2018年3月22日木曜日

3次元地質解析マニュアル

全地連さんより、3次元地質解析技術コンソーシアムの第2期会員募集案内がありました。
https://www.3dgeoteccon.com/cont6/main.html

全地連さん、柱状図のフォーマットを変えて新たな仕事を作り出したり、新しい資格を作って仕事に組み込もうとしたりされていますね。
3次元の方も「何か活動されているなー」とは思っていましたが、真剣に見てはいませんでした。
もともとは全地連さんの「新マーケット創出型・提案型事業」に応用地質さんが応募され、発足したようです。最終目的は新マーケット創出なのでしょうが、現段階では「実務者における3次元地質解析の技術力向上を目的」に留め置かれています。3次元利用を普及させて将来的に仕事をつくりましょう、というのが趣旨でしょう。
https://www.zenchiren.or.jp/market/

コンソーシアム1期目の成果として、「3次元地質解析マニュアルVer.1.01」が公開されています(モデリングのことを「解析」と称されているようです)。
1期目ということですので、マニュアルではなく啓蒙が主体であるように受け止められました。国交省さんより CIM 導入ガイドラインが公開されてしまい、実務的な話を避けられたのかしれません。

参考資料では、いくつかの地質モデリングソフトを比較されています。
GEORAMA に関しては、フローに違和感ありますね。既存平面・断面をベースとし、それをトレースするように3次元モデルを作成する流れになっていますが、無駄が多いでしょう(推定部分は参考程度としてモデリングを始めた方が効率的でしょう)。基本的に、地質平面・断面作成とサーフェス作成は同時並行ですので、交差部のチェックだけ先行することはありません。
そのため、GEO-CRE フローの 3-1 クロスチェックと、3-4・3-5 の間の繰り返し作業を省いたものが GEORAMA のフローに相当します( 3-4・3-5 を GEORAMA が1度で計算します)。
ココには載っていませんが、Earth Volumetric Studio では事前のチェック作業が必要になります。以前、チェック作業を飛ばしてモデルを作成し始め、途中で大きな手戻りとなった方がいらっしゃいました。試用するソフトによっては着手時のチェックが必須となる場合があるので注意を要します。
ま、本来はココに書かれているレベルのチェックは2次元成果を納める段階でなされていないといけません(単なるミスです)。実際はミスったまま納められている成果品が多くあり、このような低レベルの工程を明示されたのでしょう。情けないですね。

品質については思うところがあります。
3次元の活用を無理に推し進めると、今度は適当な地質モデルが出てくるでしょう。設計側で3D 地質モデルを直接利用することはないかもしれませんが、何らかの評価指標はあったほうが良いでしょうね。地質屋さんが見る分にはそのレベルがよくわかると思いますが、設計者にはその判断ができません。また、モデリング範囲内なら自由に断面が切れてしまうので、線形が変わった場合などは精度の伴わない位置で断面が切り出され、設計が進んでしまうかもしれません。手間のかからない範囲でモデルの品質を伝える手法は検討されるべきでしょう。

実務的なガイドラインは国交省さんが設計含め先行してしまっているので、2期目はそれに沿った検討になるのでしょうか?
2期目も地質モデリングに限って検討を継続されるのであれば、ソフト間の情報の受け渡し方法など作業効率に直結する内容や変換ツールの作成がありがたいですね。局所的な修正であれば、既存3次元地質モデルを直接修正したいので。既存2次元を利用するのではなく、既存3次元を利用できる方向にシフトすればマニュアルの価値は向上すると思います。
1年後に期待しておきましょう。

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