2017年12月31日日曜日

やり残し事項 2017-2

今年は余裕でした。

年々、忙しさは緩和している気がします。それでも、余裕で目標はクリア。力を有効に発揮できる状態だとすると、企業としては良い状況でしょうか?

技術者としては、やり残し事項をほとんど解消できず、チャレンジが少なかったのでしょう。課題に挙げていなかった AI や微動はそこそこ進みましたが、他はイマイチ。うーん。どうしましょうか。
とりあえず、リストアップ。


道具
帯磁率計
ガンマ線測定器(携帯型)

技術
動的解析(耐震、液状化)
斜面設計

コード・ソフト
・DtransuのCUDA化・・・100万で購入可。
・PSInSAR・・・500万ほどで購入可
・GSFLOW + QGIS


中期目標へも手を出し始めましたが、尽くうまくいかず。前倒し失敗。
来年から頑張りましょう。

Python exe 変換

TXT ファイルのコンバーターを EXCEL VBA で作りました。

うん、長い。遅い。

Python で作るとどうなるか?と思い、作成。
非常に簡素なコードになりました。処理も速い。

で、違う PC にて動かそうと思い気付きました。
「Python 入れてない」
後輩に渡すにしても、いちいち「python 入れてね」もない。

で、exe 化。
検索すれば、ありますね。

簡単そうな PyInstaller を選択。

コマンドプロンプトから
pip install PyInstaller

cd で py ファイルのありかに移動。

もう一度、コマンドプロンプトから
pyinstaller -F conv.py

これだけ。簡単です。
が、できたexeは220MB。でかい。
しかも処理に20秒くらいかかる。
遅すぎ。



で、cx_Freeze を試用。

pip install cx_Freeze

こちらはsetup.pyが必要。ネットから拾ってきて修正して保存。

python setup.py build

が、エラー発生。
何度か修正して、ようやくコンパイル完了。
で、実行。

が、エラー。
残念。
何度か修正しましたが動かず。

さえないですが、今年はこれまでにしましょう。

2017年12月25日月曜日

極小アレイ

今日は初めてのアレー探査。

現場の制約から、極小アレーを選択。
試行するには少し問題のある現場だったのですが、解析実習も兼ねて実施。といっても、今日は測定だけなので、1日プロとおしゃべり。機器準備の手順、測定時のノウハウから、問題になっている熊本の本震波形の詳細まで。色々話を聞けて、有意義な現場でした。

BIDO も Win で動いたそうで、コンパイルしたものをいただきました。
ここから先は既に一通り試しています。分散曲線ができたら、後はいつもの WaveEq で速度構造を推定します。速度構造ができれば、あとは3次元補間しておしまいです。
調査としてはS波速度構造の推定のほか、表面波の長周期側(深部)の補間や、文献に出ていたボーリング実施前の状況把握に使えそうです。

データをクラウド処理し、速度構造まで自動表示してくれるプログラムは、まだ公開されていません。速度構造は GA 等ではなく、初期モデルに該当する作成方法なのですが、それでも現場で自動で表示・確認できればありがたいですね。

測定はJU410。ケーブル類が一切ないので非常に便利でした。これは他部署のプロの持ち物なので、また一緒にどこかに行って有意義な一日を過ごせればと期待しています。

2017年12月24日日曜日

PSInSAR できません

PSInSAR をマスターしたくて、StaMPS をDL。

マニュの通り  Doris 等の関連ツールもDL。で、make、make install。

さて、始めましょう、とマニュを読むもとっつきにくい。で、ネットで情報を集めると、どうも SNAP から export できるようでした。なら簡単、と思いもう少し読み進めると、MATLAB の話題が出てきました。さらに読むと、どうも MATLAB が必要らしいことが書かれています。確かに、StaMPS のフォルダを見ると、MATLAB のスクリプトがたくさんあります。ここまで来て。orz
MATLAB は古いWin版を持っていますが、StaMPS が対応していないとのこと。

make uninstall で、はい、解散。

商用ソフトは高い。数百万します。理屈は簡単ですし効果も期待できるのですが、ソフトがないと何もできません。これって、持ってるか持ってないか、だけの話なのですよね。もったいない。買ってくれないですかね。

2017年12月23日土曜日

持続可能な地下水利用

丸善で書籍を物色。

土木や理学の見たい洋書は揃っていないのですが、コーナーがあるだけでもありがたい。基本、洋書はネットで購入しているので、お宝発掘のような気分で覗いています。
和書はそろっています。新刊のチェックが主目的になります。

この日は他に良い本がなかったので、地下水の棚に移動。ほぼ読んでいましたが、1冊だけ読んでいない図書がありました。
島田他「持続可能な地下水利用に向けた挑戦」

普段なら手に取らない図書です。が、手に取ってみました。これが当たり。
熊本の地下水循環についての話題でした(そういえば数年前に仕事としても発注されていました)。汚染物質だけでなく、温度や同位体をトレーサーにしているなど、現状で考えられるほぼ全てをシミュレーションに乗せています。当然、表流水と地下水を連成しています(当たり前のように出てくる、GETFLOWS)。図書なので、残念ながらシミュの詳細がわかりません。一度、見てみたいですね。
地質の概要はわかりやすいと思います。この地質モデルは力作でしょう。ぞっとする広さです。やりたくないですね。
シミュで地質を合わせこんでいく方針も良いと思います。トリチウムが使えない点、CFCsが効果的であった点もGood。このあたり、ほぼ私の考え方とあっていますので、引用し易いですね。

ただ、シミュの結果が観測結果とあっている、という点は疑問。再現解析で水位がずっと 2m 程度ずれたままだったのですが、「あっている」と言われています。大学の先生が「あっている」と言われると、その程度は「あっている」ことになるのでしょう。よくあることです。民間の成果なら、まず受け取ってもらえないでしょう。ま、もう少し合わせこむ努力は必要でしょうね。難しいと思いますが。

8章まで読んだ後、興味がなくなり止まりました。硝酸、ヒ素の章を読んで、終わりにしましょう。

Autodesk 不調

撮ってきていただいた写真を ReCap Photo に投げる前に、クラウドクレジットを買うことに。

オンラインストアから購入しようとするのですが、買えません。
Edge では、支払い方法をコンビニか銀行振り込みを選択した段階でフリーズ。Chrome ではHPのデザイン自体が崩れており、「続行」ボタンがありません。iPhoneからも同様。Win10, Win7, PC3種を使ってみましたが全てダメ。

すぐに欲しかったので Autodesk のコールセンターに電話をすると、チャットへ行くようにとの指示。チャットで聞くと、販売店に聞くようにとの指示。販売店でもわからないだろうと思いながら再度伺うも、回答は同じ(購入の質問は販売店へ、などといったマニュアルがあるのでしょう)。受け付けていただけないので、仕方なく販売店に聞いてみると、やはりわからないとの回答。当たり前です。チャットでサポートケースができていましたので、そこで「販売店もわからない」趣旨を伝えて本日は終了。結局、他部署の PhotoScan に投げてもらいました。クラウドサービスも、考えモノです。

実は、IDS から AEC に切り替えてからというもの、不具合がちらほら。
以前にも書き残していますが、管理者なのに AEC が所有製品に出てこずダウンロードできない(販売店経由で Autodesk に問い合わせていただき、サーバー側の不具合を解消いただいた)、サポートケースを作成しようとしても、所有製品が出てこず質問すらできない(チャットで何度もズレた指示をもらうものの、できたサポートケースから別の担当者が不具合を発見し解消していただいた)、ReCap Photo では GCP 入れようとすると必ず落ちる手順があったり、Infraworks や ReCap はPC再起動後の初回立ち上げでエラー発生し起動しなかったり。AEC にしてから、ソフトもサポートも不具合が目立つようになりました。

サポートのレベル低下は Autodesk だけではないでしょう。他社でも頑張ってサポートしていただく意志は見えるのですが、レベルが低いと感じることが多々あります。ユーザーの増加に対しサポートの育成が追いついていないのでしょうか。マニュアルに頼るしかなく、本質を見抜けないというか。このレベルが続くとは思いませんが、もし続けば AI に取って代わられそうです。

いずれにせよ、クラウドに移行する流れの中で、サーバー側の不具合は致命的。何もできない状態にならないように信頼性の高い会社を選択するか、オフラインでも動くソフトを選択、あるいは備えておくなどの方針が良いのでしょう。

さあ、いつになったら購入できるでしょうか?オフラインの方が速いかも。


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20171223追記

AUTODESK ACCOUNT の管理-契約画面で「クラウドクレジットを取得」からオンラインストアに行くと、上記の通りフリーズ。
→リロードするとエラー画面
→リロードするとすると「購入手続きを行う」ボタンが表示
→お客様情報入力画面で必要箇所入力
→支払情報入力
ここで、クレカかPayPalしか表示されません。これが根源のようですね。


20170113追記
ReCAP Photo を入れなおしましたが GCP 使えず。サポートさんに聞いても改善できず。
遂に、GCP なしでも強制終了するようになり、使い物にならなくなりました。
せっかくクレジットが届いたのに。残念。



2017年12月22日金曜日

Pix4Dcapture

久しぶりに Phantom3 を 飛ばしに行こうとして、準備をしていました。

Phantom2の頃の暴走イメージが払拭できず、あまり乗り気ではありませんでした。
仕方なしに準備していたところ、タブレットの中で面白いアプリを見つけました。

Pix4Dcapture
https://pix4d.com/product/pix4dcapture/

別の部署の方が使用された際に入れられたようです。中を見て驚き。自動飛行を組めるようになっています。しかも、超簡単!
これは良い!と思って触っていたら、当の本人が来られて、しばらくおしゃべり。

・ずいぶん前からあるアプリ。
・自動飛行が楽。見てるだけ。すぐ終わる。
・設定は事前に可能。セーブできる。
・撮影範囲、ラップ率、高度を設定すると、自動で飛行ルートを表示してくれる!!!
・最近はこれしか使っていない。
・近くに行くのでついでに飛ばしてきてあげる。

お話ししながら飛行計画を組み、ミッションとしてセーブ。あとは現地でキャリブレーション後に Start ボタンを押すだけ。ちょっと見てみたかった。
できるだけ飛ばすのはプロに任せる方針なのですが、これならきちんと動いてくれそう。

貸していた Phantom のバッテリーを返しに来られた別の方にその話をすると、
「Phantom3 と Pix4DCaputure(iPhone版)では、時々 Start (離陸)しないことがある」「Phantom3 は怪しい」「Phantom4なら大丈夫」とのこと。

うーん、やっぱりプロに任せたい。

2017年12月20日水曜日

深層崩壊把握の初動

大規模災害が発生すると、空撮が行われます。

地震や洪水では、被災箇所がある程度わかるでしょう。が、深層崩壊は分かりにくいと思います。それを把握するため対策が行われているところですが、ふと、次のように思いつきした。

深層崩壊が起こると瞬時に振動センサーが検知し、概略位置が特定されます。
その周辺を撮るように衛星に命令を送ると、およそ半日後の軌道で SAR データが得られます。
それを基に飛行計画を立案し、空撮+LP測量を行います。

ココまでが初動。
複数の技術を段階的に組み合わせることで、把握する精度を上げていく流れです。(場所の把握が目的であれば)SAR なら雲の有無に関係なくデータを取得できるので、深層崩壊には相性が良いでしょう。

個々の技術レベルは決して高くないので、国が主体になれば容易に実現できます。というか、数年前の発災時には個々に実施されていましたので、既に体制は整っているかもしれません。いえ、知恵のある方なら、さらに良い組み合わせを実現されているでしょう。
私も少し考えてみましょう。

2017年12月19日火曜日

SfM ソフト比較

身近に複数の UAV & SfM ソフトがあります。

部署毎に好きに進めていたので、銘柄がそろっていません。そこで、UAV による空撮画像からソフト毎に点群を作成し、どの程度実測と異なるかを比較してみることにしました。使用したソフトは以下の3種。すべて最新Ver.です。

・PhotoScan Pro
・Pix4Dmapper
・ReCap Photo

条件は GCPsを6点のみ与える(公共座標) & それ以外の手動スティッチなし。

できたモデルを見てみますと、PhotoScan、Pix4D は1億点以上になりました。それでも、ReCap など点群を扱うソフトではストレスなく動きました。
が、実測断面と比較するため CAD に持っていくと重すぎて動きません。必要箇所だけ切り出してサーフェスを作成し、そこから断面を切り出しました。

切り出した断面を見ると、一長一短ありますが、どのソフトも似たような再現性。角、法肩、法尻など急変部の再現性はどれも甘い。一方、道路等の平坦面はきれいに再現されていました。実測断面と比較して大きな差は生じておらず、またソフト間の差も小さいものでした。構造物設計に使えるレベルではないものの、概況を把握するなら十分すぎるレベルです。

SfM が流行りだしたのが6年前、UAV が3年前くらいでしょう。その組み合わせを測量に適用し始めたのがここ1、2年。そのような短期間でも、ソフトウェアベンダーの日々の開発により、ソフト間で差がない程度にまで精度は収斂してきています。
あと付加するとすれば自動化でしょうか?標点を自動で抽出し、座標入力を求めるくらいまでは成長してほしいですね。そこにAI とか入ってくるのかな?

既に一般化してしまったSfM、陳腐化を避けるための開発と価格競争が始まりそうです。

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20180124追記
下路アーチ橋を題材に ReCap Photo と PhotoScan で比較。
点群密度に差があること、川(水の反射)をうまく処理できたこと、などでPhotoScanのほうが綺麗に点群を作成できました。
昔は ReCap でも点群の粗密を選べたのですが、現行Ver.は不可。残念ですね。

2017年12月17日日曜日

SAR の将来

内閣府の SIP、国交省「社会インフラのモニタリング技術活用推進検討委員会」では、SAR を用いた技術開発案が複数採り上げられています。

後者のWG委員による意見が今年の2月に出ていますが、SAR に関しては概ね共通しているように見えます。
http://www.mlit.go.jp/common/001176663.pdf
  • コスト、計測精度をあきらかにする必要がある。
  • 適用範囲を明確にすることが必要。(ロックフィルダム等での実装、河川堤防の自然沈下などの長期的な変状の把握等)

データ処理後の精度は比較的はっきりしているのですが、それを変位か、ノイズかといったような人側の判断が最終的な精度に影響を及ぼすでしょう。それについては PS 法である程度機械的に解決できますが、面的となると経験が必要です。この経験、欲しいですね。
結果は比較的安価に提供できると思われます。それなりの効率・結果を出そうとするとソフトだけでも数百万の初期投資が必要になります。が、国交省によるマニュアル化が済んでしまえば一般業務として発注されることも期待できますし、そうなると「できない」では取り残されてしまいます。

データは高価ですが、経産省の方針により近い将来には無料になるかもしれません。
「政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備に関する検討会」
そうなると、あとは手を動かすのみ。理論や技術レベルは案外低いので、誰でも画像は作成できるでしょう(評価は別。私にはまだ難しい)。DInSAR までなら、どなたがされても似たような絵になるでしょうから、データ同様にアーカイブ化・オープン化されるかもしれません。UAV 同様、すぐに認知度は高くなるでしょうね。

WGによれば「国際展開の具体的な提案があれば、ODA 等で活用される可能性がある」とも。
将来の展開が楽しみな技術です。

2017年12月12日火曜日

QGIS で地質図

QGIS で地質図を作りました。

ルートマップ作成時にはCAD でまとめることしか頭になかったのですが、少しこだわりすぎていたようです。
https://phreeqc.blogspot.jp/2017/10/qgis.html

CAD では平面と断面の整合が取れた3次元構造さえあればOKです。GEORAMA で作成した地層サーフェスを Civil3D から LandXMLで書き出し、別図面で読み込んで境界を利用しハッチングする。それを DXF で保存し QGIS に投げると、地質分布のポリゴンが出来上がりです。スタイルを調整するか、あるいはレイヤ間でコピペして特定のスタイルを反映させると、きれいな地質分布が出来上がります。

未固結堆積物、岩脈など、若い順に入れていくのがコツ。地質分布のレイヤーにスナップを設定しておけば、DXFレイヤーにあるポリゴンをコピペしただけで、先に張り付けていた地質ポリゴンを除いた形状で張り付いてくれます。(他のレイヤーにスナップのチェックを入れておkけば、その範囲も除いてくれます)。賢い。
最後に基盤岩の範囲を大きく囲むと、先に作成していた地質をすべて除いたポリゴンを作成してくれます。これで完成。早い。
なお、ポリゴンの修正はこちらを参考に。とても助かりました。感謝!
https://staff.aist.go.jp/t-yoshikawa/Geomap/QGIS_memo.html

断層は GEORAMA で走向傾斜を指定し、現地での確認位置を通すよう指示。できたラインを DXF 経由で QGIS に投げつければほぼ終わり。ラインの線種が指定した通り綺麗に表示されるのはうれしいですね。CAD だと破線なのか一点鎖線なのかが分かりにくくなる場合が頻繁にありますので。

1. QGIS(+ArcGIS) でルートマップを作る
2. GEORAMA+Civil3D に読み込んで3次元地質構造を作成する
3. 平面2次元 DXF 経由で地質分布を QGIS に渡し地質図の完成

私の環境では、この手順が最も効率よく作業できそうです。
スマホがもっと現場仕様(電波(これがネック)、電池、GPSの精度、防塵防水耐衝撃等)になれば、踏査時から Survey123 や GeoClino をフルで使えそうですが、それは少し先の話でしょう。が、近い将来、地質屋さんもスマホ片手にオンラインでデータを集め、宿に帰るとルートマップができている、といったような形になるのでしょうね。

ま、当面これで進めてみましょう。

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20171219追記
(+ArcGIS) としましたが、やはりArcは必須。
エクセル経由でのコピペだけでなく、ジオメトリ変換ツールなどは手放せません。
最近気づいたのですが、QGIS で作成したポリゴンの shp を Arc に持ってくると、少し歪むことがあります。桁数でしょうか?

2017年12月10日日曜日

裁判

近年、裁判がらみの仕事が身近になりました。

裁判で問われるのが、当たり前なのですが、きちんと法や決めごとに則って実施されているかどうか?まずはそれが基本の視点になっているようです。技術者としては、まず技術的内容の真偽の視点から問いたくなるのですが、それは有識者の意見として淡々と処理されている印象を受けます。
また、良心・約束・指示などは、裁判で扱えるレベルの証拠として残っていない以上、なかったことになります。

先日、弁護士さんの講演を聞いたのですが、やはり内容が一味違いますね。一般的な業務において共通する注意点がいくつかありました。負けないための保険といいますか、そういうリスク対策を散りばめて仕事をしないといけないということを、再度、認識させられました。頭では理解できますが気持ちがついていきません(が、対策しますけど)。

稀ですが、そういった対策を最初から打ってくる業者さんもいらっしゃいます。必要最低限であればよいのですが、露骨であったり、その対策が継続すると、何も信じてもらえていないような気になり取引は続きません(それでも、業者さんの技術力が高ければ続くのでしょうが)。
職人さんと話す際の気持ち、人と接するときの気持ちは大事にする。信頼性を築くことを目標にしながら、その一方でリスク対策を散りばめておく。うーん、考え方によっては矛盾しているようですが、そういう制度なので仕方ないのでしょう。

2017年12月8日金曜日

Survey123 for ArcGIS

Survey123 for ArcGIS を体験する機会がありました。
https://survey123.arcgis.com/

なかなか手軽で簡潔な web アプリです。
web ブラウザ上で入力フォーム(調査票)を作成し、現地ではスマホやタブレットで入力するのみ。入力フォームのカスタマイズは自由かつ容易。プルダウンやラジオボタン、写真や位置情報などを自由に組み合わせて調査票を作成することができるので、現場での入力が非常に簡単になります。
現地で入力毎に送信しておけば、オンライン上でデータベースが出来上がりますので、帰社後に Web ブラウザ上 で集計結果を見ることができます。試してはいませんが、Arc のオンライン機能を使用しているようですので、そのデータを使って計算・検討もできるのでしょう。

単純かつ大量、広域、限られた時間での対応を求められた場合に威力を発揮すると思われます。災害時はもちろん、通常のフィールドワークでも使える分野はあるでしょうね。同席された方は来週からの業務で早速使用するといわれていました。

各種点検結果や維持管理結果を web 上でまとめて表示しておけば、どこを優先して対応すべきか、どれだけ対策が進んでいるかなど、利用者の方々に説明しやすくなります。お金の使いどころにも理解を得られ易くなるでしょう。
将来的にそういった表現にシフトするのであれば、今回のような web アプリの方が効率よくデータベースを作成できますので、自然と浸透するでしょうね。

技術的には既に整っています。いざ、というときに「できない」ではダメですね。もう少し、調べておきましょう。



2017年12月4日月曜日

ネットワークライセンス

最近、多くの技術系ソフトがネットワーク(マルチユーザー、フローティング)ライセンスに切り替わってきています。

個人的にはUSBキーなどを使った物理的制御の方が好きです。が、WAN 内でライセンスを共有したいなど、時代の流れなのでしょう。
キーを付けたサーバーにアクセスしてライセンスを取る手法であればトラブルにも対処できます。キーを別のPCに移動させて仮復旧できますので。
困るのはライセンスサーバーが社外にある場合。ベンダーが一元管理しているサーバーにアクセス障害が起こった場合、もうお手上げです。

それが、金曜の夕方に起こりました。ベンダーの対処で夜には仮復旧したのですが、危なかった。場合によっては週明けまで作業ができなくなるところでした。
仮復旧後、すぐにライセンスをローカルに移して作業を続行したのですが、本末転倒ですよね。原因も不明だったようですが、ユーザーの要望に反しネットワーク化をゴリ押しするなら、せめて冗長性のあるシステムを提供して頂きたいものです。

ライセンスサーバーが国外にあるソフトも出てきています。グローバル化に伴う自衛も考えないといけない時代になりました。

2017年12月2日土曜日

SARの基礎

SAR の講習会に参加しました。

今回は基礎編。やはり、独習よりも効率的ですし、正しい知識、経験者の知見も得られます。独習時は原理の理解よりも、実践的な内容を中心としていました。原理はこの講習会で学ぼうと考えていたのです。今回、きっちり充足できました。

誤った理解も多くありました。それらを修正できた点でも受講の価値がありました。
例えば、体積散乱。SAR は L バンドで1~2GHz。GPR だと数10cmを対象とする短波長なので、体積散乱なんて理屈では書かれていても、ほぼ無視できるだろうと考えていました。が、氷河や乾燥地帯(砂漠等)で条件さえよければ、100m 近く潜るそうです。GPR との差は、含水率に起因するのではないか?というお話でした。
「圧縮」という言葉も誤解していました。生データを扱うことがなかったので、「レンジ圧縮」に対しては、ほぼ初見。「圧縮」は得られたデータを加工する処理ではなく、発信する信号を変化させ、シグナルを強くする「パルス圧縮」の採用に由来していました。
アジマス圧縮もドップラー効果を使って似たようなことを実施しているようですが、こちらはもう少し理解が必要です。
「InSAR」の言葉の使い方も曖昧でした。差分処理後の地表面変位を現した位相差画像を「InSAR」かと思っていましたが、これは「DInSAR」。変異がない場合に標高・DEMなどに適用する場合が「InSAR」。
「multi look」 画像についても、複数の観測データを合成した広域データのことかと思っていました(このイメージは ScanSAR に近い)。実際は、可視化する際に周辺の PIXEL の情報を使用し、見やすく加工したデータを指すとのこと。位相情報は飛んでしまいますが、ノイズは削減できます。

どのような業種の方が来られていたのかはわかりませんが、団体で来られている企業もありました。大学の先生方もいらっしゃいました。国土交通省の「社会インフラのモニタリング技術活用推進検討委員会」でも検証中の技術に入っていますので、将来性・実用性が期待されているのでしょう。http://www.mlit.go.jp/common/001176663.pdf
質疑応答も熱心にされる方が多かったように感じます。基礎編ということで私と同レベルの方も多く、皆さんの質疑が私にとっても役に立ちました。

さあ、次は応用編です。確認したいことが多くあります。
もう少し手を動かして、整理していおきましょう。

みずもり法

以前に書き残したような気がしたのですが、検索しても引っ掛かってこないので、あらためて。

大石ほか(2017)施工管理シリーズ 孔曲がりとコントロールドリリング(その2)「みずもり法」によるコントロールドリリング, 斜面防災技術 44(2), 13-21

トンネルの水平ボーリング(若干の上向き)などで、掘削孔先端の高さを把握する方法です。いたってシンプル。透明のホースを掘削孔先端まで突っ込み、水を送ります。送水側の口元は少し山側に上げておき、送水後にポンプから外します。ホース内の水の高さがホース先端の高さと釣り合い、掘削孔先端の高さを把握できる仕組み。特殊な計器は必要ありません。

この話を現場でオペさんにしていると「昔、見たことがある」と言われていました。「何をしているのかな?と思っていた」とも。
私はこの文献で初めて見ましたが、伝承が途絶えつつある技術なのかもしれません。
次回から試してみましょう。

2017年12月1日金曜日

地震後のせん断剛性回復

興味をひかれた文献です。

秦ほか(2017)常時微動H/Vスペクトルに基づく2016年熊本地震によって被災した益城町の市街地の軟弱地盤におけるせん断剛性の回復過程に関するモニタリング, 地盤工学会誌 65(8), 26-29,

微動計によるモニタリング結果より、地震後の地盤のせん断剛性の低下・回復過程を捉えた文献です。面白いですね。貴重なデータが得られています。
ただし、回復までで、より締まるといったような結果にはなっていません。
液状化後に締まるということを聞きますが、本当かどうかは、この手法が有効になるでしょう。再液状化しやすいかどうかも、わかるかもしれませんね。