孔内傾斜計の観測と、地盤伸縮計、水位計等のメンテナンスに行ってきました。
調査時や施工時に地下水が認められないので、本当に地すべりなのか?単なる崩壊では?と考えていた現場です。
傾斜計のならしの間、「地すべりならこの辺りにすべり面が出てくるだろう」と、崩壊面を観察していました。すると、一部に含水のある箇所がありました。梅雨明けより殆ど雨は降っていませんので、見つけた?と思いながら近づいてみてみると、風化岩の上に礫混じり粘土がありました。成因はすべりか熱水破砕かは分かりませんでしたが、断層ではなさそうでした。
帰社後、データを整理すると、見事にそこへ抜ける変動が取れていました。 すべり面でOKのようです。ま、熱水破砕が先かもしれませんが。
こういった粘土を採取して理化学分析にかけると、特徴が出る場合も出ない場合もあります。熱水破砕が先であれば特徴が出るでしょうし、単なる物理的な破砕であれば、周辺の粘土分と変わらない結果になることが多いと思います。分析はあくまで地質に支配されるのでしょう。
素因として地質構造を組み立てておき、そこに土塊・水圧のバランスを持ち込んだ際にすべりが理解できるのだと思います。両方必要であり、片方だけ調べても解けない問題ではないでしょうか。3次元地質構造の把握と、SSRM の組み合わせが、地すべりの理解への近道だと思います。
残念ながら私は1度でそれらを理解できないので、現場と室内、何度も往復しなくてはなりません。その辺を省力化できるのが経験なんでしょうかね?
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