2012年3月7日水曜日

雨後の現場

今日は造成地の計画がある現場へ行きました。

前日まで降り続いた雨のせいか、山裾の細い道の入り口近くから、多くの湧水。風化流紋岩の露頭が見えましたので、水を多く含む山だなあと感心しながら入って行きました。
ところが、なんだか山の様子がいつもと違います。湧水が異常に多いのです。コンクリート舗装の脇から出ている湧水はだんだん多くなり、やがて舗装の上を流れていきます。
使われなくなった谷部の水田では藪の中から流水の音がします。かき分けて踏み込むと、そこは池のようになり、小さな滝のように下段の水田へ流れ込んでいます。
この上に造成盛土をするのか・・・と思い、やっと「谷埋め盛土」というキーワードが頭に浮かびました。まさに、the 谷埋め盛土なのでしょう。

晴れている時は、このキーワードと結びつかなかった=危険と感じなかったのですが、雨後の現場を見ると一気に不安になりました。想像力の欠如です。ダメですね。
以前、上司から雨の後の現場を見るのも大事といわれていましたが、なかなか天候にあわせて現場に行く事はできません。しかも、「不安がない」=「問題がない」=「見えた気になっている」現場では余計です。反省です。

表流水は水路による縁切りで何とかなるでしょうが、そこには湧水もあるはずです。暗渠で対応できるのでしょうか?底面は対応できても、側面の湧水はどうすべきでしょう?盛土材は大丈夫でしょうか?この段階でできることといえば湧水地点のプロットと、量の把握でしょうか?どうすれば設計に反映することができるでしょう?どうすれば現場を見ない設計者やお客様と、この「不安」を共有することができるでしょう?・・・などと、その後も考えていました。

立ち入り禁止の土地もあるので限界はあるでしょうが、今、できることはしておきましょう。

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