①坑口部は土被りが1D~2D。
②トンネル同士の離隔は緩み領域を考慮し2D(中心から1.5D×2)。
③トンネルと地すべりの離隔は2D
④設計時の弾性波の評価はトンネル計画高より1.5Dまでを考慮。
この中で、④だけが、天端からの考慮すべき距離が小さくなります。最も出番が多いはずなのですが。
基準には以下の記述があり、設計者は機械的に判定する傾向があるようです。
トンネル計画高より上部約1.5D(Dはトンネル掘削幅)の範囲が複数の速度層からなる場合は、弾性波速度分布図におけるトンネル計画高の速度層より上層(速度の遅い層)の速度を採用する方が望ましい。しかし、このようにも書かれています。
頁岩、粘板岩、片岩などで褶曲などによる初期地圧が潜在する場合、あるいは微細な亀裂が多く施工時にゆるみやすい場合には、実際の地山等級よりも事前の弾性波速度によるものが良好に評価されることがある。こちらについては、なかなか考慮されていないようです。
本来であれば、緩み領域は中心から1.5D、弾性波の評価は底盤から1.5D、などと区別する必要はないと思います。天端や側壁から剥落しやすいか、層理面の方向から弾性波が過大評価されていないか、などはBTVで亀裂の方向を整理しておけばイメージできると思います。基準があるので設計者は底盤1.5Dを適用しがちですが、過大評価にならないよう地山状況を適切に伝える、あるいは地山等級を判定した根拠を示すのが、地質屋の責任だと思います。
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