先日、国土交通省が公開している「建設工事における自然由来重金属等含有岩石・土壌への対応マニュアル (暫定版) 」のリスク評価について相談がありました。
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/recycle/pdf/recyclehou/manual/sizenyuraimanyu_zantei_honbun.pdf
公開当時、このマニュアルを読みました。リスク評価手法に興味があったのです。しかし、その箇所の内容は安全側かつ簡易なもので、本質を見極める上で満足できるレベルではありませんでした。1~2次元主体であったり、100年間溶出量が一定のプログラムであったり、「レベル2でのリスク」=「地下水中の濃度が基準を超えるかどうか」=「通常の移流分散計算の簡易版」であったり。移流分散方程式は遅延の掛け方が違ってますし、濃度一定の1次元理論解も左辺が違います。すぐに放り投げました。
私は土壌汚染問題のプロではないので、法やマニュアルに従った調査法について詳しく知りません。しかし、解くべき問題がはっきりすれば、science を応用した解決策は提案できるでしょう。それが法的調査と一致すればBESTですが、異なることもあると思います。残念ながら、マニュアルのリスク評価は後者のようでした。
相談は以下の2点。
・お客様が要望されているマニュアルのリスク評価をするためにどんな調査が必要か?
・もっと良い評価手法がないか?それに必要な調査は?
両方、お客様への提案書としてまとめました。
2点目は国交省マニュアルの範囲で試験法を選択するケースと、それ以上の調査(費用)が必要になるケースがあります。当然、前者が過大設計になります。後者が望ましいのですが、目先の費用の面で両手をあげて喜んでは頂けないでしょう。御要望のマニュアルがなければ良かったのですが。
お客様の「国交省」「マニュアル」のとらえ方次第です。
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