地下熱利用(熱応答試験およびその解析)講習会で感じたことです。
受講時、熱応答試験(TRT)というものが、何のことか知らないレベルでした。
ただ名前から、地盤に熱負荷を与え、レスポンスを測定するといったイメージはありました。熱拡散も移流分散など同じような式なので、分散係数や拡散係数、または透水係数を測るイメージなのだろう、それを使って熱移動を計算するのだろうといった想像をしながら受講しました。
しかし、講師がいきなり「熱応答試験の理論式は揚水試験と数学的に同型」といった説明から入りました。えっ?と思いながら数式を見ると、確かに通常利用している PDE とは異なっています。1/rってなんだ?あれ?と思いながら話を聞いていたのですが、だんだん理解できました。
まず、熱応答試験は Closed システムでの熱交換井の評価を目的とした試験であること、つまり、井戸の構造や地下水位も全て含めた、測定時の井戸状態の値を測る試験です。あくまで地中熱利用のための交換井の本数や深度を設計することを目的とした試験であり、地盤の地下水の流れに温度を載せ、どう伝わっていくかを解析するためのパラメーター取得を目的とした試験ではありませんでした。ま、ある程度は利用できるかもしれませんが。
また、円筒座標系で示される試験であること。これが引っかかっていた一番の原因でした。そりゃ、円筒座標系の浸透理論と同型でもおかしくないでしょう。というか、揚水試験における浸透の支配方程式が線熱源の式を利用しているそうです。なるほど。
そこを理解すれば、あとは簡単。特に戸惑うこともなく、講習が終わりました。ちょっと期待していたところ異なる内容でしたが、ま、これはこれでまったく知らなかった箇所ですし、closed では必要な試験でしたので、個人的には満足でした。
揚水試験における浸透の支配方程式については、導出を追った事がありませんでした。浸透の式を直交座標系から円筒座標系に書き換えるだけでしょうか?一度、追ってみましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿