「エクセルとマウスでできる熱流体のシミュレーション」丸善株式会社
http://www.research.kobe-u.ac.jp/eng-ene/excel-koku.pdf
いつも行く本屋さんで、この本の第2版を手にとっては、「ま、いいか」と思い買っていませんでした。
今日、図書館で熱伝導の本をあさっていると、初版が置いてあったので、借りて帰ってきました。
内容は1次元・2次元、定常・非定常熱拡散方程式を差分法で離散化し、EXCELのセルを利用して計算、可視化するというもの。内容は入門レベルでしょうか、特に難しい問題を解いているわけではありませんが、EXCELを利用するためのアイデアが多く盛り込まれています。これがこの本の売りでしょうね。ちなみに、文献も出ているようです。
http://www.research.kobe-u.ac.jp/eng-ene/excel-koku.pdf
以前より2次元定常浸透流はEXCEL+差分で試算することはありました。 しかし、非定常はどうするのか?ポテンシャル流れに移流分散を乗せるにはどうするのか?という問題にアイデアはなく、EXCELを利用することはありませんでした。この本では例をあげてその回答が書かれています。基本的にはシートや計算領域を複数にして、前の計算結果を反映させることで対応するようです。簡単ですが良いアイデアだと思います。
最後に移流分散(定常)、分子動力学法による分子拡散も簡単な例で説明がありました。後者は方程式を変えるとこんな事もできるんだ!というツールの守備範囲の広さを見せてくれます。
Fortran で組む内容と同じ事が EXCEL のセルと数式で可能なら、こういった熱伝導や移流分散の計算の壁が一気に低くなります。
2次元程度の試算であれば、誰でも持っているツールで可能になるということです。
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