地山等級のDIとDIIの差について、トンネル設計者のTOPに教えを請いに行っていました。
DIIは、変形余裕量を見込むこと、切羽が2D以上進行しても変形がおさまらないことから、膨張性地山を対象とするイメージを持たれる方もいらっしゃいます。施工実績が少ないようですから、確かに、そうなのかもしれません。
この点について聞いたところ、「膨張性地山とはどこにも書かれていない。地山強度比が2以上か以下か、内空変位が60mm以上か以下かしか書かれていない。」
後荷が来るイメージに対しては、「地山強度比が2以下で塑性化しているんだから、止まらないだろう」と。
納得です。
地山強度比に関しては、一軸圧縮ができるところ、言いかえればコアが10cm以上の棒状で採れる箇所、もしくはそれ同等の地質が分布する箇所での値であり、それ以上劣化した箇所の値は算出されません。地山強度比が書かれている箇所よりも、(その間を含め)書かれていないところの方が危険な可能性があるということです。
そのため、地山強度比が3前後の個所は要注意です。貫入岩の接触部や水がまわったところで劣化していれば2以下になる可能性があります。その場所を地質屋は知っています。が、設計者は帯に書かれた数字を主体に考えます。地質屋が総合判定で地山等級をDIIにしても、その根拠が明確でなければ、設計者は地山分類をDIに設定します。
DIとDII、先入観を持たず、挙動が明らかに異なる点で判定する必要がありますね。
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