2011年12月19日月曜日

不飽和透水試験で求める飽和透水係数

雨水浸透施設技術指針に、不飽和帯での透水試験(現地浸透試験)が掲載されています。
http://www.arsit.or.jp/book/tyousa.html

式は非常に単純です。

ダルシー則を変形するとq/k=iAとなりますが、iAが一定であれば、q/kも一定です。基準では、いろんな水深・形状(iA)の浸透試験結果を整理しておけば、比浸透量(q/k)が求まる、さらに試験で最終浸透量(q)を測っておけば、不飽和浸透試験から飽和(に近い)透水係数(k)が求まると考えたようです。
実際、これらの検証を数値解析で行ったとあります。私はここが面白いと思いました。実は、私も不飽和浸透試験を数値解析でパラスタすれば、不飽和浸透特性が求まるのではないかと思い、いつかやってみようと思っていました。既に基準に取り入れられていたんですね。

しかし、この検証の具体的内容がどこにも書かれていません。文献も示されていませんので、適用範囲がどの程度のものなのか、信頼性はどの程度のものなのかがわかりません。仕方ないので、発売元の雨水貯留技術浸透協会に問い合わせてみました。
結果、具体的な内容はわかりませんでした。出典は東大のドク論だそうですが、東大の論文データベースを検索しても出てきません。発表論文を検索しても、基準以上のものは出てきませんでした。残念ですね。
ただ、対応していただいた方の話では、不飽和層の実験を全国から集めて検証したそうなので、飽和層への浸透は範囲外ということでした。もともと、浸透施設が飽和層を対象としたものではないとも言われていました。

非常に惜しいのですが、適用範囲や信頼性はわからないままです。現段階では雨水浸透以外で使用することは控えておいた方が良さそうです。

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