2017年12月2日土曜日

SARの基礎

SAR の講習会に参加しました。

今回は基礎編。やはり、独習よりも効率的ですし、正しい知識、経験者の知見も得られます。独習時は原理の理解よりも、実践的な内容を中心としていました。原理はこの講習会で学ぼうと考えていたのです。今回、きっちり充足できました。

誤った理解も多くありました。それらを修正できた点でも受講の価値がありました。
例えば、体積散乱。SAR は L バンドで1~2GHz。GPR だと数10cmを対象とする短波長なので、体積散乱なんて理屈では書かれていても、ほぼ無視できるだろうと考えていました。が、氷河や乾燥地帯(砂漠等)で条件さえよければ、100m 近く潜るそうです。GPR との差は、含水率に起因するのではないか?というお話でした。
「圧縮」という言葉も誤解していました。生データを扱うことがなかったので、「レンジ圧縮」に対しては、ほぼ初見。「圧縮」は得られたデータを加工する処理ではなく、発信する信号を変化させ、シグナルを強くする「パルス圧縮」の採用に由来していました。
アジマス圧縮もドップラー効果を使って似たようなことを実施しているようですが、こちらはもう少し理解が必要です。
「InSAR」の言葉の使い方も曖昧でした。差分処理後の地表面変位を現した位相差画像を「InSAR」かと思っていましたが、これは「DInSAR」。変異がない場合に標高・DEMなどに適用する場合が「InSAR」。
「multi look」 画像についても、複数の観測データを合成した広域データのことかと思っていました(このイメージは ScanSAR に近い)。実際は、可視化する際に周辺の PIXEL の情報を使用し、見やすく加工したデータを指すとのこと。位相情報は飛んでしまいますが、ノイズは削減できます。

どのような業種の方が来られていたのかはわかりませんが、団体で来られている企業もありました。大学の先生方もいらっしゃいました。国土交通省の「社会インフラのモニタリング技術活用推進検討委員会」でも検証中の技術に入っていますので、将来性・実用性が期待されているのでしょう。http://www.mlit.go.jp/common/001176663.pdf
質疑応答も熱心にされる方が多かったように感じます。基礎編ということで私と同レベルの方も多く、皆さんの質疑が私にとっても役に立ちました。

さあ、次は応用編です。確認したいことが多くあります。
もう少し手を動かして、整理していおきましょう。

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