移動中に設計者とお話。
話題は3次元。
どうも最近、3次元化が目的になっている傾向があるとのこと。メリットを感じないとも。
確かに、3次元設計で数量が自動集計できたとしても、その設計自体に時間がかかるようでは、設計者にインセンティブは働きません。
重機への入力データ作成や住民説明目的の3次元化は、設計者が対応する必要のなかった仕事です。フロントローディングや合意形成の迅速化といった施工・維持管理まで扱うお客様にとってはメリットですが、設計者にとっては仕事が増えただけに感じるようです。
国交省さんが CIM を推進しても3次元を必要とする設計自体は少ないでしょう。新設が減り、維持管理や耐震が増えていること、既に2次元設計のマニュアル・指針・基準等が整備されているいることなどが原因でしょう。3次元設計の技術上の重要性・必要性が明確になり、それを踏まえた基準等が整備されない限り、設計者はデメリットとして受け止め続けるかもしれません。
さらに、地質の話も。
設計側で「作成した3次元構造物に3次元の地質分布を合成したい」と、考える場合が増えてきたようです。その場合、地質が分からない設計者は、既存の2次元の断面を忠実に再現する方法を採るようです(先日のマニュアルのフローですね)。
地質の場合は2次元思考でなく、最初から3次元で推定しないとミスを生みます。断面を忠実に再現する方法では、ミスを含んだままの3次元地質モデルができあがるため、3次元化のメリットの一つを失ってしまいます(設計者にはどこにミスを含んでいるか理解できないでしょう)。これでは、ただ3次元化しているだけにすぎません。
が、設計側からすると、いくら3次元地質モデルがおかしくても、2次元断面を変更されては困ります。設計のやり直しになりますので。このあたり、3年以上前にも書き残していました。
方法論としての「まずは3次元化」という試行段階は、もう卒業して良いでしょう。
意義のある仕事をしたいという技術者としての欲求を3次元設計が満たせるようになれば、自ずと定着します。CIM もそのような方向に進めば良いですね。
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