施工によって地下水に問題が起きそうな場合、通常はボーリング+試験+観測+解析をセットで提案します。御都合上無理であれば、そこから項目を削っていくのですが、施工前の連続観測だけははずせません。このデータがないと施工の影響評価ができないのです。しかし、これすら実施されないケースもあります。問題が起こるかどうかわからない時点で、無駄になるかもしれない観測にお金をかけたくないのでしょう。
そして、実施していない現場に限って問題が発生し、何とかして影響評価をお願いしたいというケースが多いように思います。そうなっては純粋な技術論ではどうしようもありません。
施工前からの自記式水位計データのみでも、統計的手法や実効雨量との相関から、影響評価が可能となります。実効雨量の利用は、地すべり観測便覧にも載っている古い手法ですね。最近では「地すべり地下水排除工効果判定マニュアル(案)」でも使用されています。
http://www.pwri.go.jp/team/landslide/kanrisya/groundwater_manual/groundwater%20manual_1.1.pdf
線形か指数形かで相関を取っているだけ。アプリは10,000以上のパラメーターの組み合わせから最も相関係数の高いケースを選んでくれる。必要であれば、形状の合うケースを選びなおす。シンプルです。説明も簡単で理解しやすい点が長所です。
古くても、シンプルなものは強いですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿