2018年3月8日木曜日

層厚換算法の Cv

DECALTの解説を読んでいて、疑問に思いました。

「換算された層はその最下層の圧密係数を代表圧密係数とし、層厚は次式にて求める。」

なぜ最下層固定なのでしょうか?
富士通エフアイピーさんですから、「道路土工指針では最下層での計算例が掲載されている。だから?最下層で固定した」程度の考えでしょうか?
サポートに聞いてみると、まさにその通りでした。社風でしょうね。

ちなみに、「道路土工-軟弱地盤対策工指針」層別層厚換算法(図解法)の出典では、最上層を使用する例が挙げられています。
稲田ほか「各層の圧密度を考慮した層厚換算法による圧密沈下速度の予測法」土と基礎. 25(9)1977
コチラ↓は何でもよいと書かれています。
宮原吉秋「講座 施工例からみた土質工学(その6)III.干拓工の土質工学(干拓堤防の沈下計算)(2)」農業土木学会誌第,35巻,第7号,1967
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsidre1965/35/7/35_7_387/_pdf
Cv'は仮想した圧密係数であり,代表的なものでとってもよいし,計算に便利なようにとって もよい。

式をみると簡単なのですが、t/Tv=D2/Cv'=(H'/2)2/Cv' に換算層厚の式を代入して展開すれば Cv' が消えます。なので、どのような値を入れても同じ答えになります。ということで、入力にもこだわりはないのでしょう。

 層厚
cm
Cvn
cm2/day
Cv', H'n
50100400
層1100.050.0100.0141.4282.8
層2300.0100.0212.1300.0600.0
層3200.0400.070.7100.0200.0
換算層厚H'  382.8541.41082.8
排水距離D=H'/2  191.4270.7541.4
D2/cv'  732.8732.8732.8

Cv の中に透水係数が入っていますので、等価透水係数を出す際の形と似ています。水の流れ(水量のつり合い)を考慮し導出されているのでしょうか?出典を知りたいですね。時間のある時に展開してみましょう。

手元にあるソフトの中では、フォーラムエイト 「圧密沈下の計算」の方が使いやすそうですね。こちらは Cv’を選択できるようです。試してみましょうか。


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