2020年6月2日火曜日

「高橋のモデル」平衡土砂濃度

平衡土砂濃度を3区分する水面勾配の閾値(0.03、0.138)と、平衡土砂濃度算出式の解釈に参考となる説明が以下にありました。※式2

高橋「土石流発生のメカニズム (2)」
式 (2) では, 勾配が急になればなるほど平衡砂礫濃度が大きくなるが, 密に詰めた充填濃度になれば, 実際上流動は不可能となる。実験によれば, 流動が可能な最高濃度は0.7程度で, 式 (2) がそれ以上の値となる時でも0.7あるいはもっと小さい濃度で流れる1)。一方, 式 (2) は,勾配が小さくなればいくらでも小さい砂礫濃度を与える。しかしながら, 実験によれば, 砂礫濃度は0.2~0.3以下では, 砂礫は全流動層には分散できず, 図-1 (2) に示しているような掃流状集合流動となる。図-2は通常の粗い砂礫を用いた実験によって得られた砂礫濃度と勾配の関係と, 式 (2), 掃流状集合流動に関して著者が理論的に求めた平衡濃度csooを与える式(3)2), および水山の経験式3), さらに, 芦田・高橋・水山の掃流砂量式4)による掃流砂の土砂濃度とを示している。砂礫濃度がいかに勾配に支配されて変化するかがよく分かる。図-2によれば,土石流と掃流状集合流動の境界は流路勾配10. 程度にあり, 十分長い一様な堆積層があれば, 100程度の渓床で土石流が発生できることを示している。なお, 式 (3) は以下のようである。
2013年 Hyper KANAKO 勉強会の第一部で紹介されたスライドによれば、掃流状集合流動と掃流砂の境界:0.03と土石流と掃流状集合流動の境界:0.138は、勾配1.7度、7.9度に相当します。図では3度、10度程度となっていますので、小さめの値が採用されています。その後の実験で決めた閾値だと推察されるのですが、出典がないため追いかけられません。

平衡土砂濃度(掃流状集合流動(式3)、掃流砂)の導出や出典はよくわかりませんでした。理論式だそうですが。

いずれにしても、ある理論式をある範囲で使い分けている、範囲の閾値は実験で決めているというようなことだと推察されます。
ひとまずここまで。


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