もうひとつ、おかしな設計者?の話。
私は直接関与していないのですが、耐震補強を目的とした設計のお仕事がありました。残念ながら既存のボーリングが深度15m、N値20程度で止まっています。Vs = 300m/s の土層分布深度を把握したいということで、他支店より表面波探査の依頼がきました。
15mで既に表面波探査の限界に近付いていること、地形や層厚を考えると、もう少し深い箇所まで調べる必要があることから、「表面波は無理、ボーリングが必要」と仲間内で話をしていました。それでも、設計者の要望は表面波だったようです。
後輩が2日かけて実施、別の支店で整理、そして結果が設計者に届いたようです。案の定、最深部で200強の速度、工学的基盤まで波が届いていません。しかし、その絵を見た設計者、「300m/sの層が分からないので明示してほしい」とのこと。
先輩も後輩もみな驚いていました。堂々と言われたようなので、本気なんでしょうね。
お客様に提案して後に引けなくなったのでしょうか?それとも本気で 300m/s の絵が書けると思ったのでしょうか?実際のところは分かりませんが、色々想像してしまいました。
歳をとって経験を積むのは良いのですが、それでも知らないことを自覚する謙虚さ、後輩技術者でも教えてもらえることの貴重さを忘れてはいけませんね。
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