2012年10月6日土曜日

VLF-EM 法が分からない その3

複数の断面で短時間にデータを得られる点、簡単なフィルター理論で2次元断面の値を算出できる点、これらが VLF-EM 法の長所でしょう。

そのフィルター理論の資料が届きました。Karous-Hjelt filtering と呼ばれている1983年の資料です。filter に名前が付き、検索でも多くの図表・文献が引っかかることから、有名な資料なのでしょう。
Karous M and Hjelt SE (1983) Linear Filtering of VLF Dip-angle Measurements. Geophys. Prospec. 31, 782–794.

理論と実験から係数を決定し、それをスムージングして、電流密度を求めています。磁場(測定値)と電流密度(計算値)の関係は、Biot-Savart law から導いています。また、最初の導出過程で、2次元鉛直断面、紙面に直方向の電流を仮定しており、それによる磁場の鉛直成分を扱っています。それが VLF の結果の解釈、ひいては測線計画の制約の一つとなっているようです。

早速、生データを EXCEL で filtering し、WADI の filtering 後の結果と比較してみました。
が、合いません。どこが違うのか?と考えながら、さらに計算すること3日。結局、一致しませんでした。

困ったなー、と思いながらネットを検索していると、KHFFILT というソフトが引っかかりました。これ、計算部分のソースも公開されています。中身を見ると、やはり計算過程は間違いない、しかも、計算結果は EXCEL とほぼ一致します。(こちらの方が文献より小さな桁まで算出した係数を使用していますので、丸め誤差が出ます)。また、このソフトからは XZ 座標と filtering 結果が並びで吐き出されるので、後で扱いやすい!
https://wiki.oulu.fi/pages/viewpage.action?pageId=20677974

結局、WADIのフィルターに別の計算がかかっているのかどうかよく分かりませんでした。マニュを見る限りは同じ計算なのですけどね。ま、とりあえず生データを使用するようにしましょう。

あとは電磁波の基本の復習です。

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