2012年10月2日火曜日

VLF-EM 法が分からない


ABEM 社の WADI 。22年前の機械です。

法面の調査で使用する予定です。
電極打てないので電探ダメ、熱赤外は近すぎてカメラに収まらないのでダメ、吹付け背後に空洞のがあり振動系もダメ。ということで VLF-EM 法を提案しました。

VLFは10年以上前に1度だけ実施した事があります。部長様に「ボタン押すだけで簡単だから、現場管理のついでにやってきて」と言われたように思います。確かに、数kmの調査でも、ただ歩いてボタンを押すだけなので非常に簡単でした。結果も、ある箇所で異常値が出た、出なかったの判断程度でした。トンネルの調査であり、電探や弾性波のついでにサービスで実施といった扱い方でしたので、部長様もそれほど気合いを入れていなかったのでしょう。

その後、「空中で何を測っているのか分からない」という後輩がいたり、「英語は苦手」という先輩もいたりして、どんどん出番の少なくなった測定器でした。

ところが昨年、ある先輩が電流密度の断面図を書いているのを見ました。比抵抗のような2次元コンター図が VLF でも描けるのです。原理はまったく分かりませんが、確かに物理探査学会「物理探査ハンドブック」や WADI のマニュアルに、深度方向の算出方法が書かれています。これは驚き。すぐにマニュアルを最初から読みなおし、計算式の出典を注文しました。

マニュアルを読んでいくと、通常、測定時に表示されているのは測点間隔で filtering された値とのこと。これ、完全に生データだと思っていました。「測点間隔なんて関係ないから」と言われ、適当に入れていたような気がしますが、まずかったですね。
ただ、PCへ取り込んだ filtering 後のデータは、表示値とやや異なります。また、生データを利用した計算値とも異なります。なにか、まだ処理をしているのでしょうか?計算の仕方が間違っているのでしょうか?よく分かりません。資料が来るまで待つしかないようです。

とりあえず、駐車場でテストを行い、WADI の filter を利用して深度方向の値を算出、結果を MVS で可視化しました。


ま、こんな感じで電流密度のコンターが書けるのでしょう。と言いながら、マイナスも含まれているので、電流密度と言って良いのかも分かりません。方向が決められているのでしょうか?単位はA/m?そんなレベルです。

早く理解しないと。
10年以上、損をしていたような気がします。

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