2012年5月23日水曜日

Fsp = (1.0+1.5)/2 = 1.25

「土の会」技術伝承出版編集委員会編「高速道路の軟弱地盤技術」を読んでいます。

本屋で見かけたときに、「経験的知識の伝承」という目的に惹かれ、購入しました。まあ、実体験でなく本から学べることは少ないと思いますが、経験の足りない私にとって読まないよりマシと思います。

 とりあえず、地盤調査の経験則を読んでみました。
大丈夫です。この辺りの事は身についています。少し安心。

続いて、最初から読んでいくと、11ページに面白いコラムが。
最初に議論になった時、安全率は1.0でいいという意見と、日本は地震国だから1.5にしようという意見があった。足して2で割って1.25になったということだ。
現在の設計要領は1.2ですから、1.25という時代もあったのかもしれません。最初は適当に値を決めておいて、試験施工で検証し、改訂していくといった手法を繰り返し、経験を積んできた値に落ち着いたということでしょう。
さらに面白いことに、これらの値や基準に執着心はないようで、あくまで現段階でBESTと考えられる基準であり、現場実験と観測データを多く集め改正すれば良いというスタンスがあちこちで読み取れます。昔の公団の方は、そうやって設計要領を改訂されてきたのでしょう。

しかし、設計者の立場ではそうはいきません。設計時に現場実験はできませんから。 そうすると、設計要領を逸脱するものは作れません。ジレンマですね。

そういう意味では、ゼネコンの設計者が、一番有利なのだと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿