2011年8月14日日曜日

孔内水平載荷試験の再現

昨日思いついた孔内水平載荷試験の再現シミュをやってみました。

目的は、ダイレイタンシー角ψの同定です。
試験結果より得られたE,φ',K0,ν,Gを固定し、ψを変えて加圧に応じた変形量を求める方法で実施しました。この試験では、主に平面ひずみ状態での上記ψ以外の値を求めることが可能です。使用したソフトはSoilPlus2011です。

始めは、軸対称条件で、内圧をかけるモデルを作成し、実施しました。掘削過程やケーシングによる変形の制御も施工段階として取り入れました。ただ、押し出してきた地盤をケース設置時に削り取る方法がわかりませんでした。とりあえず載荷箇所ではないので0クリアで済ませましたが、プロはどう対処しているのでしょうか?
モデル自体は2時間ほどで組めたのですが、さあ、計算!となったとき、エラーが発生しました。
SoilPlusの軸対称モデルでは、鉛直方向の荷重しか扱えないようです。残念ですが、やり直しです。

気を取り直して、3次元でモデルを組み直しました。といっても、回転押し出しで済ませばよいので、それほど手間はかかりません。メッシュを切ると1万節点強のモデルになってしまいましたが、テストなので、まあいいでしょうと思い計算させてみました。が、古いPC(Centrino Duo T7500 2.2GHz)でやっているため、結果が出るまで40分強かかりました。モデルは↓です。



最初はψ=φ'-30=2.9°で実施してみました。
最終ステップの結果をみると、載荷箇所の周辺地盤が塑性化していることから、この点では合格です(実際の試験でも破壊させています)。局所安全率が1を大きく切っている箇所があることはどうなんでしょう?弾完全塑性で0.8とかありなんでしょうか。計算として不合格?これもプロに聞いてみましょう。
問題の変形量は樽型になっているので直接比較はできません。が、壁面付近は全体的に6mm強なので少ないですね。その倍は欲しいところです。(色はデフォルトのままですが、↓のような感じ。)


試験では均等に変形していると仮定して変形係数を算出しますが、理想的にはこのような樽形で算出すべきなのでしょう。キャリブレーション時のゾンデの膨れ具合をみると、もっと複雑な変形をしていることは容易に想像できますが。
この結果を検証するには体積変化しかないなあと思いつつ、それは後回しにしました。

先に、気になった未掘削部の対称軸付近の変な塑性化がno-tension解析で解消するかを試してみました。これは計算として不合格ですから。しかし、これがドツボの入り口でした。
計算が収束しません。no-tension解析だから収束しないというのはおかしいなあ、と思いつつ、それしか原因がないので元に戻し、ψ=32.9°で回してみました。結果、収束せず。その後、値を変えても、ソルバーを変更しても駄目でした。すべて載荷時で引っかかります。結局、何が悪いのか分からずに元の値に戻して計算しましたが、これも駄目。最後はソルバーすら立ち上がらなくなりました。

気を取り直してS+関連の生きているexeをタスクマネージャーから殺し、再度立ち上げなおすと、すんなり動くようになりました。
載荷時のステップを細かくとったのが良かったのか、収束計算対象を変位に変更したのが良かったのか計算も収束します。

今日1日は何だったのかと思いつつ、まあ、方針は悪くなさそうなので、明日も懲りずに試してみることにしましょう。

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