均一性に左右されたたわみを生じ、埋設管渠の不動沈下を生じやすい。
  2. トラフィカビリティーの低い軟弱地盤表層に接して施工されるため、一般に盛土の締め固めが不十分となり、造成面の平坦性や道路舗装の維持に問題を生じやすい。
  3. 高盛土のように建設荷重や交通荷重を盛土内に十分分散させることができないので、造成後の載荷重による軟弱地盤の変形や沈下が問題となる
  4. 地下水位が相対的に高く、盛土材によっては地下水の影響を受けて盛土の強度が低下する。
  • 盛土材は良質なものを選び、施工管理を入念に行って盛土を十分に締め固めるとともに、盛土内の排水を良好にすることが必要である。
  • 残留沈下量が目標値を上回る場合には、所定の載荷重以上のプレロードを採用するなどして、不動沈下に対処することが有効である。
  • 道路部では輪荷重が分散することなく軟弱地盤に伝達されるため、路面にたわみを生じ繰り返し荷重により路床・路盤が塑性化して舗装面に著しい亀裂が生じ損傷する例が多い。そのため、サーチャージ工法または置換・表層固結工法などによって地盤の強度を改良する、もしくは舗装・路床の剛性を高めるなどの対策が必要となる。
参考9.15②低盛土道路の沈下
  • 交通荷重の影響に相当する盛土荷重(道路土工)

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