津波シミュの結果はテレビや動画サイトで良く目にします。
波の高さを誇張した可視化結果を見て、「綺麗だなー」などと思っていたのですが、その計算手法の詳細については考えもしませんでした。「どうせ、使う方程式は数種類だろうし、差分などで離散化して解いて結果を可視化しているだけでしょ。」程度でした。(余談ですが、FUJITSUさんなど粒子法で解こうとされているのもありましたが)
今日、後輩の津波シミュの計算の中身を教えてもらう機会があったのですが、確かに、流れはその通りでした。ただ一つだけ、引っかかった点がありました。
「陸域はメッシュを切っていない」
日本列島全域を計算対象に、非常に広範囲のメッシュを切っていたのですが、陸域にメッシュがありません。つまり、陸に到達した波は全反射する条件でした。
これだと、2波目、3波目が過大になるのでは?と聞いたところ、どうも、広域のあたり計算用のモデルとのこと。
確かに、このような広域のモデルでは、メッシュの大きさによる津波高さの計算精度に一定の限界があるでしょう。切り方によっては±5~10mでも妥当なモデルもあり得るでしょう。よくよく考えると、あたりまえです。いままで気にならなかったのがおかしいくらい。
気になって、今まで見てきた動画をチェックすると、一部で陸に海水が浸入していない結果がありました。
NHKのMEGAQUAKE2(第2回)は微妙です。よく見えませんが、入っていないように見える動画もありました。原発位置が示されたモデルでは入っていますね。しかし、どちらも計算精度は不明です。どこまで精度があると考えて良いのか?
今年に入って内閣府が南海トラフで巨大地震が起こった場合の津波高を発表していましたが、 あれも数字だけが印象に残っています。精度については未確認。いけないと思っている数字の独り歩きを、自分の頭が行っていました。うーん。反省です。
確認してみますと、50mメッシュですね。まあ、充分良い精度(inputによる精度は別、あくまで計算上の話)で計算した結果だと思います。が、4月以降、さらに細かい10mメッシュで実施しているようです。
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/nankai_trough_top.html
うーん。次からは気をつけましょう。
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